利益が大きく取れるトレンド相場への関心が高い人は多いですが、トレンドのない場面には興味を示さない人もいるのではないでしょうか? トレンドで利益を丸ごと取るためには、トレンドが発生していない中間波動といわれる局面を制する必要があります。ここでは、そんな中間波動の攻略方法を神藤将男さんに教えていただきます。
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皆さんこんにちは。前回は水平線とトレンドライン、そして、チャネルラインを引きました。そして、価格が上がっても下がっても対応できるように、それぞれのシナリオを考察しました。そのシナリオを考察するときにたくさんの水平線を引きましたが、それは上がる場合と下がる場合で、どちらの壁(抵抗)が厚いかを考えるためでした。なぜ壁の厚さを考えるかというと、予測したシナリオと実際の値動きを比べることで、相場の強弱や勢いを測ることができるからです。
今回は、皆さんと一緒に前回までとは違う通貨ペアを見ながらシナリオを考察してみようと思います。できれば、誌面のチャートを見る前に、ご自身のスマホかパソコンで、ユーロドル(2018年9月~)の週足チャートをご覧いただいてから、自分なりのシナリオを考察してみてください。
まずはラインを引く
チャート①を見ると、2020年2月までは下降トレンドが継続し、チャネルラインの中で価格が推移していることが分かります。そして、3月にはコロナショックにより激しく乱高下しました。その乱高下したときの高値と安値に水平線を2本引きました。そこからは、値動きがこう着しているのでトレンドラインを2本引きました。
これでシナリオを考察する準備はできましたが、その前に現状分析をする必要がありますので、チャートに入れたそれぞれのラインを参考に分析していきましょう。
現状分析
2018年からの下降相場は安定した動きでしたが、コロナショックで価格が激しく上下しました。そのときに、安定下降していたチャネルラインを上抜けました。この動きは相場の変化を示しており、価格が上昇する、またはもみ合い相場になるかもしれないことを暗示していました。ところが、チャネルラインを上抜けたのは一時的で、今度はチャネルラインを下抜けて安値を更新。下降トレンドが継続していることを示唆する動きとなりました。
そこからは、約2か月こう着状態に。乱高下したときの高値も安値も更新できない状態が続いており、現状が中間波動になっていることが分かります。総括すると、コロナショックで乱高下はしたものの、下降トレンドの流れは継続しており、現状の中間波動の状態からどちらに抜けてくるのかがポイントになっています。
シナリオを考察する
考えられるシナリオは三つです。まず、下降トレンドが継続するシナリオ。直近は中間波動となっていますが、大局は下降トレンドが継続しており、トレンドラインを下抜ければ、すぐに前回安値の水平線が待ち構えています。そこまでの間隔が狭いので、売り圧力が強まれば、あっさりと割り込むことが考えられます。
次に、2本の水平線を引きましたが、今回のコロナショックにより大きな値動きになったことで上下の高値も安値も更新できず、その範囲内でしばらく動くことも考えられます。そうなった場合は、ボラティリティ(変動率)が低くなりますので、トレードする銘柄としての魅力が低くなることも想定できます。直近のトライアングルを更新したとしても、水平線を更新できるかどうかで決まってきます。
最後に、トレンド転換して上昇相場に移行するシナリオです。現状ではトレンドラインを上抜ける可能性はありますが、高値更新には値幅が開いており、可能性は低そうです。ただし、だからといって上昇することはないと高をくくってはいけません。我々の予想を裏切って動くのが相場です。今回のコロナショックも事前に言い当てていた人はいないと思います。だからこそ、可能性が低そうでもシナリオを考察することが大事です。そうすることで、どのように動いても対応できるようになるのです。
シナリオと実際の価格の比較
今度は価格が実際に推移していきますので、その実際の推移とシナリオを比較して相場の状況を確認していきます。例えば、「シナリオ通り下降トレンド継続で安値を割ったときに、壁が薄いので勢いよく下がるはずが、下がり方がゆっくりであればトレンド継続でも勢いは弱い」とか、「トレンドラインを上に抜けてきたとき、高値までは値幅もあり壁も厚いと見ていたのに意外としっかり上昇していれば勢いは強い」といったように分析していきます。
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最後に
トレードは価格が上がるか下がるかを当てるゲームではなく、変幻自在なチャートの動きを凝視し、トレンド相場と中間波動の違いを見極め、トレンド相場をしっかりと狙っていくものです。そのためにも、常にシナリオを考える習慣を持つようにしましょう。
※この記事は、FX攻略.com2020年8月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
※当連載で使用している「中間波動」は、「一目均衡表」における中間波動とは一切関係ございません。
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