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フォーメーション分析を理解する その1|トライアングルフォーメーション(三角保ち合い)とは[マックス岩本]

初歩的な分析手法であるトレンドラインを理解したところで、次に学んでもらいたいのがチャートのパターン(形)から売買のタイミングを読み取るフォーメーション分析です。そんなフォーメーション分析の基礎から実践的な活用法までを、今号から数回にわたりマックス岩本さんにレクチャーしてもらいます。

※この記事は、FX攻略.com2017年5月号の記事を転載・再編集したものです

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市場参加者の心理が読み取れるチャートパターン

前号まで3回にわたりトレンドライン分析を取り上げてきましたが、今号からはフォーメーション分析を取り上げ、基礎から応用、実践的な活用方法を解説していきたいと思います。

では初めに、フォーメーション分析と聞いてどんなチャートパターンをイメージしますでしょうか。三角保ち合いや三尊天井、ダブルトップ(ボトム)はあまりにも有名ですが、それ以外にもペナント、ウェッジ、ソーサー、スパイクなど、その種類は多岐にわたります(図1参照)。

私もトレードを始めた当初は、これらチャートパターンに魅了され、過去のチャートから各パターンを見つけてはその優位性に感銘を受けたのを覚えています。しかし、今なお多くのトレーダーを魅了してやまないフォーメーション分析ですが、ただ単に一面的に覚えてしまうのは危険です。

なぜなら、これらチャートパターンはそれぞれ発生頻度が異なるだけでなく、「どこで確認されたのか」や、「どの程度の時間経過を伴ったのか」によってもその意味合いは異なり、後の売買判断も大きく異なってくるからです。

そのため、フォーメーション分析も他の分析手法と同様に、一つ一つのパターンの意味を理解することはもちろん、そこから市場参加者の心理を読み解くことが大切です。

三角形に注目!

今回は、数あるフォーメーション分析の中でも、発生頻度の高いトライアングルフォーメーション(三角保ち合い)について説明します。トラアングルフォーメーションとは、投資家の多くが売りなのか買いなのかを決めかねている保ち合い局面において現れるチャートパターンのことを指します。

具体的には、価格が一定の値幅でとどまっている保ち合い局面において、高値同士を結んだトレンドラインと、安値同士を結んだトレンドラインの差が徐々に狭まり、この両トレンドラインの延長線が一点に収束して、三角形の形を作るのが大きな特徴です。

そして、この保ち合い局面における三角形の形状は、市場参加者の心理状態によって微妙に形が異なります。今回は、その中でも重要度の高い3種類のパターンを取り上げたいと思います(図2参照)。

まず、上値が一定で下値が徐々に切り上がるものがアセンディングトライアングル(上昇三角形型)。これは、上値は一定の水準を保ちながらも安値が切り上がる、つまり、買い勢力の高まりを示している強気型と認識されます。したがって、後に上方ブレイクが期待されるパターンです。

その反対に、下値が一定で上値が切り下がるものがディセンディングトライアングル(下降三角形型)。こちらは、売り勢力の高まりを示唆していることから、弱気型と認識されます。

そして最後に、上値が切り下がり、下値が切り上がるものをシンメトリカルトライアングル(対称三角形型)と呼びます。他の2種類と比べるとよく分かる通り、より売りと買いが拮抗状態にあることを示します。

これらを使用した売買のタイミングとして、三つに共通していえることは、どちらかのトレンドラインを抜けたときには、その方向のトレンドが形成されるということです。どれも、形成された三角形の中で価格が推移している間はトレンドがないということの表れなので、その最中ではなく、突破した方向にエントリーするのが良いでしょう。

ブレイクまでの時間が読める

トライアングルフォーメーションで分析することのメリットとしては、2本のラインが引けたときは必ず交点が存在するので、ブレイクするまでにかかる時間がある程度想定できることです。必ずしも交点でブレイクするわけではありませんが、交点が目前に迫っているタイミングがあれば、ここぞとばかりにエントリーしたいものです。

さて、実際に直近でトライアングルが確認できたのが、図3のシンメトリカルトライアングルが形成された事例になります。

エントリーは下落トレンドラインを突き抜けてきたポイントになりますが、ここで覚えておきたいのがタイミングです。実体ベースで上抜けたもののすぐに戻ってしまい、結果としてダマシになることがありますので、ここはやはり終値ベースでの上抜けを確認した後、そしてさらに確実性を求める方であれば2本目が抜けるのを待っても遅くはありません。

このトライアングルは、保ち合った時間と同等の長さで発散する特性があるので、確実性を重視するなら待つことも必要です。

また、今回は15分足を採用しているため、継続時間は半日程度ということになりますが、これが日足などの長いスパンを対象としている場合は、ある程度長くトレンドが続くことが予想されます。そのことから、取引対象とする時間足だけではなく、異なる時間軸を視野に入れた上での戦略も成り立つといえるでしょう。

それでは、次回は今回紹介しきれなかった、別のパターンについて解説したいと思います。

※この記事は、FX攻略.com2017年5月号の記事を転載・再編集したものです

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