さあ、レバ5倍で取引!…とはならない
FXにはレバレッジというものがありまして、トレードの勉強をしている方なら、何度も耳にすることがあると思います。今月はこのレバレッジについて。
まず、普段のトレードにおいて、「自分が今レバレッジ何倍で運用しているか」を、意識することはあまりないということ。FXに慣れていないメディアさんが、増刊号とかでFXの本を作ることがありますが、そういった本の中でトレーダーさんに、「レバレッジは何倍で運用していますか?」という、いかにも答えにくい質問をしていることがたまにあります。
レバレッジというのは、「資金の最大○倍のサイズを取引できる」という意味で、今の日本国内のルールでは25倍がマックスです。ちなみにこれは、資金の25倍勝ったり、負けたりすることではありません。念のため。資金が10万円の人が、250万円儲かったり、250万円損したりはしないのです。当たり前ですよね。もしそうだったら、狂気のギャンブルです。
何度も出てくる話ですが、ドル円が100円なら1万ドルは100万円。でも、4万円の資金があれば、25倍に相当する100万円(=1万ドル)のドル円を持つことができる、これがレバレッジです。25倍大きいトレードができるというよりは、25分の1の資金でポジションが持てると解釈した方が実態に近いかもしれません。
というわけですから、「さあ、今からレバレッジ○倍のトレードをするぞ」とはならないわけです。口座資金でレバレッジは変動しますし、レバレッジの倍率を基にトレード枚数を厳格に決めている人なんかいないと思います。あくまで後から振り返ったり、俯瞰して、初めてそのトレードがレバレッジが○倍くらいだな、ということがぼんやり見える程度。FX会社の取引ソフトでも、レバレッジが今何倍かは小さくしか表示されていないことが多いですし。
負け組のハイレバは死期を早めるだけ
FX攻略.comが創刊されたころのFX業界ではまだレバレッジ規制がなく、各社が競い合うようにハイレバレッジでのサービスを提供していました。ですが、今は全社25倍で横並び。ハイレバレッジでトレードをしたかったら、海外のFX業者しかありません。
海外FXについては、立場上推奨はできませんし、あくまで自己責任で、としか言いようがないのですが、ハイレバレッジ自体に否定的なわけではありません。高いレバレッジをかけてトレードができるという選択肢があることは、トレーダーにとって悪いことではありません。
レバレッジはテコの意味ですから、テコの原理のように小さい力から大きな力を生むというものです。なので、ハイレバレッジでトレードをすれば、少ない資金でも大きく稼ぐことができるため、そういう選択肢があっても損はないと思うのです。
ただし、これは十分な技術を習得しているという条件がつきます。レバレッジとはつまり結果をよりはっきり、早く出すための仕組み。だからハイレバレッジでトレードをすれば、少ない資金でも大きく稼げますが、同時に資金が一瞬でなくなる、つまり一気に資金を減らすことにもつながります。
このあたりを曖昧に考えられている方が多いのも事実。とある懇親会で出会った個人投資家さんのお話です。その方はまさにそのときテクニカル手法によるトレードを勉強中だったのですが、同時に海外FXによるハイレバレッジ口座の情報も集めていました。…いやいや、まだ早いでしょうと。その手法をある程度の期間何度も繰り返し、この調子ならお金が増えると確信を持てたところで、初めてハイレバレッジのトレードを検討すればいいのです。勝てないうちから全力で行けば、通常より早くお金が減り退場するだけ。負けるときのことも考えねばならないのです。
(FX攻略.com WEB編集長 鹿内武蔵)
※この記事は、富士山マガジンサービス読者限定FX攻略.com編集部便りに掲載されたものを加筆・編集したものです。
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サポート体制 | サポート内容や対応可能時間の違いをチェック。 |
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