では、今回も引き続き番外編。85年のプラザ合意が起こった背景と、現在の状況との共通点を見ていきたいと思います。
85年プラザ合意を振り返る
まずは85年のプラザ合意。為替を扱う人間でなくても一度は聞いたことがある歴史上でも相当重要な為替レートの協調合意ですが、ことの発端は60年代に遡ります。
60年代、内需拡大で経常赤字が拡大していきました。これにより、それまで続いていたドル本位制の維持が困難となりました。
そこで70年代、これまた歴史的な金ドル本位制の放棄、俗にいうニクソンショックが起こり、現在の変動相場制へと移行したのです。
その結果、当然ですがドルの価値は下落。高インフレ時代へと突入しました。それにより、ドル安を阻止することが課題となったのです。
そして80年代。現在のトランプ大統領と比較されることも多い、レーガン政権が始まり、強いドル政策とボルカー連銀総裁による超引き締め策のWパンチでドル高を試みます。
その結果は著しく、超ドル高となり、高インフレ問題は解決されました。ですが、同時に超ドル高による莫大な貿易赤字と、減税や軍事費の増大による財政赤字が同時に起こるという、所謂双子の赤字という問題が新しく生じることとなったわけです。
当時レーガン大統領と、我が国の首相であった中曽根首相は、ロン・ヤスと呼び合うくらい仲が良く、日米は蜜月関係にありました。それもあって、日本は、米国のこの双子の赤字問題を解決するために、痛みを受け入れることになります。
それが、かの有名な85年プラザホテルで行われた5か国の協調介入合意、プラザ合意であり、これによりドルは一気にドル安へと反転していくわけです。
現在の状況とプラザ合意当時の状況との共通点
さて、それではこのプラザ合意当時の状況と、現在の状況を少し比較してみましょう。
まず、プラザ合意の引き金となったのは、簡略化すると次の2点。ドル高政策をとってきたことによる貿易赤字と、その主要貿易赤字国であった日本と米国の蜜月関係です。
現在、ご承知の通りFRBはイエレン議長の元金利引き上げ、つまりドル高政策をとってきており、各国の通貨安競争も相まって、膨大な貿易赤字となっています。
そして、先日安倍首相とトランプ大統領の首脳会談が大成功に終わったこともご承知の通りですが、安倍・トランプの蜜月関係は当時のロン・ヤスを彷彿とさせます。
と、こう書くと過去のプラザ合意以前とかなり似通った状況であるように思えますが、決定的に違う点が一点あります。
ドルの行方は米国と中国の関係次第
それは、過去米国にとって最大の貿易赤字国が日本だったのに対し、現在は中国であるという点です。
そして、中国と米国は、85年当時の日米のような蜜月関係では、当然のことながらありません。むしろ、旧ソ連と米国の冷戦時代のような緊張感さえ漂っているといえるでしょう。
つまり、これからのドルの行方を占っていく上で、米国と中国の関係を見るということは避けては通れないということになります。
では、次回は、中国に対する米国の姿勢を、地政面、通商面から見ていきたいと思います。
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