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月足トレードで生きてます|第7回 米雇用統計とドル円の関係[ゆったり為替]

経済指標と月足チャートの関連を考える4回目のテーマは、米雇用統計とドル円についてです。米雇用統計といえば、FXを含む世界中の投資家から注目を集める重要指標ですが、それと長期為替レートにはどのような関連性があるのでしょうか。ゆったり為替さんに解説していただきます。

※この記事は、FX攻略.com2017年11月号の記事を転載・再編集したものです

【月足トレードで生きてます 連載記事】
第1回 私が月足を選んだ理由[ゆったり為替]
第2回 月足トレードを好む理由[ゆったり為替]
第3回 経済指標との付き合い方[ゆったり為替]
第4回 政策金利とドル円の関係[ゆったり為替]
第5回 豪ドル円・NZドル円のスワップポイントと月足トレード[ゆったり為替]
第6回 消費者物価指数(CPI)上昇率と為替レートの関係[ゆったり為替]

米雇用統計の数字の推移

今回は米雇用統計とドル円について考察しましょう。米雇用統計発表は毎月あります。発表直後のドル円の値動きを見ますと、数字が予想よりも良ければ円安、悪ければ円高の傾向があるように見えます。ということは、月足のような長期的視野で見ても、同じ傾向があるのでしょうか。確認しましょう。

ここでは、1993年以降の米雇用統計のグラフを確認します(図①)。月足チャートで考える場合、これくらい長期のデータでの分析が望ましいです。棒グラフは、農業を除く毎月の雇用者数増減(季節調整済み)を示しています。棒グラフでは傾向が少々読みづらいので、赤線を追加しました。赤線は6か月移動平均線です。縦軸の単位は千人です。

過去20年以上のデータを見ますと、雇用者数はおおむね毎月増加していることが分かります。例外は、2001年〜2002年あたりと2008年〜2009年あたりです。2008年のリーマンショック前後の景気がいかにひどかったかが分かります。1か月で80万人の雇用が失われるような状況でした。

しかし、2010年には復活した様子も分かります。米国の労働市場の柔軟性が良く分かるデータです。 

ドル円の推移

では、同じ期間のドル円の推移を確認しましょう(チャート①)。1995年に大きく円高になりました。そして、1998年にかけて一気の円安が実現し、その後2008年にかけて巨大なペナント(三角保ち合い)を作っているように見えます。さらに、2007年のサブプライムローン問題以降の長期円高、そして2012年以降の円安の様子がよく分かります。

しかし、米雇用統計とドル円の二つのチャートを並べてみても、その関係がすぐには分からないように見えます。そこで、この二つのチャートを重ねてみましょう。

米雇用統計とドル円のチャートを重ねてみる

では、二つのチャートを重ねてみて、いかがでしょうか(図②)。何か、明示的な特徴があるでしょうか。私が検証した範囲の話ではありますが、「長期的に見て、米雇用統計の数字とドル円の間に、明確な関係を見いだすことは難しい」と思います。なお、図②に四角を三つ加えてあります。左側と右側の緑の四角では、米雇用統計が悪化しています。そして、同時期のドル円は円高になっています。よって、この二つに関連性があるように見えます。しかし、真ん中の赤の四角では、米雇用統計は悪化しているのにドル円は大きく円安になっています。

また、1996年から1998年にかけて、そして2012年から2015年にかけては、ドル円が大幅に円安になりました。しかし、米雇用統計に目立った動きはないように見えます。では、米雇用統計が安定しているときは円安か? と考えたいところですが、2002年から2005年にかけての値動きがいけません。米雇用統計は順調なのに、円高になっています。

過去20年以上にわたって明確に言えそうな関係が、なかなか見つかりません。

FXトレードへの応用  

では、以上の関係から、ドル円の売買にどのように応用すれば良いでしょうか。私の場合で申し上げるならば、「米雇用統計の数字を、ドル円の長期トレードに反映させることはない」です。

これは、かなり難しいことかもしれません。なぜなら、米雇用統計の結果を受けて「円安になった! 円高になった!」と世間は騒いでいる中でも、完全無視を決め込むということだからです。「右向け、右!」と号令をかけられたときに、自分だけ左を向くというイメージでしょうか。

