先週金曜日に発表された米国8月の雇用統計は、非農業部門雇用者数(NFP)が+17.3万人と予想の21.7万人を下回ったことから、ドル円は一時118.61円まで下落。失業率が5.1%と2008年以来の低水準となったことや、過去2カ月の非農業部門雇用者数が合計4.4万人上方修正されていたことから119.60円付近まで反発する場面もあったが、米国株式市場が大幅安で推移したことから上値も伸びず、119円付近で週の取引を終えた。
雇用統計の詳細を見ると、労働参加率が62.6%と1977年以来の低水準にとどまり、長期失業者の割合が27.7%と前回の26.9%から上昇するなど、相変わらず質的なスラックが解消されていない。平均時給は前月比+0.3%、前年比+2.2%とかろうじて予想(+0.2%、+2.1%)を上回ったものの、2%の物価上昇に必要とされる3%の賃金上昇には遠く及ばない。来週にはFOMCが開催されるが、7月の会合で示された利上げの条件、「あと少しの雇用改善と2%の物価上昇に合理的自信」が持てる内容とは言い難い。
市場では「9月利上げの可能性は完全に否定されたわけではない」、あるいは「もともと9月利上げは既定路線」との声も少なくない。しかし利上げが完全に織り込まれておらず、五分五分という状況で利上げに踏み切るのは、FRBにとっても勇気がいるはずだ。特に中国ショックが冷めやらない中で米国が利上げを断行すれば、投資マネーが新興国から米国へ一斉に還流し、「FRBショック」を招いてしまう恐れがある。一時9月利上げを支持していたロックハート・アトランタ連銀総裁も「嵐の中で政策変更すべきではない」と利上げの意思が弱まったことを示唆している。9月利上げの可能性はほぼなくなり、今後の株式市場の動向次第では、利上げ開始が来年に持ち越される可能性すら出てきたのではないか。
その株式市場の動向のカギを握るのは、言うまでもなく中国である。上海株式市場が二日間の休場から再開する本日の動きには特に注意が必要だ。中国当局は抗日戦勝70周年イベントに向けて威信を保つために株式市場に介入していたと見られるが、さほどの効果は上がっていなかった。もしイベント通過でPKOも終了ということになれば、再度動揺が広がる可能性が出てくる。日米欧の株式市場も調整色が深まるだろう。
米国利上げ観測後退と株安に挟撃され、ドル円は弱気サイクルに突入した可能性が高まってきた。今週は前回安値の116円付近を再度試す展開も想定しておくべきだろう。
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