先週の当コラムでは、今回のFOMCについて、(A)利上げ見送り+年内利上げ示唆50%、(B)利上げ+ハト派コメント35%、というシナリオを立てた(残る15%は「利上げ+追加利上げ示唆」のタカ派シナリオ)。利上げをしてもしなくても、市場の金利観が大幅に変動しないように、反対側のコメントを組み合わせることでバランスを取ると考えたのだ。
しかし結果はそのいずれでもなかった。FOMCは大方の予想通り利上げを見送ったが、声明も議長会見も利上げ時期を強く示唆せず、しかもFOMCメンバーの金利予想は大幅に引き下げられた。つまり「利上げ見送り+見通し引き下げ」という、予想以上のハト派姿勢を示したのだ。
FOMC声明(http://bit.ly/1UYDuBh)では「最近の国際情勢(つまり中国ショック)が経済活動を幾分抑制する可能性」を指摘したうえで、利上げには「労働市場のさらにいくらかの改善」と「中期的にインフレ率が2%目標に向かって戻るとの合理的な確信」が必要との見解を維持した。
下のグラフは、各メンバーが適切と考えるFF金利の水準を年別に点でプロットした、ドットチャートと呼ばれるものである。3・6・9・12月のFOMCの資料として公表される。これを見ると、前回の6月からボリュームゾーンが大きく低下している、つまりメンバーの利上げ意欲が弱まっていることが分かる。理由は、労働市場の改善やインフレ目標の達成に対するメンバーの確信がぐらついているからに他ならない。
前回6月のドットチャート
今回のドットチャート
すでに失業率が5.1%とほぼ完全雇用水準に達している現在、「労働市場のさらにいくらかの改善」とは、質的なスラック(たるみ)の解消、特に賃金上昇を指していると考えられるが、パートタイマーを含む不完全雇用率(U-6)が10%超という現状では賃金の大幅な伸びは期待薄だ。インフレ率(PCEコアデフレータ―)も今年に入って前年比1.2~1.4%の低い伸びが続いており、目標の2%に向かっていく兆候は見られない。
今回の決定に反対したのは、リッチモンド連銀総裁のラッカー委員だけだった。一時は9月利上げが適切と唱えていたアトランタ連銀のロックハート委員やシカゴ連銀のエバンス委員は、中国ショックを受けて考えを変えたようだ。かかる状況から判断して、次回10月に利上げ支持がいきなり過半数となるとは考えにくいし、よほどの好材料が重ならない限り12月でも困難と考えるのが妥当ではないだろうか。市場の見方が「年内利上げ濃厚」から一転して「ゼロ金利フォーエバー」となる可能性が出てきた。
FOMCの結果を受けて、当然のことながら米国金利は低下したが、米国株式市場も先行き不安を感じとって二日続落となった。米国利上げ期待の後退によるドル安と、株安連鎖懸念による円高が噛み合えば、ドル円の下落に拍車がかかるリスクが高まってくる。今週は日本がシルバーウィークで薄商いとなることもあり、下方向への警戒を一段と高めておく必要があるだろう。
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