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岡ちゃんマン流FXトレードのすすめ|第1回 ファンダメンタルズ分析編

岡ちゃんマン流FXトレードのすすめ|第1回 ファンダメンタルズ分析編

読者から圧倒的な支持を集める実力派専業トレーダーの岡ちゃんマンですが、彼のことをまだよく知らないという方も少なくないはず。そこで、ここでは反響の大きかった岡ちゃんマンの過去記事を再編集すると共に、本人の新たなコメントや最近の動向などを追加。彼の人となりがより分かる構成にしているので、電子書籍発売前にぜひご覧ください。

ファンダ分析を中心に戦略を決めてトレード

 私がトレードで重視しているのは、ファンダメンタルズ分析(以下ファンダ分析)です。取引する通貨ペア・エントリー方向・利確目標・トレード期間など、戦略のほとんどをファンダ分析で決めます。テクニカル分析も重要ですが、ファンダ分析では「情報から未来を想像する」という人間が最も得意とする優位性を生かせるトレードが実現できると思っています。

 とはいえ、ファンダ分析は難しいし何をすればいいか分からない、どのようにトレードに生かせばいいか分からない、という方も少なくないでしょう。そこで、まずは「ファンダ分析とは何をするのか?」「何から始めればいいのか?」「トレードにどう生かすのか?」といった3点についてまとめていきます。

ファンダ分析とは何をするのか?

ファンダ分析とはドラマや小説のようなもの

 ファンダ分析とは、情報(ニュースや経済指標)を集めて分析することで、通貨や国の現状を知ることから始まります。国や人にはそれぞれ思惑や背景があり、それは国や地域、人種、置かれている立場などで異なります。だからこそ、対立や戦争はなくなりません。

 同じ情報でも地域や人種や立場によって捉え方、選択の仕方はそれぞれ変わってきますので、それを踏まえて情報をつないでいきます。例えば、ドラマや小説のようにストーリーを作っていきながら今後の展開を予想し、予想した展開がマーケットにどのような影響を及ぼすかを考えます。

 多くの人はテクニカル分析から始め、テクニカルを中心に取引を考えており、ファンダ分析を取り入れる人は少ないです。しかし、投資は優位性を見つけることが重要で、大衆派より少数派の方が有利です。テクニカル分析=大衆派、ファンダ分析=少数派であり、ファンダ分析を取り入れることで優位性が生まれるのです。

何から始めればいいのか?

ファンダ分析をしている人を分析しよう

 ファンダ分析は難しく捉えられがちで、「経済指標がどうなったら買うの?」「どのニュースを見ればいいの?」「どこに注目すればいいの?」など、最初は疑問だらけだと思います。そこで注目したいのが、既にファンダ分析を行っている人たちが発信している情報です。ファンダ分析をしている人を分析するにあたっては、トレード時間軸にポイントを置くことが大切です。というのも、例えばスキャルピングをする人がスイングトレーダーに注目しても参考になりづらいからです。

 また、値動きの理由を考えることも重要です。値動きの理由がない場合もありますが、できるだけ値動きの理由を探すようにしましょう。ファンダ分析をしている人が値動きの理由を書いているケースもあるので、それを参考にするといいです。最近は各FX会社や専門家、個人のFXブログなどで現状を分析してくれる人たちがたくさんいます。まずはそのような方たちが発信している情報を収集することから始めると、ファンダ分析の知識が効率的に身につくと思います。

 ちなみに、私もファンダ分析の情報を発信しています。毎日数多くのブログやメルマガ、SNSを見て、「本日の注目点」を「経済知識ゼロの兼業トレーダーがファンダメンタルズ分析を使って年利10%~20%を目指すブログ(画像①)」でまとめていますので、当ブログを毎日チェックしてトレードの参考にしてください。

岡ちゃんマンのブログ

トレードにどう活かすのか?

