今年になって、これまでほとんど利益を上げられなかったFXトレーダーが、突如として驚くほど勝てる凄腕FXトレーダーに変身。この急変ぶりには、本人も信じられないくらいの勝ちっぷりーー。今までどれくらい負けてきたかというと、昨年の収支は1000万円以上のマイナス、それ以前の損失も加えると、今までのトータルは数千万円の損失だといいます。それが現在、毎月数百万円をコンスタントに稼ぐ、スーパートレーダーに成長したのです。今回の記事では、彼が凄腕トレーダ―に変わったキッカケは何か、今までと比べて何が変わったのか、そんな興味深いお話をご紹介したいと思います。
世の中の大半のことは努力が実る
筆者主催のセミナーで仲良くなった男性投資家（以下、A君）は、FXを始めて数年になりますが、今までに月間収支がプラスになった月は、数えるほどしかなかったそうです。A君は年に数千回にも及ぶ短期トレードをしながら、寝る間を惜しんで幾多のトレード手法を検証し、数多くの売買ロジックを開発してきましたが、ひとつとして長期的な利益に結びつくことはなかったのです。
世の中の常識が教えるところでは、たいていのことならば、努力の量や質に比例して成果も上がるはずです。何か特別な知識や専門的な技術を得ることが目的ならば、それに関する書物を膨大に読んだり、数千時間の努力を継続すれば、多くの人は恐らくその道のエキスパートになれるでしょう。
つまり、世の中の大半のことは、たとえ仕事であれ、専門知識であれ、趣味であれ、一定期間努力を継続すれば、それ相応の成果が上がると想定されており、だからこそ多くの人は、暇を見つけて努力を積み重ねるのです。実際、仕事が忙しいサラリーマンでも、会社から帰宅した後や休日に、技能習得の努力を怠らない人が少なくありません。その理由は、その技能や知識をマスターすれば、会社での出世が早まったり、給料が増える可能性が高まるからに他なりません。このような世の中の常識から判断して、私たちはトレードにおいても、努力を継続していれば、いつか報われる日がくると考えているのかもしれません。
相場の世界に常識は通用しない
しかし、長い間、相場で悪戦苦闘の日々を経験して実感していることですが、たとえ血のにじむような努力を継続し、一日中為替取引のことばかり考えるような生活を送っても、その努力は必ずしも報われるとは限らないのがFXです。あえて誤解を恐れずにいえば、ほとんどの努力が無駄に終わるのが、相場の世界なのです。さまざまな試行錯誤の末に、やっと勝てる手法を見つけたと確信してトレードを開始した途端、口座資金をどんどん減らしていくのが当たり前なのです。
まるで努力の量に反比例するかのように、簡単にお金が減っていくのですから、これはかなり衝撃的な結果かもしれません。もしかしたら、「どんなに努力しても、FXは勝てないのでは？」と、薄々感じている投資家もたくさんいるのではないでしょうか。しかし、それを認めることは自己否定することにもなるので、自分を偽って「まだ努力が足りないから勝てないのだ」と、自分にいい聞かせているのが実情かもしれません。A君は数千万円のお金を失って、心が折れそうになりながらも、努力を続ければ成功できるとずっと信じてきたといいます。為替相場で長期的に勝ち残ることができるのは、全体のわずか5％以下というデーターが存在することを考えると、A君に起きた悲劇は決して他人事ではないのです。
相場への見方を変えるキッカケ
しかし、あるとき、毎日のトレード履歴を公開している筆者のブログと出会うことで、A君のトレード人生に一大転機が訪れました。今まで自分一人でもがき苦しんでいたA君ですが、同じ相場で格闘している為替鬼事務所のブログを毎日欠かさず読んだそうです。また、セミナーにも参加して、筆者や弊社のトレーダーとFXについて話し、ほんの少し相場の見方を変えただけで、まったく違う世界が開けてきたといいます。
A君の頭のなかに、今まで断片的にバラバラに詰め込まれていた知識が、ひとつひとつ組み合わさって、やっと実を結んできたのかもしれません。ほとんどのお金を相場で失ってきたA君は、残りわずかなお金を頼りに、後戻りできない崖っぷちからのスタートを切ったのでした。 最初は大きな売買ロットでは張れないので、わずか1万通貨単位からの運用開始です。小さな、小さな初めの一歩ですが、A君にとっては投資人生最後の挑戦が始りました。そして、無我夢中の半年が経ったある日、A君から連絡がありました。
A君は少しずつ勝てるようになり、勝ちトレードを重ねていくにつれて、不安が自信に変わり、今では負ける日がほとんどなくなったという報告を聞きながら、私はとても嬉しい気持ちになりました。
あなたが負けているのは当然だ
