先週木曜日、ECBはかねて予告していた通り、金融緩和のパッケージを発表。中心となる政策金利を0.25%から0.15%へ引き下げ、下限金利となる中銀預金金利をゼロからマイナス0.1%へ引き下げた。
政策金利は過去最低を更新。また、マイナス金利の導入は主要国の中銀で初めての試みだ。
利下げ以外では、証券市場プログラム(SMP)の不胎化終了、4000億ユーロ規模の新LTRO計画、そして将来のABS購入準備といった措置が発表された。
事前に予想されていた方策のほぼすべてが盛り込まれたといってよく、会見に臨んだドラギ総裁は達成感からか晴れやかな笑顔を浮かべていた。
しかし市場は、金融緩和策発表直後こそユーロ売りで反応したものの、その後は徐々に買い戻しが強まり、結局発表前の水準を上回った。
先週の当コラムで述べたとおり、典型的な「Sell on rumor, buy on fact」の反応となったのだ。
前回5月8日のECB理事会で、ドラギ総裁が次回の追加緩和を事実上予告して以来1カ月、市場はそれを先取りするかたちでユーロを売り込んできた。そして、ECBが発表した一連の緩和策はおおむね事前に予想されていたものだった。
材料出尽くしと受け止められたのも無理はない。むしろ、予想されていた緩和策をすべて実施したことで、ECBは手持ちのカードを出し尽くしたとみなされた可能性もある。
唯一予想外だったのは、マイナス金利が中銀預金ファシリティーだけでなく超過準備にも適用されるという点だ。
これによりECBに預けられていた銀行の余剰資金が市中にあふれ出し、市場金利がマイナスとなる可能性も出てきた。この影響については今後も注意深く見守る必要がある。
ただし、ユーロが反発し、欧州株式市場も軒並み上昇しているところを見ると、市場は実体経済や金融システムへの影響は軽微と見ているようだ。
逆にいえば、影響は軽微と読んだからこそ、ECBも異例の措置に踏み切ったのであろう。マイナス金利はセンセーショナルだが、影響としてはアナウンスメント効果にとどまる可能性が高い。
「ユーロ/米ドル」のローソク足チャートでは、下ヒゲが長い「たくり線」が出現。酒田五法では「深い井戸からたくり上げる力を表現した足型で、1カ月程度下げたところに出るのが本物」とされる。
ユーロは当面の底を打った可能性が高く、今後は踏み上げによる急上昇を警戒する必要がある。
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