ミノリ FX取引をする中で経済指標って注目しないといけないよね。「PMI」って経済指標をよく耳にするけど、重要なの?
間瀬 PMIは「購買担当者景気指数」のことで、景気を占う上で先行指標として注目されるよ! 難しく考えず、「企業の購買担当役員へのアンケート結果」と捉えても良いと思うよ。
ミノリ アンケート? どんなアンケートなのかな、「調子どう?」みたいな感じ?
間瀬 あながち間違いじゃないよ。PMIは、企業の購買担当役員に対し、1か月前と比較した当月の景況感が「良い・同じ・悪い」という回答を求めて、それらを集計して算出した結果の数値が「50」を超えていれば景況感が良い、下回っていれば景況感が悪いと判断することのできる経済指標なんだ。
ミノリ なるほどね、PMIっていろいろあるみたいだけど、どれを見たら良いのかな?
間瀬 市場で注目されるのは米国の「ISM製造業・非製造業PMI」と中国の「国家統計局製造業・非製造業PMI」「財新製造業・非製造業PMI」だね。まずは「ISM製造業・非製造業PMI」のうち、「ISM製造業PMI」を説明しよう。
この経済指標はISM(米供給管理協会)が毎月第1営業日に発表する、米国の製造業の景況感に関する経済指標だよ。先月分の調査結果が当月の第1営業日に公表されるというスピード感から、米国経済を占う先行指標として注目されるんだ。同じくISMが公表する「ISM非製造業PMI」については、月初の第3営業日に公表されるので、注目度は劣後する傾向にあるかな。
ミノリ 公表される期日が早いISM製造業PMIの方が注目されるんだね。
間瀬 そうだね。月初めの第1営業日は「ISM製造業PMIの日」と覚えておこう。また、一般的にISM製造業PMI=ISM製造業購買担当者景気指数といわれがちなんだけど、厳密にはISM製造業購買担当者景気指数の中の「新規受注・生産・雇用・入荷遅延・在庫」の五つの指標に季節調整を加えた複合指標のことがISM製造業PMIとされるよ。
実は、ISM製造業PMIが50を下回っているとき、つまり景況感が悪いとされるときには、米連邦準備制度理事会(FRB)は利上げをしたことがないんだ。そのことから、FRBの金融政策を占う上でもISM製造業PMIは注目されるよ。
ミノリ FRBの金融政策にも影響を与える経済指標なんだね。それは市場が注目するわけだ。
間瀬 加えて面白いのが、購買担当役員のコメントが公表されているという点かな。次は、ISMが公表した2020年7月の資料の中の購買担当役員のコメントだよ。
「受注は低調です。通常、1年で最も忙しい時期ですが、需要が不足しているため、生産は減少します。追加のレイオフが予想されます」(家具・関連商品)
業界の購買担当役員による景況感へのコメントが抜粋掲載されているので、FXにとどまらず、米国株に投資する人にとって、投資先セクターの景況感を知る方法としても有効だと思うよ。全ての資料は英語だけれども、ISMの公式Webサイトから閲覧することができるから、時間があるときに読み込むのも面白いと思うね。
ミノリ 最近のブラウザは翻訳ソフトも充実しているから、日本語訳にして見ても良いかもね!
間瀬 続いて市場が注目するのは「国家統計局製造業・非製造業PMI」「財新製造業・非製造業PMI」だよ! これは、中国のPMIだね。
ミノリ 中国のPMIって、二つあるの?
間瀬 そうなんだ、国家統計局製造業・非製造業PMIはその名の通り、中国の国家統計局が公表する指標で、調査対象における大企業の比率が高いのが特徴だね。そして財新製造業・非製造業PMIは、中国の民間メディアである財新と、英国の調査会社であるIHSマークイットが合同で調査・公表する指標で、調査対象における中小企業の比率が高いという点が特徴として挙げられるね。
ミノリ なるほど、公表元と調査対象が異なるんだね。じゃあ、投資家はこの二つのPMIをどのように捉えたら良いのかな?
間瀬 基本的に、大企業が先に景気の変化の影響を受け、その後に中小企業へと波及していくと考えて、国家統計局のPMIが中国景気を占う先行指数、財新のPMIがそれに後追いする指数と考えるのが良いかもね。
ただ、国家統計局は中国共産党の意思によって調整される可能性があるという点は注意が必要と思ってるかな。個人的には、中国政府が公表する経済指標はどれも全幅の信頼を置くことはできず、「中国共産党の都合の良い数値」が公表される可能性もあると考えているんだ。その点、財新PMIは中国の民間企業と世界的に有名な調査会社が公表する指標なので、信頼できる数値と個人的には考えているよ。
なので、投資家が中国のPMIから景気を占う上では国家統計局PMIを先行指数として捉え、財新PMIでその信ぴょう性を再度確認する、というのが個人的にはお勧めかな。
ミノリ 経済指標の信ぴょう性も意識する必要があるんだね…でも、今や世界経済に対する中国の影響力は無視できないから、PMIの数値も追っていきたいね。ありがとうサンドイッチ間瀬!
※この記事は、FX攻略.com2020年11月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
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