※この記事は、FX攻略.com2021年4月号(2021年2月20日発売)の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
「経済の回復」1年目にあたる2021年に誕生した米新大統領の政策には、世界が注目しています。バイデン氏が率いる民主党が米大統領職に続いて米議会の上下両院も制する、いわゆる「トリプルブルー」になりました。バイデン景気がいつまで続くのか、またはバイデンショックはいつ起きるのかが焦点になります。
「大投資政策」と「大増税政策」
バイデン大統領は大きな政府のもと、「大投資政策」と「大増税政策」を掲げています。足元では、大投資政策の方に注目が集まっています。大投資政策は、大型の景気刺激策です。1月14日には、コロナ危機対応の追加経済対策を発表しています。これにより、家計への追加給付金や失業保険の拡充を柱に、総額1.9兆ドル(約200兆円)の財政出動を米議会に促しています。来月には第2弾の経済回復プランが公表される見通しであり、同プランにはインフラや気候変動対策など一段と長期的な開発目標向けの資金が含まれる予定です。これは経済には、プラスの材料です。
ブレーキになる「大増税政策」
一方の大増税政策では、法人税の引き上げやキャピタルゲイン課税、GAFAなどのハイテク企業への圧力、などが挙げられています。また、炭素税という大型の新税導入などの環境名目の巨額の税負担増加は米国経済に致命的な打撃を与える可能性が高いです。ただし、現状は大型財政出動の「良い側面」だけが注目されていますが、その「良いとこ取り」の時期はそんなに長くないでしょう。新政権のハネムーン期間である4月末ごろまでだと考えています。
膨張するFRBのバランスシート
リーマンショックの失敗の経験から、金融政策によって、なんとしても経済を支えるといった政府と米連邦準備制度理事会(FRB)の強い意志を感じます。FRBの政策協調の側面では、少なくとも2023年までゼロ金利を継続するという政策は、株式市場・経済にとって好材料です。
ただし、FRBのバランスシートはコロナ禍で大きく拡大し、リーマンショックのころの約7.4倍にまで拡大しています。ここまで膨張したバランスシートをいかに正常化に戻すかも、バイデン政権下の中で議論しなければなりません。出口戦略・テーパリングの手法と、タイミングを見誤れば、経済に大きな混乱を招きますので、マーケットとの対話を重視しながら慎重に進めてほしいです。
バイデン新政権の「対中政策」
バイデン米大統領が現段階で指名している閣僚を見る限りでは、中道的な政権運営を志向しているように見えますが、富裕層増税や規制強化を求める左派の圧力をはねのけられるかは極めて疑問です。
そして、最も注目なのが中国との関係です。米国の対中政策がどう変化するのかについては、バイデン政権の外交政策を担う国務長官に、アントニー・ブリンケン氏が起用されることが重要になります。オバマ政権時の国務副長官だった同氏は、中国と北朝鮮に対し厳しい姿勢を持つことで知られています。国際協調による対中包囲網形成を目指すブリンケン氏の起用は、対中圧力を強化したいバイデン氏の考えが込められているとみていいでしょう。
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日本への影響
米国の環太平洋経済連携協定(TPP)復帰が期待されているように、バイデン氏は諸外国と連携していくスタンスだと予想されます。日本としてはインド太平洋の安全保障をどうするのか、といった大きな枠組みでの議論を行い、その中で「自由で開かれたインド太平洋」の実現へ協力を深めることや、気候変動問題への対応、「ポストコロナ」のルールづくりでも緊密に連携していくことが求められます。
バイデン氏は「分断ではなく、融和を目指す大統領になれるか」
資本主義国・自主主義国の象徴である米国がコロナ対策でうまく立ちまわることができずに、感染者数を拡大させてしまいました。また、Back Lives Matter運動などの社会の分断・心の分断が叫ばれています。世界的な「分断」となった2020年ですが、2021年は「国際協調」「融和」がキーワードになります。新大統領、バイデン氏は「分断ではなく、融和を実現できる大統領」になれるのでしょうか。大きな期待が寄せられます。
- バイデン政権の政策は経済のアクセル、ブレーキ両方になり得る
- 「良いとこ取り」の時期は新政権のハネムーン期間である4月末ごろまで
- 日本は「自由で開かれたインド太平洋」の実現へ協力を深めるなど密に連携
※この記事は、FX攻略.com2021年4月号(2021年2月20日発売)の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
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