利益が大きく取れるトレンド相場への関心が高い人は多いですが、トレンドのない場面には興味を示さない人もいるのではないでしょうか? トレンドで利益を丸ごと取るためには、トレンドが発生していない中間波動といわれる局面を制する必要があります。ここでは、そんな中間波動の攻略方法を神藤将男さんに教えていただきます。
水平線の理解を深める
皆さん、こんにちは。前回は大局の動きが中間波動になっているかどうかを、わずか2本の水平線を引くことで確認することができました。上昇トレンドの相場であれば、そのトレンドの終わりの高値とその後につけた一番の安値に水平線を引きます。中間波動攻略メソッドは、このラインを引くところから始まるわけですが、この基本的な部分の理解をさらに深めることで、トレードに対する考え方が大きく変わっていきます。今回はそこの部分を深く掘り下げていきますので、しっかりと学んでいきましょう。
なぜ水平線を引くのか
まず、水平線を引くときには見た目で目立つ高値や安値に引くことが大事です。見た目で目立つところに水平線を引くことで、誰もが意識している重要な抵抗線、支持線を把握することができます。なぜなら、見た目で目立っているわけですから、多くの方が意識している価格ということになるからです。日本一高い山は誰もが答えられますが、二番目に高い山をすぐに答えられる人はほとんどいません。目立つということは、それだけ大事なことなのです。
これは、チャート分析においても同じで、どれだけ多くの投資家が意識している価格なのかが重要です。例えば、多くの投資家が移動平均線の50日線と100日線のゴールデンクロスやデッドクロスを確認して売買しているのであれば、そのクロスしたときの価格は他の期間で設定された移動平均線がクロスしたときの価格よりも重要になってきます。そういった意味では多くの投資家が意識している価格こそが大事であり、目立った高値や安値も意識されやすいのです。
水平線の考え方
次に、多くの方に意識されている価格の重要性を理解した上で、そこに引いた水平線にどのような意味があるのかを見ていきましょう。多くの投資家が意識している高値や安値ですので、それらが非常に重要な抵抗線や支持線になることは容易に想像がつきます。したがって、その価格で反転することもあるでしょう。また、その価格を突破することで相場の流れが加速することも考えられます。このときの考え方として重要なのは、その水平線で反転することや、そこを突破することでチャートがどのように変化するのかを理解することです。
前回、ドル円の月足チャートに2本の水平線を引きました。これを基に、高値と安値に引いた水平線を価格が突破した場合に相場の流れがどう変化するかを見ていきます(チャート①)。まずは、高値に引いた水平線を突破するとどうなるのかです。高値を更新することで大局の上昇トレンドが復活してトレンド継続となっていきます。上昇トレンドの基本は高値、安値が共に切り上がることです。長い中間波動を経過した上でのトレンド継続は、基本的にはそれなりのトレンドに発展する可能性が高まったことを示唆します。どの程度のトレンドになることが想定できるかは別の回でお伝えしますが、それなりの値動きになることが予測できます。
では次に、安値に引いた水平線を割ったらどうなるでしょうか。大局の上昇トレンドが終わり、中間波動に入っていたのが、今度は下降トレンドに転換したことを教えてくれます。この安値を割ることでトレンドが転換するということは、チャート上に大きな変化が発生するわけですから、非常に意味のある水平線であり重要な価格になってきます。このように水平線の突破がもたらすチャート上の変化を理解し把握しておくことで、柔軟に対応ができるようになっていくのです。
シナリオを考えて準備することの重要性
これから相場が上がるか下がるかは分かりません。その予想をしても意味がないことだと考えています。しかし、どこの水平線を突破すれば流れが加速するのか、もしくは転換するのかを知っておくことで準備ができるようになります。それは、仕掛けの準備でありロスカット設定などの準備です。
FXは、どれだけ準備ができているかによってトレードの成果が大きく変わります。「もし、この水平線を上に超えれば、ここやここまでの予測価格が想定できる。もしくは、この水平線を下に割れば、この予測価格まで想定することができるが、上に抜けたときの方が動きは大きくなりそうだ」といったように、分析し準備することができれば心に余裕が生まれてきます。この中間波動攻略メソッドをマスターすれば、このような分析ができるようになっていきますので、毎号の内容を理解しチャート上でも確認しながらチャートの本質をつかめるようになりましょう。
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まとめ
① 多くの投資家に意識されている価格に水平線を引く
② 引いた水平線は重要な支持線や抵抗線になりやすい
③ 水平線が突破された場合のシナリオを想定して準備することが重要
※当連載で使用している「中間波動」は、「一目均衡表」における中間波動とは一切関係ございません。
※この記事は、FX攻略.com2020年5月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
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