トレイダーズ証券の井口喜雄による【Dealer’sEYE】をお届けします。
先週も記述しましたが、ここにきてFOMCメンバーの発言がタカ派にシフトチェンジしています。ニューヨーク連銀ダドリー総裁は「年2回の利上げが妥当」とハト派とは思えない発言をきっかけに、昨日はアトランタ地区連銀のロックハート総裁とサンフランシスコ地区連銀のウィリアムズ総裁が「年内に2,3回の利上げが妥当」との発言をしています。
確かに直近の米経済指標は概ね堅調で6月利上げの可能性はゼロではないと思います。しかし、大統領選挙を控えているなか、年内に2,3回の利上げは現実的ではなく、実際には年1回できればいいほうだと思います。
このようなFOMCメンバーのタカ派発言によってマーケットでは徐々に米利上げが織り込まれているため、梯子を外された時のほうがインパクトは大きくなり、ダウンサイドリスクがより高まっているように思います。また、タカ派発言によって米早期利上げの思惑が高まってドルが上昇する展開でも、株価下落からリスクオフの円買いに相殺されるため、米ドル/円で見ると上昇しにくい展開でもあります。
今後の展開は? FOMC、G7に注目
さて、今後の展開ですが、下値攻めも105円を付けたことで短期的な達成感があり、IMMの投機筋ポジションも3週連続で円買いポジションが減少しているように明確な下落トレンドは終焉しています。方向感が出にくいなか、今夜27:00のFOMC議事録や、20日から開催されるG7財務相を手掛かりにといった様相です。
特にG7ではルー米財務長官が日本に対して「G7で通貨安競争の回避を再確認する」など円安誘導を牽制しているなか、追加緩和や、円売り介入に対してどこまで突っ込んでくるかが焦点となります。一方、麻生財務相も「円売り介入は用意している」と対抗姿勢を示しており両者を巡る報道には神経を使う必要がありそうです。
ただ、日本は米財務省の監視リスト入りしており、世界的な通貨安競争が問題になるなか、日本の主張はやや分が悪いと思っています。短期的に見て上昇余地は残されていると見ていますが、長期的な円高スタンスに変化はありません。ショートカバーの調整も消化されており上値はある程度限定できると思っています。
テクニカル面では昨日111.883円から105.548円の61.8%戻しとなる109.50円を上抜けており、レジスタンスはもう一段上に設定する必要があります。一目均衡表の雲下限にさしかかる110.20円レベルにストップを置き、下値は先週から続いているレンジの下限108.10円レベルと見ます。この水準を明確に突破できれば下落トレンド再開となりそうです。
<長期展望>
米ドル/円は、中国を始めとした世界的な先行きの不透明感からリスクオフ地合いが簡単に払拭されるとは考え難く、円高に振れやすい地合いが続くと見ています。また、米利上げペースの鈍化、日銀金融緩和への限界などネガティブな材料は多く、長期的なターゲットとして100円付近までの下値を想定しています。
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