前回の記事でFRB、FOMCを紹介しましたが、今回からFRBの業務である、金融政策と公開市場操作について、お話ししていこうと思います。
為替の世界で最も重要な米ドルの、ファンダメンタルズで最も重要な金利動向に対し、最も影響力を持つFRBの二大業務なのでものすごく重要なのですが、案外小難しくて、よく分からないという方が多いと思います。
私は大学、大学院ともに工学系ですので、こういった金融・経済用語を覚えるのには苦労いたしました(証券アナリストや外務員試験の時に一気にやった覚えがあります)。
金融政策とは?
さて、まずは金融政策なのですが、厳密にいうと、公開市場操作は金融政策の施策の一つです。ここでの金融政策では、もう一つの大きな施策である金利操作について詳しく話して行きたいと思います。
そもそも金融政策とは、物価や通貨価値の安定を狙って、各国の中央銀行が執り行う政策のことです。
施策として、大きく分けて、公定歩合や預金準備率を変更したり、公開市場操作を行ったりします。
その目標は、金利・マネーサプライの操作です。
これら金利・マネーサプライが変化することによって、我々が取引する為替レートに影響を与える事になります。
金利動向に影響を与える公定歩合変更
金利動向に直接影響を与える施策である、公定歩合変更についてお話ししていきます。
これは、中央銀行が民間の銀行に資金を貸すための利子率のことを公定歩合と呼び、それを変化させるという最も基本的な金融政策の一つです。
米国では、フェデラル・ファンド金利と呼ばれる短期金利の操作のことを言います。
米国の金利引き上げや、日銀のマイナス金利導入などで度々聞かれるこの”金利”という言葉は、短期金利のことを示すというわけです。
まとめ 短期金利と為替レートの関係性
今回は少しヘビーな内容ですのでここまでにして、まとめに入ります。
まとめとして、今回は中央銀行が操作できる短期金利と為替レートの関係について、考えていきたいと思います。
そもそも、金利が上がると資金がその通貨に流入しやすく、下がると流出しやすいのですが、それは何故なのでしょうか。
厳密には、金利上昇→資金流入、ではなく、金利上昇→金利差拡大→資金流入となります。
どういうことかというと、例えばドルと円で考えた場合、ドルの方が円より金利が高ければ、ドルで持っておいた方が、高い金利が付きますので、円よりドルがほしいという人が増えます。
なので、ドルに資金が流入していくわけです。金利低下で金利差縮小する場合は、その反対が言えます。
ただ、これはあまりにも単純化している図式であり、本質的にはもっと複雑です。ですが、金利と通貨の相関性が歴史的に高いことは事実ですので、この程度で覚えておいて、実際のトレードで不利が生じることはありません。
で、ここで金利金利といっているのですが、先程の単純化の図式で考えると、金利差を狙った資金流出入を担っているプレイヤーが考える金利とは、どちらかというと長期金利であることが考えられます。
まぁ、普通に考えて、資金を移動させるコストを考えると、長期保有する時の金利差を考えるはずですからね。
短期金利が重要な理由
では、なぜ中央銀行が操作できる”短期金利”が重要なのでしょうか?
長期金利はマーケットで決まるので、直接中央銀行は操作できませんが、短期金利と長期金利には、ある程度の相関性があることが分かっています。
なので、
短期金利上昇→長期金利上昇期待→金利差拡大期待→資金流入期待→通貨上昇期待
というながい道のりを通じることで、為替レートと金利操作が関わってくるというわけなのです。
さて、これで中央銀行の金融政策の中でも、金利操作の重要性が分かって頂けたかと思います。
中々ヘビーな講義が続きますが、頑張ってついてきてくだされば幸いです。
では、次回は金融政策の2つめである、公開市場操作についてお話ししていきたいと思います。
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