FXではトレンドを的確に見極め、その流れに乗っていく、いわゆるトレンドフォローが基本戦術となりますが、うまくトレンドに乗るのはそう簡単なことではありません。ここでは不動修太郎さんに、トレンドを看破するためのテクニックを教えてもらいます。
※この記事は、FX攻略.com2017年10月号の記事を転載・再編集したものです
FXのトレンドとは?
FXのトレンドとは、為替相場の値動きの傾向です。投資で効率良く利益を上げるには相場のトレンドを見抜き、そのトレンドにうまく乗ることが大切です。チャートで目立つのは、レートが上がる上昇トレンド、その逆の下降トレンドですが、トレンドが出ていない時期はもち合い、ボックス相場と呼ばれます。為替相場では、長い目で見るとハッキリしたトレンドが出ている期間よりも、もち合いの期間の方が長いです。
上昇・下降だけでなく三角もち合いにも注目
ここで図①をご覧ください。ローソク足など為替レートを模式的に描いたのが赤い曲線で、その値動きの底を結んだオレンジ色の直線を単にトレンド・ライン、あるいは下側トレンド・ラインと呼びます。また高値(天井)を結んだ紫の直線もトレンド・ラインまたは上側トレンド・ラインと呼びます。
直線の引き方は簡単ですが、常にそれらの直線を意識しないと相場のトレンドに乗れないので、FXで安定した利益を上げるのは難しいです。FXで勝ち続けている人、相場経験が長いベテラン投資家は、チャートを見ながら、頭の中で何本かのトレンド・ラインを引き、相場のトレンドが続いているか、終わったのかを意識しています。
図①の左側、「1、上昇トレンド」では上下のトレンド・ラインが双方とも右肩上がりです。赤い値動きがオレンジ色の下側トレンド・ラインを下回った所に黒い丸印を付けましたが、そこでそれまでの上昇トレンドが終わったと判断します。また図①中央の「2、下降トレンド」は、上下のトレンド・ラインが右肩下がりですね。
もう一つ意識すべきトレンドとして図①の右側、値動きがだんだん小さくなり、ほとんど動きがなくなるパターンがあります。これを「三角もち合い」と呼びますが、相場での買いと売りがちょうど釣り合って、上にも下にも動かなくなった状態です。それは綱引きで両チームの綱を引っ張る力が全く同じで動かない状況と似ています。ですから、一見すると動きがない退屈な相場に見えますが、三角もち合いの直後に売買のバランスが崩れ、相場は急に上がるか下がることが多いです。
私はFX初心者だったころに、この三角もち合いの相場で大きなポジションを持ち、その直後に相場が思わぬ方向に動き、大きな損につながってしまったことがありました。相場のトレンドが三角もち合いになったら、取引を控えるか、売買ポジションをそれまでよりも小さくしましょう。
トレンドの見抜き方
次に最近のドル円チャート①を見てください。このチャートの範囲では、Aが底(ドル安円高)であり、Bからトレンド・ラインが右肩上がりですので、相場はハッキリした上昇トレンド(ドル高円安)です。しかし、Cでレートが下側トレンド・ライン(オレンジ色の直線)を下に大きく割り込んでいますね。AからB周辺でドル円の買いポジションを持ったのであれば、Cで相場の上昇トレンドが終わったと見て利益確定のためにここで一度ポジションを手放しましょう。
C以降は逆に相場が下落、つまり円高に動いており方向感がないので、相場の方向性を見守ります。その後にチャート上のDから相場は再び上昇トレンドを描いたので、Dで再び買いポジションを持ち、サポート・ラインを割り込むEでポジションを手放し、利益確定します。
相場の流れに合わせて売買を繰り返そう!
さて、もう一度、チャート①を見てください。このチャートを見て相場を振り返ると平均的にドルの大きな上昇トレンドが続き、円安に動いていました。ですから、後からこのチャートを見るとAでドルを買い、そのポジションをずっと持ち続けてEで利益確定すれば良かったように思えますが、将来の相場はもちろん上がるか下がるか分かりません。しかも急激な上昇相場の期間でも、投資家の利益確定の売りによる巻き戻し、あるいは事件をきっかけとして何度か下げることもあります。
相場のトレンドを意識していないと、E以降の青い矢印を描いた所のドルの急落でもドル買いのポジションを持ち続けてしまい、損をする恐れがあります。ですからローソク足がトレンド・ラインを越えたら、それまでの相場の流れが変わったものと考えましょう。
前項に書いたように、相場のトレンドが変わったらその流れに応じて素早く損切り、あるいは利益確定をすることが大切です。このようにトレンドに合わせて細かく売買を繰り返し、着実に利益を積み上げるのがFXで勝つコツです。
※この記事は、FX攻略.com2017年10月号の記事を転載・再編集したものです
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