未来の展開のシナリオ作りをしよう

 私は常に、以下の3点を気にするようにしています。

① 方向性は?(対象通貨は売り方向なのか、買い方向なのか)

 例えば、情報やニュースが英国に関することであれば、ポンドが売られるか買われるか?を考えます。そしてポンドが売られると思えば、決済通貨に買われると思う通貨を組み合わせるようにします。ポンドが売られ円が買われると分析したら、ポンド円の売り戦略を立てます。このケースでは他のポンドクロスよりポンド円のトレンドがはっきりしているでしょう。常に買われる通貨と売られる通貨のペアでポジションを取ります。

② インパクトは?(売り・買いの勢いはどのくらいか)

 これには二つの意味があります。一つ目はサプライズ(驚き)です。多くの人にとって予想外なことや、思い込んでいたことと違う結果が出たときには、ほとんどの人が反射的に同じ行動を取ってしまい、瞬間的に大きな値動きが起こることがあります。例えば、雇用統計の予想と結果が大きくかけ離れたときの値動きです。ただし、勢いは良くても長続きしない可能性が高いです。

 二つ目は、影響力が強く長続きするであろう情報が出たときです。政策金利の利下げや利上げなど、金融政策の変更につながる情報があったとします。金融政策は最も為替に影響し、影響力も継続することが多く、例えば米国で利下げとなればドルはだらだらと売られ続けたりします。

③ 継続性は?(この情報・シナリオはいつまで有効か)

 情報がいつまで有効かを見極められれば、決済タイミングなどに使えます。例えば、米連邦準備制度理事会(FRB)が利下げするのではという情報が出たとすると、実際に利下げするかどうかのタイミングまでが有効期限です。ということは、米連邦公開市場委員会(FOMC)の直前までに決済する必要があるわけです。

 このように、今後のシナリオを想像するときに①や②でエントリー方向を決め、③で決済タイミングを決める、ということを常に考えるようにしています。ただ、シナリオは一つではなく、複数になる場合もあるので注意が必要です。その場合は、それぞれで①②③を考え、どのシナリオの優位性が一番高いのかを確認します。

 ファンダ分析は慣れてくると、エントリーの方向に迷うことが少なくなり、決済を伸ばすかどうかなどの判断もしやすくなります。現在、テクニカル分析や短期トレードをやってうまくいっていない方は、一度ファンダ分析+スイングトレードに挑戦してみてはいかがでしょう。

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指標発表時の値動きをトレードに活かす!

 続いて、私がどのような観点で経済指標を見ているのかをお伝えいたします。まずは、「経済指標をどこでチェックしているのか?」「注目すべき経済指標」「経済指標をトレードに生かすポイント」の3点について見ていきましょう。

経済指標をどこでチェックしているのか?

 私がチェックしているのは、各中央銀行のホームページと、投資情報サイトの経済指標カレンダーです。各中央銀行のホームページには、要人発言の予定などが出ています。また、政策金利発表時や要人発言のいくつかは、ホームページ上に原稿やライブ配信のリンク先などが出てきます。

 そして、投資情報サイトの経済指標カレンダーを確認するときは必ず複数のサイトをチェックするようにしています。経済指標カレンダーには予想が出ているのですが、カレンダーによって予想値が異なる場合があるからです。

注目すべき経済指標

 一つ目は、金融政策を決定する上で重要な経済指標です。FXで最も大きく相場に影響を与えるのが中央銀行の金融政策決定です。例えば、FRBは「物価の安定」と「雇用の最大化」を責務としているため、物価や雇用に関する下記の指標は重要です。

  • 雇用統計や失業率
  • 消費者物価指数(CPI)や国内総生産(GDP)

 また、中央銀行が金融政策と同時に公表する声明文や記者会見、要人発言の中で重要視された(されている)指標にも注目です。

 二つ目は、マーケットが注目している指標です。注目度が高ければ、発表時に相場が動きやすいです。マーケットの注目度が高い指標というのは、ツイッターや情報サイト、ニュースなどでよく取り上げられているものです。

 三つ目は、過去の発表時に為替レートが動いた指標で、これも注意しておきます。

経済指標をトレードに活かすポイント

 一つ目は、スイングトレードでトレンドをつかむための材料にする場合です。中央銀行が金融政策を決定する上で重要視する雇用統計や失業率、CPI、GDPを観察して中央銀行が金融政策を変更するタイミングを見極めていきます。少しでも早く政策変更の兆しを見つけ、トレードに活かしています。

 例えば、FRBが2020年9月に利下げを実施する確率が50%くらいだったとして、前月の米雇用統計の結果が悪かったとすると、その結果を受けてFRBの利下げ確率はどこまで上がるのか? また、利下げ確率が上がるならどのくらいの結果が出てくれば利下げを見込んでドル売りを仕掛けるのか? この辺りを注意しながら経済指標を分析しています。

