トレイダーズ証券の井口喜雄による【Dealer’sEYE】をお届けします。
日銀金融政策決定会合では、予想通り金融政策の据え置きが決定されました。声明文では「景況は基調としては緩やかな回復」「予想物価上昇率はこのところ弱含んでいる」「住宅投資は持ち直しが一服」など下方修正の内容が目立ったため、円高で反応しています。
ただ、直近のリスクオン地合いもあって下値は限定的となり、米ドル/円は113円でもみ合いが続いています。
明確なトレンドは見えず
チャートを見ても明確なトレンドが見えてきません。5日、21日の移動平均線が収縮しており、112円~115円のボックスで居心地がよさそうな展開です。レジスタンスは114円台後半のダブルボトムネックライン、サポートは2度トライして跳ね返された111円台、この水準を抜けてこないと出口が見えてきません。
ただ、同水準は強固なレジスタンスとサポートにあり、そのキワには多くの逆張りポジションが構築されております。仮に突破されたときはストップロスを巻き込み大きな値動きとなりますので警戒してください。
イエレンFRB議長の発言に注目
さて、本日は27:00(翌日3:00)にFOMC政策金利&声明発表が予定されています。
今回のFOMCで利上げはないと予想しておりますが、イエレンFRB議長が利上げ時期について具体的な発言がされるか注目されます。直近ではNYダウや、米長期金利にリスクオンの兆しがみられているため、イエレン議長は米景気に対して楽観的な発言内容となるのではないかと思っています。
また、金利先物市場に織り込まれたFOMCによる年内利上げの確率は78%と2カ月ぶりの高水準を付けているなか、6月の利上げの可能性を残すようなシナリオを予想しています。
この内容であればある程度ドル買いが入ることが想定されますが、現在のボックス相場の上値114円後半を抜けるほどのインパクトはないと思います。
原油価格がやや落ち着いたことで緩やかなリスクオン状態ではありますが、中期的なリスクオフ地合いが簡単に払拭されるとは考えにくいです。FOMC次第ではありますが、内容にポジティブサプライズがなく、ドルがふわっと上昇する展開であれば戻り売りを検討します。
投機筋円買いvs個人投資家円売り
IMM通貨先物では投機筋の円買いが6万枚を超えるなど高水準で推移している一方、個人投資家の円先安観が色濃く残っており、今の水準は押し目を買いのチャンスと見る市場参加者が依然として70%を超えております。
「投機筋円買いvs個人投資家円売り」という構図が日を追うごとにより鮮明になっており、下落圧力が高まりそうな雰囲気はしています。投機筋の下攻めからロスカット巻き込みのシナリオには十分警戒しておきましょう。
<長期展望>
ドル円は、中国を始めとした世界的な先行きの不透明感からリスクオフ地合いが簡単に払拭されるとは考え難く、円高に振れやすい地合いが続くと見ています。また、米利上げペースの鈍化、日銀金融緩和への限界などネガティブな材料は多く、長期的なターゲットとしては100円付近までの下値を想定しています。
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教育コンテンツ | 配信されるマーケット情報や投資家向けコンテンツの有無。 |
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