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私のFXトレードのポイント[秋川匡人]

私のFXトレードのポイント[秋川匡人]

リピート系自動売買の運用記録を定期的にレポートしている個人投資家の秋川匡人さんに、リピート系の設定において非常に重要なポイントとなる、「注文の値幅」について解説していただきました。

※この記事は、FX攻略.com2017年8月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。

まずはリピート系のおさらいから

私のメイン運用は、リピート系と呼ばれる自動売買の一種で、レンジ相場を狙うものです。

リピート系には、マネースクエアのトラリピを元祖として、いくつかの商品が各FX会社から提供されていますが、基本的な仕組みはだいたい同じです。どれも、何度でも再設定される新規→利食いのイフダン注文か、それと同じ動きをするものを相場に敷き詰めます。

そのため、その敷き詰められた範囲での値動きがあるたび、利益確定が繰り返され、資金が増えていくというのが、リピート系の基本的な仕様です。この仕様から、トレンド相場はあまり得意ではなく、レンジ相場で威力を発揮します。このあたりは先月号の記事でも書かせていただきました。

さて、今回はリピート系の自動売買を運用するための重要なポイントである、「注文の値幅」について解説いたします。

非常に重要な値幅の設定

リピート系は自動売買の一種ですから、最初に設定をすればあとはシステムが勝手にトレードをしてくれます。だからこそ設定の良し悪しが収益性そのものといえます。先月は豪ドル円が長期的なレンジ相場であることを解説しましたが、これは重要な設定の一つである、通貨ペア選びにつながる部分です。そして注文の値幅は、通貨ペア選びと同じくらい大切な設定となります。

注文の値幅とは、イフダン注文を何pipsごとに置くか、言い換えればイフダン注文同士の間隔を何pipsにするのかを指します。

例えばアイネット証券のループイフダンで豪ドル円を運用しようと思ったら、20・40・80の3種類から選択することになります。

私の考察と検証では、狭い値幅より広い値幅の方が収益性が高まる傾向があるのですが、これについては後述するとして、まず基礎的な部分から見ていきましょう。

まずは売買回数について。値幅が狭くなるほどイフダン注文にヒットしやすくなるので、売買の回数が増えます。逆に広くするほど売買回数は減ります。

関連して、値幅が狭いほどたくさんポジションを保有しますから、売買の方向と相場が逆行したときに含み損も増えてハイリスクとなります。逆に広いほど保有ポジションが少ないので、含み損も少なくなります。

これらの事実から、「値幅が狭いほど高回転でハイリターン、でもハイリスク」「値幅が広いほど低回転でローリターン、かわりにローリスク」と説明されることが多いです。ただしこの考え方では、値幅設定の本質からは少々ずれていることになります。

枚数を揃えて値幅を比べると…

リピート系において「どの値幅が一番勝てるのか」ということを考えていくと、トレードのリスクを同一にしなければ、比較することはできません。リスクを同一にするとは、値幅あたりの注文本数をそろえることです。20pipsの値幅(B20)なら20pips値動きするたびにポジションが追加されますが、80pipsの値幅(B80)なら80pips値動きしないとポジションが追加されません。これで取引枚数が同じなら、値幅あたりのリスクが違う別の運用です。

そこで、B80をB20の4倍の売買数量にすることで、同じ値幅動いたときのリスクをおおむね同一にできます。図①がそのイメージで、B20の1000通貨に対し、B80を4000通貨にすることで、ほとんど同じリスク(80pipsの値動きで4000通貨を保有)になります。値動きごとの売買数量が同じ=必要な証拠金も同じである、同リスクの運用という解釈ができます。

80pips下降した場合

この条件下で、今度は一気に80pips上昇したところをイメージしてみましょう。B80は4000通貨で80pipsの差益ですので、売買の利益は3200円。それに対しB20は1000通貨で20pipsの差益なので、売買の利益は200円を4回で800円。

80pips上昇した場合

このイメージが図②になりますが、こうして見ると値幅が狭いB20の利益は値幅が広いB80の4分の1にしかならないことが分かります。もちろんこれは一直線に80pips上昇した場合の話で、実際には行ったり来たりの小さな値動きで20pipsの注文がヒットすることもあるので、B20の利益はこれよりは増えます。どちらにせよ、B20は4倍の利益の差を埋めなければいけないとも言い換えられます。

フォワードでも広い値幅が好成績

ループイフダンにはデモ取引の機能がありますので、現在は5種類の通貨ペアについて、広い値幅と狭い値幅のリスクをそろえた上で、どちらが収益性が高いかをフォワードテストしています。

2016年10月〜2017年4月までのデータを見ると、豪ドル円・ドル円・ポンド円では、それぞれで値幅が広いものの方が明らかに高収益になっています。残るユーロ円とユーロドルについては、ほとんど差は出ていません。今からリピート系を始めるなら、この考え方は覚えておきたいところです。

※この記事は、FX攻略.com2017年8月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。

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