しかし、世間と反対の行動をするのは、意外に容易です。なぜなら、「過去データを自分で分析したから」です。なお、同じ分析結果であっても、他人の分析を読んだだけではあまり良くありません。

というのは、私が書いているこの文章もそうですが、紙幅の都合で、分析結果の全てを書くことはできません。また、見落としている点があっても不思議ではありません。さらには、他人の分析を信頼して自分のお金をリスクにさらすことへの違和感もあります(その分析は間違っているかもしれません!)。

皆さまには、ぜひ、元データをエクセルなどにダウンロードして、自分の目で分析していただきたいと思います。現代社会は極めて恵まれています。インターネット環境が発達していますので、経済指標のデータを入手するのは簡単です。データを加工して分析するのも、年を追うごとに簡単になってきています。

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「何もなかった」が意外に重要 

なお、自分でデータを分析し始めると、あることに気付くでしょう。それは、「トレードで有効に使えそうな関係は、なかなか見つからない」ということです。私の場合、100の検証をした場合、95以上はハズレというイメージでしょうか。

残った5のうちでも、本当に信頼してトレードに使えるのは一つあるかどうかです。それくらい、有効なデータを見つけるのは大変です。

しかし、雑誌やウェブサイトで分析記事を探してみますと、「分析の結果、トレードに使えそうな関係はありませんでした」という記事はなかなか見つからないでしょう。というのは、筆者は「何もありませんでした」ということを書きづらいからです。

雑誌やウェブサイトは、読者の皆さまに驚きや興味関心を持ってもらえないと生き残れません。そこで、特に目立った発見がないデータは、一般に公開されることなく捨てられます。私が今回の連載で紹介しているデータでは、さまざまな内容を書いています。しかし、検証全体から見れば、ほんのわずかな量です。

よって、特に発見がなかった場合のデータは、一般の人の目に留まることはなく、検証したトレーダーの財産として蓄積されていきます。そして、この捨てられるデータ分析の蓄積が、意外に重要な場合があります。

トレードの主導権は自分で持つこと 

例えば、インターネット上で「Aというデータとドル円に関連があるぞ!」という噂が広がったとします。噂なので、真偽のほどは分かりませんが、それに基づいてトレードしてしまう人もいるでしょう。

しかし、膨大な検証を繰り返してきた場合、その噂が信用に足るものかどうか、だいたい予想できます。過去の検証を忘れてしまった場合も、その検証データを読み直すだけでOKです。そして、初めて聞く内容だなと思えば、すぐに検証すれば良いのです。普段から検証する習慣がついていれば、すぐに行動できます。

その結果、「噂はやっぱり噂だな」と分かれば、それを無視します。あるいは、「特定の期間は特に有効だったが、過去20年以上を調査すると関連性は薄いな」と分かるかもしれません。この場合も、その噂に乗ってトレードすることはありません。

トレードの主導権を他人に譲ることなく、常に自分が主体となって行動可能です。皆さまにはぜひとも長期の経済指標データを分析していただきたいと思います。

※この記事は、FX攻略.com2017年11月号の記事を転載・再編集したものです

ゆったり為替さんの月足トレードスタイル

売買スタイル

長期トレードとリピート系注文に力を入れています。週足から月足を使うトレードが中心です。

トレードのスケジュール

【午前6時〜7時ごろ】
NYクローズ後のニュースを流し読み(5分くらい)。その後チャートを確認(5分〜10分)し、スプレッドが狭くなってきたところで売買。トレードに要する時間は、1日10分〜15分くらいです。

【日中】
日中は、バックテストをしたり、経済指標の分析やFX各社のツールの研究をしたりします(時間は決めず、満足できるまで没頭)。これをトレードに含めるならば、かなり長い時間FXをしているということになります。

取引しているFX会社

用途に応じて多数。最も資金を投入しているのはセントラル短資FXで、スワップ狙いをしたり、実験的なトレードをしたりしています。

チャート分析の環境

セントラル短資FX「クイック・チャート・トレード・プラス」を使用しています。


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主にトレードする通貨ペア

20通貨ペア以上を取引対象としています。週足〜月足のトレードの場合、通貨ペアを幅広く確認しないと取引機会が少なくなるためです。

トレードスタイルのポイント

キーワードは「老後」「年金不安」。年老いて働けなくなり判断力が衰えてもなお、FXを収益源にできるか、ということに重きを置いています。

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