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Q16. 金や原油など商品市場はFXと関係性あるの?
A. 関連性がないように思われる商品市場ですが、実はFXと深いつながりがあります。FXの先を読み取るヒントを商品市場から探してみましょう。
金相場とFX
金は「有事の金」や「最終避難地」と呼ばれているように戦争や災害、世界的な不況に強く、人は万が一に備えて安全資産として金を求める傾向にあります。FXにおいての金の活用方法はさまざまありますが、私の場合「リスクの見極め」として使っています。
具体的には、金価格が上昇している局面というのは世界的不況や地政学的リスクがあり先行き不透明なときだといえます。マーケットは「リスクオフ」となり円などの安全通貨が買われていきます。一方、金価格が下落している局面というのは世界的に好景気で投資家がどんどん投資しているときだと考えることができます。マーケットは「リスクオン」となり安全通貨である円が売られていきます。
このように金価格を見ることで、世界的なリスク許容度を確認することができるのです。日本円の安全通貨としての役割はまだまだ健在ですから、リスク許容度の変化から円の動きを推測することができます。また、金価格は、一度動き出すと長いトレンドを形成することが多いため、今世界的なリスクマネーがどこに向かっているか判断するのに最適といえるのではないでしょうか。
金(XAUUSD)とドル円の月足チャート 出所:TradingViewによるXAUUSDチャート
https://fx-koryaku.com/traderssec/service-main-13
原油相場とFX
原油相場とFXについて、通貨別に基本的な関係性を見ていきましょう。まず、米ドルですが、原油を含むほぼ全ての商品市場は基軸通貨である米ドルで決済されますので逆相関の関係が成り立ちます。この逆相関でいえば「原油が売られる(買われる)ということは、米ドルが買われる(売られる)」ということになります。もちろんこの逆相関関係が常に当てはまるわけでもありませんが、商品相場のセオリーとして把握しておいてください。
また、円の場合ですが、原油をほぼ生産していない日本では、原油安はコスト減となり経済にとっては大きなプラスになります。日本は経済効果から「株価上昇→リスクオン→円安」と連想することができます。
最後にカナダやオーストラリアなどに代表される資源国の通貨ですが、カナダの場合は石油の生産量が多く輸出収支に直結するため、シンプルに原油価格に連動していきます。オーストラリアも原油の生産量こそ多くありませんが、原油輸出国ではありますので両資源国とも「原油安≒資源国通貨安」と考えることができるのです。
しかし、ここで説明をした基本的な考え方は、原油価格の値動きが比較的安定しているときに限るということを覚えておいてください。近年の原油相場を見ると、急激な値動きから参加者がパニックに陥りリスクオフとなるケースが多くなったように思うからです。
例えば2015年から始まった原油安は、中国経済停滞やシェール革命で原油安が進んだ結果、産油国の経済が悪化していきました。どの国も「売れるだけ売りたい!」という状況が発生してOPECで原油産出量の抑制ができなかったため、歴史的な安値となる26ドルまで下落したのです。
この値動きでドル円は初動こそ上昇(円安)する場面がありましたが、暴落が起こるたびにリスクオフとなり、結果としては円買いが進みました。したがって原油価格の変動が安定しているときは、株価の反応を見ながら先を予測しやすい材料といえますが、急激な価格変動はリスクオフ→円高の傾向が強いとイメージしておくのが良いでしょう。
WTI原油とドル円の月足チャート 出所:TradingViewによるWTIチャート
※この記事は、FX攻略.com2018年3月号の記事を転載・再編集したものです
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第2回:プロトレーダーの取引環境を知りたい!/スマホだけでも勝てますか?
第3回:コツコツドカンの克服方法を教えて!/相場を一瞬で大きく動かすのは誰?
第4回:FXでお勧めの情報源は?/アノマリーをどう思いますか?
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