トレイダーズ証券の井口喜雄による【Dealer’sEYE】をお届けします。
先週の日銀政策決定会合を終えて、米ドル/円は新しいステージに突入したように思います。日銀の結果はETF増額のみと、マイナス金利拡大や量の拡大を見送りました。マイナス金利は副作用が大きく、国債買い入れ額も限界に近いと判断したのであれば、もう日銀に出せるカードはありません。
現実的に考えて金融市場を崩壊させるヘリコプターマネーのような政策を行うはずはなく、仮に今後マイナス金利の深堀や、国債買い入れ額を増やしても効果は一時的で、黒田バズーカと言われる2013年のような円安トレンドになることはないでしょう。短期的には100円割れを阻止するため、政府日銀による介入のほか、何らかの円高対策が発動する可能性はありますが、長続きするものにはならないはずです。
一方ドルも、米4-6月期GDPは予想を大幅に下回っているほか、米ISM製造業景況指数も悪化しており、年内の利上げの可能性に暗雲が立ち込めてきました。加えて、今週の金曜日には米7月雇用統計の発表を控えていますが、非農業部門雇用者数の増加予想は18万人となっており、今年の平均20万人を割り込むと予想されています。
米労働市場が完全雇用の水準にあるなか、労働人口の増加ペースは鈍化傾向にあり、こちらも米利上げに関してはネガティブに働くとみています。米景気サイクルが終わりに近づきつつあるなか、弱いドルにも注意を払わなくてはなりません。
ドル円の100円割れは時間の問題
そしてマーケットのテーマは今後米大統領選へ移行していきます。
最新の世論調査ではクリントン氏が数ポイントリードしていますが、トランプ氏が追い上げる展開となれば、米国政治の先行き不透明感からドル安になります。加えて、両大統領候補とも日本の金融政策を快く思っていない事は確かであり、今後ことあるごとに円高圧力が強まる可能性は否定できません。
日銀、米利上げペース、米大統領選、そのほか、欧州や中国でいつ地雷を踏むか分からない状況を総合的に分析すると、米ドル/円の100円割れはもう時間の問題だと思っています。
テクニカル面でも107円台で75日移動平均線(黄線)に跳ね返され頭を打ってから下落トレンドに入ったことは確かです。日足一目均衡表の雲が右肩下がりの形状となっていたので、自然と雲を上抜けるチャンスもありましたが、こちらもことごとく失敗しており、逆に雲下限や基準線の差し掛かる103.80レベルは強固なレジスタンスと変化しています。
一方、サポートに関しては100円という心理的節目しかなく、ダウンサイドリスクが高いチャートに見えます。
100円台まで下押ししたため、米ドル/円の売買比率を見てみると72%がロングポジションを構築しております。IMM通貨先物では投機筋のドルショートが高水準で推移している一方、個人投資家の7割がドルロングとなっており、「海外のドル売りvs国内のドル買い」という構図となっていることが分かります。
先ほども述べましたが、米ドル/円はダウンサイドリスクが高いほか、HFT系ヘッジファンドがロスカットを付けに行くような仕掛けもこの水準では想定しておくべきでしょう。
当然リバウンド狙いの買いは可能ですが、ストップをタイトに設定し、トレードはごく短期にとどめておくのが無難でしょう。上昇余地の見極めがつけば売り場を探す相場と考えます。
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