利上げ開始が来年にずれ込むと、ドルの下値は一段と脆弱となる…
先週金曜日に発表された3月の米国雇用統計は、非農業部門雇用者数(NFP)が+12.6万人と予想の+24.5万人を大幅に下回り、1月・2月分も計6.9万人下方修正された。平均賃金の伸びは前年比+2.1%と前回の+2.0%を上回ったものの、賃金インフレを連想させるほどの強さではない。この結果を受けて、米国10年債利回りは一時1.80%付近まで低下し、「米ドル/円」は118円台後半へ下落した。
NFPが14か月ぶりの20万人割れとなった割には、ドルの下落は小幅にとどまったともいえる。+12.6万人という結果は、これまでのペース(過去1年間の平均+26万人程度)からかけ離れているだけでなく、前哨戦のADP雇用報告(+18.9万人)も大幅に下回っており、何らかの一時的要因が影響した可能性が高い。金曜日はイースター休暇で参加者が少なかったこともあり、市場は事態の深刻さを図りかねたようだ。
しかし、労働市場が質・量ともにピークアウトしている可能性も小さくない。下に示した図1は雇用の「量」を示すNFP、図2は雇用の「質」を示す労働市場情勢指数(LMCI)の推移だが、いずれも昨年11~12月をピークに悪化していることが見て取れる。むろん、寒波や港湾ストの影響はあるだろうが、それだけではない。ドル高や原油安を受けて企業利益が圧迫され、採用姿勢に変化が生じている可能性がある。
図1 NFP(単位・万人) 出所:米国労働統計局
図2 労働市場情勢指数(LMCI) 出所:FRB
現在、FF金利先物が織り込む金利水準は、9月で0.21%、12月で0.34%となっている。図3を見ると、金利先高観が1カ月前から大きく後退したことがわかる。市場参加者は、6月利上げどころか、年内利上げすら危ういと考えていることになる。もちろん、金利先物市場が常に正しいとは限らないが、市場が織り込んでいない状態で利上げに踏み切ることは、FRBにとってかなりのリスクとなることは間違いない。
図3 金利先物が織り込むFF金利(単位・%) 出所:CME
今週は、イースター休暇明けの金利市場が利上げの先送りをさらに織り込み始めるかどうかがポイントで、水曜日(日本時間木曜日未明)に公表される3月17・18日開催分のFOMC議事録が注目材料だ。当日の声明では「忍耐強く」との文言を削除したものの、利上げ時期に関しては「労働市場がさらに改善し、中期的にインフレが2%目標に向かっていくと合理的に認めたとき」と慎重姿勢を示した。議事録で利上げを急ぐべきでないとの意見が強調されるようなら、利上げ開始が来年にずれ込むとの見方が強まり、ドルの下値は一段と脆弱となるであろう。
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