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個人投資家がFXで負けている本当の理由〜為替相場の世界で生き残るために〜[為替鬼]

なぜ、個人投資家のほとんどがFXで負けているのか、あなたはその理由を真剣に考えたことがありますか。FXはゼロサム・ゲーム(勝者の利益と敗者の損失の総和がゼロ)だからでしょうか、それとも有効なトレード手法を知らないからでしょうか。

FXファンドのトレーダーや証券会社の為替ディーラーとして、長年この世界に関わってきた私がたどり着いた結論は、為替投資とは科学と職人芸の融合した領域だということです。勝ち続けるためには、相場の行く末を科学的に分析するだけではダメで、自らの欲望と恐怖をコントロールしながら、値動きのクセを見抜く職人的センスが必要だと実感しています。今回の記事では、激動の為替相場の世界で生き残るために、投資家が負けている本当の理由について考えていきます。

※この記事は、FX攻略.com2013年3月号の記事を転載・再編集したものです

FXで勝てないのは時代が悪いから?

私は仕事柄、たくさんの個人投資家からさまざまなご質問を受けます。よく聞かれるのが、「最近の相場は読みにくい状況が続いているが、こんなときはどうトレードすれば良いか」というものです。確かにここ数年の状況を見ると、為替相場は激動の時代といっても過言ではありません。2005年頃から空前のFX投資ブームが起こり、それまで投資とは無縁だったサラリーマンやOL、そして、主婦までが、スワップ金利を狙ったトレード手法で、利益を上げることができました。

ところが、2007年のサブプライムショック、2008年のリーマンショック、そして、近年のギリシャショックと、立て続けに経済危機が発生するようになり、相場環境は一気に暗黒時代に突入しました。その結果、FXブームの時代は瞬く間に終焉し、金融庁によるレバレッジ規制も追い打ちをかけたかたちで、証券会社やFX業者の淘汰と統合が加速しました。こういう厳しい時代が到来したことで、FX投資で儲けることは不可能になったのでしょうか。もちろん、そんなことはありません。相場環境が厳しくなればなるほど、多くのアマチュアが相場からの退場を余儀なくされる一方で、真剣に相場と対峙している投資家は、こんな時代でも稼ぎ続けているのです。

FXで勝てないのは予想がはずれるから?

投資経験が少ない方は、トレードとは値動きの上げ下げを予想することに他ならないと考えている印象があります。たしかに、相場の値動きには上昇と下降の2つしかありませんから、どちらに進むかさえ正確に読めれば、勝つことができるのは事実です。そこで、個人投資家はトレードの勝率を少しでも上げようと、いろいろな試行錯誤を繰り返していますが、未来の相場が予想できるとする根拠はあるのでしょうか。

金融や経済の世界には、学者をはじめとして、アナリスト、エコノミストなど、数多くの専門家が存在します。彼らの経済分析や相場の見通しは、投資家に売買のヒントを与えてくれますが、その予想の精度は満足できるものとは、とうていいえません。頭脳明晰で学歴も職歴も超一流の彼らが、一日中市場分析に没頭しているにもかかわらず、彼ら自身が相場で大儲けしたとい話は聞いたことがないのは不思議です。それを考えると、個人投資家が入手できる情報や、利用できるチャートツール類で、専門家を凌駕する精度での相場予想は可能なのでしょうか。

結論として、相場の行く末を予想することで儲け続けることは不可能であり、トレードで利益を上げるということと、相場の未来を予想することはまったく別のことだと、まず、最初に認識する必要があると思います。

FXで勝てないのは相場が難しいから?

投資関連の書籍、雑誌記事やブログなどで、「わからない相場ではやるな」というアドバイスが書かれていることがあります。私がそれらを目にしていつも感じるのは、そもそも「(行く末が)わかる相場」など、存在するのかということです。わかりやすい相場かどうかは、あくまでも事後的に判断できるのであって、リアルタイムで、この瞬間の相場が難しいかどうかがわかるはずがありません。

したがって、個人投資家がとるべき戦略は、今の相場が難しいからトレードしないとか、簡単そうな相場だからトレードするのではなく、自分で検証した優位性のある売買ルール以外では、決してトレードしないということです。もしも、今の状況が売買ルールに合致するとの確信がもてなかったら、相場を張らないことがベストの選択です。以前の記事でも書きましたが、個人投資家がプロに対してもっているエッジ(優位性)は、トレードしなくてもよいということを思い出して下さい。プロの場合には、毎月、利益を求められるため、数カ月間利益が出なければ、契約を解除されますが、個人投資家は、仮に数カ月間、トレードで利益が出なくても、生活に困ることはないはずです。

FXで勝てないのは相場が難しいとか、相場の行く末が見通せないのではなく、 期待値プラスの売買ルールをもたないで、勘に頼ったトレードを繰り返しているからではないでしょうか。自分が勝てない原因を相場の状況に求めているうちは、いつまでたっても勝ち組に仲間入りするのは、難しいのではないかと思います。

FXで勝てないのはトレード手法を知らないから?