 二つ目は、指標発表時の値動きでトレードする場合です。指標発表時のトレードでは、経済指標の予想と結果の乖離が大きかったときにどのような動きをするのか分析・予想しています。予想と結果の乖離がどのくらいあれば動くのか? 乖離がどのくらいだと戻ってくるのか?などを分析して戦略を立て、トレードに生かします。

 例えば、2019年8月7日のニュージーランド政策金利発表では「予想1.25%、結果1.00%」と予想外の利下げがありました。当然NZドルは売られます。NZドル円は5分で110pipsも下げたのですが、さらに売られ続けていました。

 ちなみに、過去の経済指標発表時の値動きを確認したい方には「羊飼いのリメンバーFX」がお勧めです。

現在注目されている旬な指標を確認しよう

 経済指標を分析していくうちに、「なぜ動く指標と動かない指標があるのだろう?」「なぜ今まで動いていた指標が動かなくなるのだろう?」という疑問を持つようになりました。その答えは、ファンダ分析をすれば知ることができます。今現在、注目されている経済指標を把握することが、トレード成績を上げることにつながると思っています。初めは難しいと思うので、私が要点をまとめているブログを参考にしてみてください。そして、少しずつ自分で分析できるようにしていきましょう。

 経済指標発表時のトレードはボラティリティも大きくなるので、攻略すれば利益になる手法だと思います。ぜひ、チャレンジしてみてください!

コラム:ファンダ分析をするに至った経緯 その①

もともと私は経済指標を使ったトレードをしていたことから、経済指標を分析するようになりました。暇さえあれば「予想中央値はどうなっているのか?」「予想中央値はどのくらい織り込まれているのか?」「予想中央値と指標結果がどのくらい乖離すると、どのくらい動くのか?」「どのくらいの数字が出てくると、トレンドが変わるのか?」「経済指標の結果以外で値動きに影響するようなバイアスがかかっていないか?」などを考えていたのですが、今ではこれがファンダ分析の練習になったと思っています。

現在は昔ほど経済指標で相場が動かなくなりましたが、それでも多少の変動はあるので、ファンダ分析の練習をするにはちょうど良いかもしれませんね。

コラム:岡ちゃんマンが活用しているサイト

中央銀行

経済指標カレンダー

コラム:コロナ禍の今はISMやPMIに注目

現在のように新型コロナウイルスによるロックダウンが起こり、国同士の貿易が停止している状況では、ISM製造業景気指数や購買担当者景気指数(PMI)といった景況感を指数化した指標が注目されます。不景気の底にいるときに、経済がいつ回復に向かうのかを知るには仕入れ担当者に聞くのが一番分かりやすいからです。サービス業が重要か製造業が重要かは国や地域によって変わってくるのですが、ISMやPMIは景気動向を見るのにうってつけの指標といえます。

なお、最近はコロナ禍の影響で経済データが悪い結果になることを市場参加者はみんな知っていることから、通常の指標は相場を動かす要因になりにくいです。

コラム:岡ちゃんマンってどんな人?

岡ちゃんマンってどんな人?

田舎暮らし(福岡県飯塚市在住)の私は、気軽に外食というわけにはいかないので、自炊することが多いですね。夫婦共働きなのですが、夕食はほとんど私が作っています。

料理を始めたきっかけは、お酒が大好きで晩酌のおつまみを作るようになったことです。私はもともと植木屋で職人気質ということもあり、それから料理にどんどんハマっていきました。

田舎なので、知り合いの農家さんからよく野菜をいただくのですが、調理してお返しすることも多いですね。夏場はナスやキュウリなどを多くいただくので、ぬか漬けにしてお返ししたり、ご近所さんに配ったりしています。

よく作る料理は、みんなで食べることができる、たこ焼きやお好み焼き、餃子などです。全ての材料にこだわっているわけではないですが、味の決め手になる味噌や醤油、だしなどにはこだわってますよ!

※この記事は、FX攻略.com2020年10月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。

ABOUT ME
岡ちゃんマン
おかちゃんまん。福岡県出身1980年生まれ。趣味はニュース検索と飲み歩き。特技は寝ないこと。2011年からFXをスタートし、現在は専業トレーダーとして悠々自適な生活を送る。知的好奇心が旺盛で人並み外れた情報収集能力と分析能力を持つ。「トレードチームいにしえ」からその能力が認められ、チームの中核となる。ファンダメンタルズ分析をベースとしたスイングトレード中心のトレードが得意。
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