昨年秋、米連邦公開市場委員会(FOMC)がテーパリング(量的緩和策の縮小)を終了する頃から、マーケットでは、先進国で唯一利上げ姿勢が鮮明となったアメリカのドルをロングにしてきました。今年に入ってからも、欧州中銀(ECB)がQE策に踏み切ったことを受け、さらにユーロ売り/米ドル買いのポジションが膨らんでいったのは、皆さんもご存知のことでしょう。
しかし、先週実施されたFOMCでは、3カ月に一度の経済見通しで、将来の金利水準予想が大きく低下しただけでなく、イエレン議長が、「強いドルは輸出の伸び悩みの理由のひとつ」と言及したこともあり、市場参加者は、利が乗ったドル買いポジションの手仕舞いに動きました。
今週に入ってからも、ロックハート・アトランタ連銀総裁(ややハト派)、エヴァンス・シカゴ連銀総裁(もっともハト派)や、ブラード・セントルイス連銀総裁(ややタカ派)などが次から次へとドル高の米国景気への影響を懸念する発言をしています。とくに、私が気になったのは、フィッシャー副議長がここからの金融政策に関して、「たぶん年内に利上げをするだろうが、状況次第では、利下げの可能性もある」と語ったことでした。この方は、FOMC理事のなかでは中立派に属しますが、ときと場合によって、タカ派ハト派を上手く使いわけることで知られています。しかし、この期に及んで≪利下げ≫の可能性を除外しなかったということに、私は驚きました。
さすがに、これほど多数のFOMC理事からドル高警戒発言が出てきてしまうと、今までのユーロ売り/ドル買いポジションの巻き返しは、一朝一夕では終わりません。
FOMC当日のマーケット
先週のFOMC当日のユーロとドル、それぞれの実効レートのチャートを比較してみましょう。
これを見るとわかりますが、ドルは素直に下がっているのに対し、ユーロのほうは、前日とあまり変化ありません。つまり、FOMCの日に「ユーロ/米ドル」が1.10台まで急上昇した理由は【あくまでもドル安】だったといえるでしょう。
データ:ECBホームページ
チャート:インターコンチネンタル取引所ホームページ
3月24日のマーケット
今度は、今週火曜日のマーケットです。
FOMC当日とは違い、ユーロは上昇、ドルは下落と綺麗なかたちになっています。
データ:ECBホームページ
チャート:インターコンチネンタル取引所ホームページ
短期的な「ユーロ/米ドル」の戻り
今後、発表されるアメリカ関連の経済指標が大きく悪化したり、インフレ率がマイナス(デフレ)となり、それが長期化しない限り、私は、アメリカは年内に最初の利上げに動くように考えています。それに対し、ECBのQE策は現在のところ、2016年9月までは継続すると思われます。
それもあって、現在のユーロ買い/ドル売りの動きは、あくまでも「既存ポジションの益出し」という視点で眺め、ある程度ポジションがこなれてきたら、チャンスをみながら、また、ユーロ売りを仕掛けてみたいと思っています。その目安を、ユーロ実効レートを使って計算してみました。
チャート上に記入しましたが、現在91.7673であるユーロ実効レートが、92.9416まで戻った場合、計算上の「ユーロ/米ドル」は、1.1090になります。同様に、戻りがもっと深く、94.5044まで調整が入った場合は、計算上の「ユーロ/米ドル」は、1.1276となります。
これはあくまでも≪計算上≫の数字ですので、ぴったりに動くことはありません。ただし、大まかな目安として、私は常にこういう数字を頭に入れながら、次のチャンスを狙うよう心がけています。
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