トレイダーズ証券の井口喜雄による【Dealer’sEYE】をお届けします。
ブラックアウト前FOMCメンバーの真意は
昨日発表された8月米ISM製造業景気指数が2016年8月以来の50割れ、好況・不況の判断の分かれ目となる基準値の50を下回りました。加えて、中国が米国の関税に対しWTO(世界貿易機関)へ提訴したことによる米中貿易戦争の激化など、引き続きリスクオフのマーケットです。とはいえドル円は動きが鈍く、105.50円~106.50円でレンジを形成しており、あしもとはこのレンジ内でうまく立ち回っていくしかなさそうです。
そうしたなか、本日よりFOMCメンバーの発言が多く予定されており、今月18日のFOMCを控えてブラックアウト(FOMC前に関係者の金融政策に関する発言を禁じるルール)前では今週が最後となるだけにしっかりと耳を傾けておきたいところです。
9月4日 22:25 ウィリアムズ・NY連銀総裁
9月5日 1:30 ボウマンFRB理事
9月5日 1:30 ブラード・セントルイス連銀総裁
9月5日 2:00 カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁(投票権なし)
9月5日 4:15 エバンス・シカゴ連銀総裁
9月7日 1:30 パウエルFRB議長
カシュカリ連銀総裁以外は今年のFOMCでは投票権を持っており、それぞれの発言にはそれなりの重みがあります。トランプ大統領からの利下げ圧力が強まるなか、8月米ISM製造業景気指数が50を下回ったことでハト派寄りになるFOMCメンバーも出てくるか注目です。
合意なき離脱へ加速か
EU離脱期限の10月31日が刻々と迫るなか、合意なき離脱の可能性が高まっています。そうしたなか、「EU離脱延期交渉」「内閣不信任案」「解散総選挙」と流れてくるヘッドラインはどれも不透明感が強い内容で、ポンドはポジションを傾けるにはリスクが高い状況です。EU離脱期限に対して残り時間が少なく、英政局化で合意に向けてまとまるとも思えず、ダウンサイドを狙っていきたいところですが、楽観的なヘッドラインが出ると大きく捕まってしまうのであまり突っ込みたくはありません。ポジションサイズを小さくして戻り売りを狙いたいと考えます。
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