今回は米国独自の中の企業関連指標の一つ、フィラデルフィア連銀製造業業況指数についてお話ししていきます。
フィラデルフィア連銀製造業業況指数とは?
フィラデルフィア連銀製造業業況指数とは、前回お話ししたNY連銀製造業景気指数と同じく、製造業の景況感を把握するために指数化された経済指標です。
フィラデルフィア地区連銀が管轄する3州(ペンシルバニア州、ニュージャージー州、デラウェア州)の製造業の景況感や経済活動の現状などを指数化したもので、内容としてはNYと同じく、非農業部門の就業者数、失業率、新規受注、平均賃金、個人所得など、11項目から構成され、各項目について1か月前と比較した現状と、6か月後の期待を、「良い」「同じ」「悪い」の中から選択させ、指数化しています。
発表時間は、毎月第三木曜日、米国東部時間午前10時00分で、日本時間でいうと、夏時間で23:00、冬時間で24:00となります。
こちらは前回のNY連銀製造業景気指数に比べ、米国の製造業関連指数の本丸であるISM製造業景気数に対する相関が比較的高いです。
流れとしては、NY連銀製造業景気指数で大まかな方向性を予測し、フィラデルフィア連銀製造業景況指数でコンセンサスを形成、そしてISM製造業景気指数で実績を確認していくという流れになります。
フィラデルフィア連銀製造業業況指数との向き合い方
さて、ではこの指標とどのように向き合っていけばよいのでしょうか。
NY連銀製造業景気指数と同じく、基本的な見方としては、0を分岐点にプラスだと、景気の先行きは明るく、マイナスだと景気減速懸念が高まっていると判断できます。
ですので、0を分岐点に、実際の数値がどのようになったかを見て、コンセンサスよりも景気の先行きが明るい方向、つまりプラスであればドル高要因、マイナスであればドル安要因と考えておけばいいでしょう。
フィラデルフィア連銀製造業業況指数をFXに活かす方法とは?
実践的には、NY連銀製造業指数と同じく、この数値自体でマーケットの方向性が決まるということはほとんどありません。
そもそもISM製造業景況指数ですら、ほとんどの場合はノイズのような動きになりますので、そのコンセンサスを形づくっていくフィラデルフィア連銀製造業業況指数に過度なトレードチャンスを期待すべきではありません。
基本的にはインラインなら無視してあげて、おかしな数値が出た時は、ISMを占っていくものとして取り扱っていけばよいでしょう。
実際に指標ベットで使うのであれば、次回お話しする予定のISM製造業景況指数ですので、こちらに対してベットする時の材料として、記憶はしておく、というような使い方で良いと思います。
では、次回は実際の指標ベットに関わるISM製造業景況指数について、お話ししていきます。
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