長期金利を決定するのは中央銀行ではなく、その国の国債を買ってくれる投資家たちや、外貨準備金の一部として購入してくれる他の国の中央銀行です。つまり、長期金利というのは、それぞれの国債の人気投票のようなものであることを、先月のコラムでご説明しました。
![欧州ファンダメンタルズ入門|第15回 長期金利について[松崎美子]](https://fx-koryaku.com/wp-content/uploads/2021/02/matsuzaki-202012-1-320x180.jpg)
それでは、中央銀行でさえコントロールできない長期金利を、どのように為替に生かせば良いのか考えてみましょう。
数年にわたりFX取引をしている読者の皆さんであれば、「米長期金利が上昇したので、ドルが強くなった」とか、「ドル円は米国の長期金利と共に上昇した」などという話を耳にしたことがあるでしょう。確かに、ドル円という通貨ペアは米国の金利動向の影響を非常に受けやすく、「ドル円と米長期金利は相関関係にある」といわれています。
通貨と長期金利差の相関/逆相関関係
実際の関係を調べる前に、相関/逆相関とはどういうことを指すのか、それについて説明します。ここでは、二つの通貨ペアそれぞれの長期金利差と通貨の関係に注目します。
相関関係
ドル円を例に説明しますが、ドルの長期金利上昇幅/下落幅が円よりも大きくなり、二つの金利差が拡大します。そして、それと歩調を合わせドル円もドル高/ドル安に向かうのが相関関係です。
逆相関関係
長期金利差と通貨の関係は、常に100%相関関係というわけではありません。もし、100%相関関係であれば、ドル円を取引するときには長期金利差だけを見れば、誰でも利益が得られることになってしまいます。
逆相関になるときは、どんなときなのでしょうか? 例を挙げますと、米国の長期金利が上がっていて、ドルが上昇しやすい地合いにあるときに思いがけない要人発言が出たり、予想以上に悪い経済指標が発表された場合には、金利を無視してドル安に動くことがあります。
ドル円と長期金利差
それでは、ドル円と長期金利差の関係を見てみましょう。ここでは、2015年から現在までの米国と日本、それぞれの10年物国債利回り差を使用しています(チャート①)。黄色い丸をつけた箇所以外は、ほぼきれいな相関関係となっているのが分かります。

出典:日本と米国それぞれの財務省
ユーロ円と長期金利差
次にユーロ円と長期金利差についてチェックしてみました。ユーロですので、ドイツと日本それぞれの10年物国債利回り差を使用しています(チャート②)。ドル円のチャートよりも、一層強い相関性を感じましたが、皆さんはいかがでしょうか? 黄色い丸の部分だけは逆相関のようですが、それ以外の部分はかなり相関性が強く見えます。

出典:日本財務省、ドイツ連銀
ポンド円と長期金利差
最後は、ポンド円です。英国と日本それぞれの10年物国債利回り差を使ってチャートを作成してみました(チャート③)。ユーロ円同様、こちらも相関性がかなり高いチャートとなっています。黄色い丸の部分以外、ほぼきれいな相関関係に見えます。

出典:日本財務省、英国中央銀行
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ドル円/クロス円と長期金利差との関係
ドル円、ユーロ円、ポンド円それぞれの通貨ペアと長期金利差をチャートにまとめたところ、ドル円以上にユーロ円やポンド円の相関性が高いことが分かりました。
皆さんもご存じのように、日銀が導入したイールドカーブコントロールにより、日本の長期金利は誘導目標が0%程度で、ほぼ固定化しています。なので、ドル円の長期金利差に変動が生じるのは、米国の長期金利の動きが出たときです。そのため、ドル円やクロス円の長期金利差は、円以外の通貨の長期金利動向を追えば、ある程度の方向性はつかめることになります。
通貨と金利の関係に100%はあり得ません。しかし、日常的に主要国の長期金利をチェックし、通貨動向の先読みを練習することは良い習慣だと思います。ぜひ皆さんのルーティンに加えてみてください。
※この記事は、FX攻略.com2021年1月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
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