トレードで勝てていない投資家の多くは、その原因が勝てるトレード手法を知らないからだと考えがちです。しかし、トレーダー教育に長年取り組んできた経験から確信していることですが、たとえ、期待値プラスのトレード手法を教えても、それだけで勝ち続けることは不可能だと断言できます。

ある意味では、トレードはスポーツや芸術の世界と似ていると思います。一生懸命に努力を継続すれば、ほとんどの人がある程度のレベルまではいけますが、プロとして成功するレベルに到達するには、生来的にもっている素質のうえに、誰よりも努力を重ねる必要があるのです。

トレード手法の教育については、こんな有名な逸話があります。かつて伝説の投資家リチャード・デニスが、後にタートルズとして注目を浴びることになるトレイダ―集団に、トレード手法を伝授して大成功を収めたことは、読者の皆さんもご存じかもしれません。出版されているタートルズ関連の書籍を読むと、同じトレード手法を伝授されたはずのタートルズたちのなかに、勝つことができずに、途中でリタイアするものがいたことがわかります。また、すべてのトレーダーが同じように勝てるわけではなく、運用パフォーマンスは人により大きく異なる旨が書かれています。

つまり、トレードで継続的に良い結果をもたらすためには、エッジのあるトレード手法を知っているだけでは不十分だということです。トレード手法を超えたトレーダーとしての資質をどれだけ身につけているのか、それが成功のカギということではないでしょうか。

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FXで勝てない最大の要因は何か?

人間は直感や感情で判断したり、行動する傾向が強い生きものです。程度の差こそあれ、どんな人間でも直感で判断したり、感情に流されて、実生活で思わぬ失敗をした経験があるはずです。もちろん、喜怒哀楽などさまざまな感情があるからこそ、人生は多面的で、豊かなものになりうるのも事実です。

しかしながら、トレードで感情的になって自制心を失うと、お金が絡んでいるだけに、悲劇的な結果が待っています。為替取引をするときに肝に銘ずるべきもっとも重要な心構えのひとつは、感情に支配されない、言い換えれば、欲望や恐怖に支配されないことです。人間が不確実な条件のもとで、非合理で感情的な決定を下すという点については、ノーベル経済学賞を受賞したプロスペクト理論でも実証されています。


出典:山崎元 ホンネの投資教育「第8回 投資家のための“行動ファイナンス”基礎理論」より引用

為替相場は、まさに不確実なものの典型です。

もっと儲けたいという欲望に負けて、売買ルールを無視したり、負けが込んで取り返そうとして、売買ロットを大きくすると、ほとんどの場合、キズを深める結果につながります。

また、含み損が自分の許容損失額を超えると、見なかったことにして放置し、元に戻るのを祈るだけの思考停止の状態に陥ったりします。このように、トレードにおいて平常心を失って、直感や感情に支配されると、冷静で合理的な対処はできなくなり、最終的には、再起不能な状況までいってしまいます。

投資は科学とアートの融合

かつて、白川日銀総裁は、「経済を管理することは、人間とその感情を巻き込んだ複雑なシステムである以上、おそらく、科学ではなくアートであり続けるだろう」と述べました。

この発言には、自分の皮膚感覚として、強い共感を覚えます。自分のトレード経験から感じるのは、為替取引の秘訣は、自然科学のように公式化できるものではなく、科学的アプローチだけでは勝てないが、だからといって、職人芸に代表されるような、アート的アプローチだけでも勝てないということです。為替相場とは、その双方のアプローチを臨機応変に駆使できる能力や資質を、兼ね備えた者のみが生き残れる世界ではないでしょうか。

皆さんがFXで勝てなかった本当の理由が、何だったでしょうか。恐らく人生の数だけ、勝てない理由が存在するはずです。それに気がつき、対処することこそ、勝てる自分に進化するための第一歩ではないでしょうか。

※この記事は、FX攻略.com2013年3月号の記事を転載・再編集したものです

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