ニュース5分に、チャート5分。トレード時間は計10分。
スイングトレード派の人は多いけれど、その中でも月足でトレードしているというと、珍しい存在になるのではないでしょうか。今回から連載を始めていただくゆったり為替さんは、デイトレやスキャルなどさまざまなトレードスタイルを経験した上で、月足トレードに辿り着いたそう。その手法や哲学を、教えてもらいましょう。
※この記事は、FX攻略.com2017年5月号の記事を転載・再編集したものです
月足トレードは脇役か?
皆さま、こんにちは。ゆったり為替です。今回から「月足を使ったトレード」について連載させていただくことになりました。といいますのは、私は月足を使ったトレードを最も好むからです。皆さまに有益な情報を提供できるよう執筆してまいります。
さて、多くの方にとって、月足を使ったトレードはなじみが薄いと思います。月足よりも日足を使ったトレードの人気が高いでしょうし、デイトレードも活発でしょう。FX各社では、トレード成績を競う短期間のキャンペーンを開催することが珍しくありません。
『FX攻略.com』においても、月足を使ったトレードの紹介は珍しいでしょう。情報量としてはデイトレードが圧勝しており、月足の分析記事を探すのは大変かもしれません。すなわち、月足トレードは脇役だといえます。
では最初に、月足を使ったトレードに比べて、短い時間軸のトレードの人気がある(だろう)理由を考えてみましょう。
短期トレードが人気の理由
理由① 取引チャンスが多い
月足トレードよりも、日足や1時間足の方が取引チャンスは圧倒的に多いです。これは事実でしょう。月足の場合、ローソク足が一つできるために1か月という気の長い時間が必要です。一方、日足だったら1日でOKですし、1時間足だったら1時間ごとにローソク足が作られます。1日で24本にもなります。
ローソク足が数多くできるということは、それだけトレードチャンスも数多く生まれることを意味します。何回もトレードしたいならば、月足よりも1時間足の方が有利でしょう。
理由② ハラハラ・ドキドキ!
皆さまがFXを楽しむ理由は何でしょうか。負けるためにFXをする人はいないでしょうから、資金を増やすためにFXをしていることでしょう。しかし、もう一つ、実は隠れた理由がありませんか? それは、「ハラハラ・ドキドキ!」です。
例えば、預貯金は面白いでしょうか。全然面白くないと思います。貯蓄が趣味という場合は、預金通帳を見て「ウフフ…」となることもあるでしょう。しかし、利息はほとんど付きませんし、元本はいつまでたっても変動しません。ハラハラすることもドキドキすることもありません。
しかし、FXは違います。「損するかもしれないし、大きく勝つかもしれない」というドキドキ感を求めてFXをしている場合が、少なからずあるでしょう。
この感覚は、月足トレードではなかなか難しいです。この感覚がほしい場合は、短い時間足でのトレードが多くなるでしょう。
月足トレードのメリットとは
このように考えると、月足を使った取引は価値がないように見えるかもしれません。というのは、取引チャンスが少ないからです。しかし、私はスキャルピングやデイトレードなど、ウェブ上に氾濫しているさまざまなトレードに手を出して、失敗を繰り返してきました。その結果、現在は月足トレードに落ち着いています。
ということは、月足トレードにもメリットがあるということになります。このメリットを確認しましょう。
月足トレードのメリット① 時間に余裕がある
私は専業でFXをしています。そこで、1日の大半をパソコンの前で過ごしてトレードすることも可能です。しかし、していません。その理由はいくつかあります。
例えば、1日8時間がトレード時間だとしましょう。すると、会社員として働くのと似ています。しかし、会社員の場合は働けば給料をもらえますが、トレーダーの場合は損することもあります。長い時間働いた上に損益ゼロ、あるいは大幅損失になったときの疲労感は半端ではありません。
一方、月足の場合、1日の大半を自由時間として過ごせます。何しろ、チャートは週末にチェックするだけでOKですから。月足の場合、米雇用統計発表時の大きな値動きでさえ、誤差とみなすことが可能です。そして、FX以外の自分がやりたいことに時間を使えます。
このことは、会社員や自営業として働いている皆さまにとっても大きなメリットです。多くの場合、会社などで働いたり、学校に行ったり、専業主婦などとして忙しく過ごしていらっしゃると思います。そんな中で、パソコンやスマホをじっと見てトレードをするのは簡単ではありません。
そういった生活は、短期間はできると思います。しかし、1年、5年、10年と続けられるでしょうか。FXで稼ぎたいと思う場合、一過性の単発の収益では面白くありません。可能ならば、継続的に長期的に収入がほしいです。
こう考える場合、何か別に本業を持ちながらの短期トレードは、継続することが難しいかもしれません。
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月足トレードのメリット② 経済に強くなる
例えば、米雇用統計を例にしましょう。市場予想よりも良い数字だった、悪い数字だったということに反応して、「米ドル/円」が大きく変動することがあります。しかし、国際経済を全体的に把握しようと思うとき、「市場予想との差」はあまり重要でないでしょう。
一方、月足トレードの場合は、米雇用統計の使い方が違います。少なくとも過去10年、可能ならば20年以上の長期間のデータを分析します。そして、米雇用統計の推移と「米ドル/円」の関係を見いだそうと頑張ります。
あるいは、米雇用統計と消費者物価指数の関係を長期で調べたりもします。このような分析をする理由ですが、長期トレードをするには経済指標分析も比較的重要だからです。長期分析ができるようになると、経済全体を俯瞰的に把握する能力が高くなると思います。
これはトレードに直接、有効ということではないかもしれません。しかし、経済の知識を仕事に生かせるかもしれません。知見を広めるという意味で、月足トレードは有効だろうと思います。
1993年5月から2017年3月までのドル円、ユーロドルの月足チャート。
月足トレードのメリット③ 老後もFXできますか?