FXで勝ち続けられない原因は、意外にシンプルです。何年も為替取引をしている人なら誰でも気がつくことですが、為替相場の値動きはほとんどの局面でランダムウォークしており、未来の値動きを正しく予想することは不可能です。今後の値動きの予想が不可能である点については、たとえあなたが天才トレーダーであって、天才科学者であっても、未来を見通せる神様でない限り、例外はありません。
この当たり前の事実から目をそらさずに、心底から認めることからしか、トレードの見方が劇的に変わることはありません。「FXって、結局、上がるか下がるかを予想することでしょ!?」と思った方。トレードを今後の値動きを予想して、未来を当てるギャンブルと認識しているうちは、たとえ短期的に儲かることはあっても、長期的には勝ち続けられないと断言できます。
値動きがランダムウォークしている場面では、結局どんな手法で勝っても、それは運が良いだけの問題に過ぎないからです。また、トレードにおいて感情的で直感的な投資判断は大敵であり、人間は不確実な条件の下では、確率的に優位な損得判断や、合理的判断を下せないことが実証されています。このことは、2002年にノーベル経済学賞を受賞した、ダニエル・カーネマンの「プロスペクト理論」で広く知られています。値動きのランダム性、プロスペクト理論の影響、さらには、FX業者のスプレッドにより、トレードで生き残ることは、幸運以外では極めて困難なのです。
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トレード手法に対する考え方の変化
さて、A君のお話に戻りますが、今ではA君は為替鬼事務所の専属トレーダーになっています。現在では毎月数百万円もの利益を上げ続けており、為替鬼事務所の稼ぎ頭のひとりとして、頑張ってくれています。A君とは為替相場のことを毎日のように話しますが、以前は「どういうトレード手法を使えば勝てるのか」ばかりに、興味があったといいます。しかし、われわれとの出会いをキッカケに、FXに対する見方が大きく変わり、今ではトレード手法は二の次で、一番重要なのは資金管理とメンタル面だといい切ります。
私も彼にまったくの同感です。トレードで収益を改善するためには、どこでエントリーしてどこで決済するかという、トレード技術そのものよりも、どのようにトレードの損失を限定し、どのように利益を伸ばすのか。さらには、どのような場面で、どのくらいのロットでエントリーするが良いかといった、広い意味での資金管理のほうがはるかに重要であると確信しています。
とくに、昨今のように為替相場が激変している環境の下では、その時点で有効に機能していたトレード手法も、いずれ使いものにならなくなる可能性を否定できません。したがって、相場環境の変化に適応した資金管理の術を身につけることこそが、どのような状況になっても生き残ることを可能にしてくれるのです。
努力だけでは勝てないが、努力しないと生き残れない
一見、矛盾した話に聞こえるかもしれませんが、たとえ、FXにおける努力のほとんどが無駄に終わるとしても、成功を勝ち取るためには、努力は絶対に不可欠です。え？ 「どのような努力をすればFXで勝てますか？」ですって!? その答えは自分のなかにしか存在しないことに、一日も早く気がつくことです。投資家の数だけ相場の張り方がある以上、すべてのトレーダーに共通する聖杯は存在しません。答えは自分で試行錯誤して、悩み苦しんだ末にしか、見つけることができないものなのです。
ただ、確実にいえることは、トレーダーには相場の値動きをコントロールすることはきませんし、未来の相場の値動きを正しく予想することも不可能です。そうであるならば、コントロールできない未来の値動き予想に努力を傾注するのではなく、自分の意思でコントロールできる資金管理手法やメンタル面を強化することが、はるかに重要ではないでしょうか。今後の努力の方向性を間違えなければ、報われる日がきっときます。それこそが、たったひとつの成功のカギだと確信しています。（月刊FX攻略.com 2013年5月号掲載）
「これからFXを始めよう」と思ったとき、意外と悩んでしまうのがFX会社、取引口座選びではないでしょうか？ でも大丈夫。ご安心ください。先輩トレーダー達も最初は初心者。みんなが同じ悩みを通ってきているんです。
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|---|---|
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| シストレ･自動売買 | 裁量取引とは別に自動売買のサービスがあるかどうか。 |
| サポート体制 | サポート内容や対応可能時間の違いをチェック。 |
| 教育コンテンツ | 配信されるマーケット情報や投資家向けコンテンツの有無。 |
| キャンペーン | 新規口座開設時や口座利用者向け各種キャンペーンの内容。 |
