FX力を鍛える有名人コラム

ボリンジャーファイブとリバースエントリーを駆使した、勝つための損切り[水上紀行]

安定した利益を上げるために欠かすことのできない損切り。FX攻略.comの読者の皆さんなら、その必要性や重要性を嫌というほど分かっているはずです。通常、損失を限定するために用いる損切りですが、そこから利益を生み出す方法があると水上紀行さんは言います。知っているようで知らなかった、勝つための損切りについてまとめてもらいます。

損切りの適正値幅

ニューヨークにいたころに上司から、あるファンドがトレーダーたちにやらせている“自分の損切りの適正な値幅を知る方法”を、お前もやってみろと言われて、試してみたことがありました。

算出方法はいたって簡単で、勝った取引のポジションを持ってから手仕舞うまでのアゲインスト幅(不利になった最大幅)を記憶ベースで良いので大まかに抽出し、その合計を勝った取引の件数で割り、平均値を出すというものでした。

半年分ぐらいを抽出して、勝った取引の件数で割ってみたところ、私の場合35ポイントと、それほどアゲインスト(不利)にはならないことが分かりました。

それに10ポイントの遊びを作って、45ポイントを損切り点として、20年近くやってきましたが、最近は少しやり方を変えました。その理由は、45ポイントにロスカットを置くと、どうも落ち着かないからです。言い換えれば、もう少しゆっくりと相場の動きを見たいということでした。

それにもういい大人ですから、損切りをわざわざ入れなくても、これはダメだと分かったら損切りするルールは守れると考えたからです。

ですから、現状は基本的には90ポイント(後述のリバースエントリーではもっと広く)にロスカットを置きます。ただし45ポイントアゲインストになったら自分でどうするのか、ロスカットには頼らず自分自身で決めて、実行しようということにしました。

相場を展望して、やはり切るべきだと思えば、切れば良い。ただし、世の中何が起きるか分からないので、とりあえずの安全弁として、持ち値からのアゲインスト幅が90ポイントのところにロスカットを入れておくことにしました。この方法にして、気分的に非常に楽になりました。

ただし、私にはもう一つの自己ルールがありまして、次回のトレードができるだけの余力は必ず持とうと決めています。今まで追いつめられることはありませんでしたが、ただし目先のトレードに固執しなくなりました。

つまり、目先のトレードに勝つことも大事ですが、その後のことも考えれば、この辺りで利食っておこう、あるいは損切り点までにはまだ距離はあるけれど、この辺でとりあえず手仕舞っておこうという割り切りができるようになったのです。

勝つための損切り

トレーディングは、三つの動作からできています。それは、買う、売る、休むです。買ったり、売ったりは、結構行っていらっしゃることと思いますが、休むが実はなかなかできません。ロスカットがついて初めて休むということはあっても、なかなか自主的に休むということはできません。

しかし、休むことは大事です。特にやられてしまったときは、まずトレードから離れて、頭を冷やすという意味で休むことが大事です。休んでも、気持ちの中に悔しさや焦りを依然感じるようであれば、まだ休む必要があります。そうした邪念が消えた頃合いが、マーケットに戻るときです。

実はそれが、勝つための損切りです。つまり、自分の心にある邪念を取り除くことが、損切りだということです。だから、邪念を損切りできないままにマーケットに戻っていくことは、またしても同じ過ちをすることになります。

休んでいる間は頭をからっぽにし、運動して汗を流すことが一番だと個人的には思っています。とはいえ、頭を空っぽにできるのであれば、運動に限らず何でも良いと思います。

さて、ここまではあくまでも一般にいわれる損切りについてお話ししてきましたが、ここからは損切りという行為によって利益を出す方法についてお話しします。

ボリンジャーファイブ

損切りによって利益を出す方法をお話しするにあたって、まずご説明しなければならないのが、ボリンジャーファイブです。通常、ボリンジャーバンドは、期間を20あるいは21日にして、レンジの上限下限を見るものです。この期間を5にしたもの(偏差は2)が、ボリンジャーファイブです。このボリンジャーファイブは、相場が動き出すタイミングを知らせるもので、結構な確率で当たります。