私の場合、会社員でないので給料はありません。ということは、定年もありません。年を取ってからもFXができます。しかし、問題があります。年を取っても、現在と同じような知識・判断力・瞬発力などを維持できるでしょうか。
ITの発展はすさまじく、超短期のトレードにAI(人工知能)が既に投入されているという話を耳にします。実際のところは分かりませんが、年月が経過するにつれて、私の肉体能力は落ちていくでしょう。それとは逆で、ITは加速度的に進化するでしょう。まともに戦っていては、勝てないと感じます。
しかし、稼がなくてはいけません。では、どうやって? …という話になります。ここで出てくるのが、月足を使った超長期トレードです。
一つの足ができるのに1か月もかかりますから、瞬発力は不要です。インジケーターを使いませんから、チャート分析そのものは単純です。あとは、資金管理を万全にして、経済への関心を失わないで生活すればOKという状態にしています。
以上の通り、月足を使ったトレードは、短期間で積極的に攻めるFXとは趣向が大きく異なります。私のキーワードは「老後」「年金不安」です。これらをFXでぶっ飛ばそう! というコンセプトでトレードしています。
ゆったり為替さんの月足トレードスタイル
売買スタイル
長期トレードとリピート系注文に力を入れています。週足から月足を使うトレードが中心です。
トレードのスケジュール
【午前6時〜7時ごろ】
NYクローズ後のニュースを流し読み(5分くらい)。その後チャートを確認(5分〜10分)し、スプレッドが狭くなってきたところで売買。トレードに要する時間は、1日10分〜15分くらいです。
【日中】
日中は、バックテストをしたり、経済指標の分析やFX各社のツールの研究をしたりします(時間は決めず、満足できるまで没頭)。これをトレードに含めるならば、かなり長い時間FXをしているということになります。
取引しているFX会社
用途に応じて多数。最も資金を投入しているのはセントラル短資FXで、スワップ狙いをしたり、実験的なトレードをしたりしています。
チャート分析の環境
セントラル短資FX「クイック・チャート・トレード・プラス」を使用しています。
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主にトレードする通貨ペア
20通貨ペア以上を取引対象としています。週足〜月足のトレードの場合、通貨ペアを幅広く確認しないと取引機会が少なくなるためです。
トレードスタイルのポイント
キーワードは「老後」「年金不安」。年老いて働けなくなり判断力が衰えてもなお、FXを収益源にできるか、ということに重きを置いています。
※この記事は、FX攻略.com2017年5月号の記事を転載・再編集したものです
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\FX会社によって違うところをチェック/
スプレッド | FX取引における取引コスト。狭いほうが望ましい。 |
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約定力 | 狙った価格で注文が通りやすいかどうか。 |
スワップポイント | 高水準かどうか。高金利通貨の取り扱いの数。 |
取引単位 | 少額取引ができるかどうか。運用資金が少ないなら要チェック。 |
取引ツール | 提供されるPC・スマホ取引ツールの使いやすさ。MT4ができるかどうか。オリジナルの分析ツールの有無。 |
シストレ・自動売買 | 裁量取引とは別に自動売買のサービスがあるかどうか。 |
サポート体制 | サポート内容や対応可能時間の違いをチェック。 |
教育コンテンツ | 配信されるマーケット情報や投資家向けコンテンツの有無。 |
キャンペーン | 新規口座開設時や口座利用者向け各種キャンペーンの内容。 |