実際、どうなると相場が動き出すことを示唆するかといえば、ボリンジャーバンドの上下のバンドが収束し平行になったときです。動き出す直前のローソク足が、寄り付きと引け値が極めて接近している寄せ線(よせせん)となるとさらにその確率は高くなります。チャート①の例では下げています。

ボリンジャーファイブ

ただし、ボリンジャーファイブには致命的な欠点がありました。それは、動くタイミングが分かっても、どちらにレンジブレイクするかは分からないということでした。

そこで、これを補って、方向は事前には分からなくても、動き出した方向についていける方法を考え、それをリバースエントリーと名付けました。

リバースエントリー

仕組みはどういうことかと言いますと、ボリンジャーファイブで動き出すタイミングがきたと示唆された通貨ペアに対して、上下それぞれのやや外側に遊びを作りストップエントリー(逆指値でエントリー)をセットします。なお、遊びを作ったのは、できるだけダマシに遭わないようにするためです。

リバースエントリー

そして、実際にレンジブレイクしてきたら、ストップエントリーが実行され、上ならロングポジション、下ならショートポジションを持ちます。チャート②では、薄いですが点線が上下にご覧いただけると思います。これが、ストップエントリーのポイントになり、計算式にすると以下のようになります。

「上なら、上のバンド+遊び=買いのストップエントリーのポイント」

「下なら、下のバンドー遊び=売りのストップエントリーのポイント」

どちらかの注文がつけば、もう一つの注文はロスカットに使えます。もし、あまりにも持ち値と離れすぎていたら、調整すれば良いわけです。

現在、ボリンジャーファイブで毎朝25の通貨ペアの二つの期間、つまり50種類の組み合わせをチェックし、該当通貨ペアを見つけ、上記計算式に基づいて注文しています。全くない日もありますが、平均的には1〜2件、多い日は5件ぐらいの通貨ペアが動き出そうとしています。

これは、あくまでもエントリーの手法であり、手仕舞いは自分でしなければなりませんので、誰もが同じ結果になるというものではありません。

既に申し上げましたように、ダマシはありますので、必ずうまくいくという保証はありません。

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レンジ相場にも強いリバースエントリー

現在、結構きついレンジ相場になっています。リバースエントリーは、ストップエントリーという一見トレンド相場に向いているような手法ですが、レンジ相場でも効果を発揮します。

既に申し上げましたように、ボリンジャーファイブが収束すると相場が動き出すことを示します。ということは、レンジ相場のようなタイトなマーケットであれば、頻繁にボリンジャーファイブが収束します。ということは、一時的にせよそれだけ頻繁に小規模のレンジブレイクを繰り返しているということです。

ですので、レンジブレイクしそうな通貨ペアをボリンジャーファイブで探し、リバースエントリーをセットすれば、結構無視できない収益が蓄積できるということです。ですから、無理をする必要はありません。どんどん利食っていくことが大事です。

ボリンジャーファイブとの出会い

ボリンジャーファイブを知って、25年ぐらいになりますが、その出会いについて、最後にお話ししましょう。ニューヨークに駐在していたある日、ある邦銀の日ごろから探究心の強いK君から、「水上さん、おもしろいチャートがありますよ」と電話があり紹介されたのが、このボリンジャーファイブでした。 

方向は合っているのに、タイミングが合わず、方向性が出る前に、あえなく討ち死にを繰り返していた私は、わらにもすがる思いで、このチャートの反応を試してみました。 そうしましたら、かなりの確率でタイミングを当てていることが分かり、それ以来今日に至るまで愛用しています。 

本来、ボリンジャーバンドは、期間20あるいは21を使い、相場の上限・下限を示すものですので、このファイブはある種邪道ともいえるかもしれません。また、ボリンジャーバンドの期間5が、なぜ相場の将来を予知できるのか、正直なところ私には分かりません。

しかし、儲けることが仕事のディーラーですから、中国の最高指導者であった故トウ小平氏の至言「ねずみを捕る猫なら、黒でも白でも良い」ではありませんが、要は当たる確率が高ければ、それが本来の活用法と違っていても構わないと思っています。 

最後に、このボリンジャーファイブを紹介してくれたK君は、残念ながら数年前に急逝しました。非常に残念でなりません。K君に、心から哀悼の気持ちを捧げたいと思います。ありがとう。安らかに眠ってください。

※この記事は、FX攻略.com2017年6月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。

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