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FX力を鍛える有名人コラム

120円を目指す展開も突発的なリスクオフには警戒を[井口喜雄]

トレイダーズ証券の井口喜雄による【Dealer’sEYE】をお届けします。

FOMCと日銀を通過したほか、週末にクリスマスを控えていることもあり、値動きは限定的になりそうです。しかし、クリスマスから年末にかけての値動きでは、薄商いのなか思惑的な値動きが散見するため、ディーラーとしては気が抜けないのが毎年恒例です。

FOMCと日銀を通過してマーケットの反応は如何に

FOMCでは、来年の利上げ予想が3回とポジティブでした。また、会見でもハト派のイエレンFRB議長にしては経済に対しても強気な見方を示すなど予想外の展開ではありました。

一方、日銀金融政策決定会合の黒田総裁も景気判断と見通しを上方修正したほか、今の米ドル/円レートに対して驚くレベルではないとして円安容認と捉えられる発言もしました。驚くほどポジティブな内容ではありませんが、ドル高基調は継続され、しばらく高値圏での展開となりそうです。

米10年債利回りも引き続き2.5%を超えており、米10年債がこの水準にある限りは堅調地合いに変化はないでしょう。10年債を睨みながらのマーケットではありますが、来年1月20日のトランプ大統領誕生までは120円をターゲットとするのが基本シナリオでいいと思います。

年末年始でのリスクオフには警戒を

先程もお伝えしましたがクリスマスから年末にかけては薄商いのなか、突発的なニュースに対して大きな反応をしてしまいます。いわゆるフラッシュ・クラッシュです。そしてここにきて不穏なニュースが散見している事もあり警戒が必要です。

ドイツではクリスマスマーケットを訪れていた買い物客にトラックが突入して12人の方が亡くなり、ロシアではトルコ大使が暗殺されるなどテロへの警戒感が高まっています。加えてイタリアではモンテパスキ株急落、中国では海軍が米海底調査機を拿捕する地政学的リスクもあります。

また、昨年は年始に中国の景気先行き懸念から中国株式市場でサーキットブレーカーが発動し、日経平均株価も一時600円安になり、米ドル/円は急落という記憶もあります。普段以上に値が飛びやすい状況となりますので、安全に年を超すにはポジション調整も考える必要があります。

今週のテクニカル分析

チャートを見ると米ドル/円はやや息切れしてきたようにも見えます。しかし、約18円もの上昇をしていることを考えれば当然の調整であり、逆に下値をしっかり固めているように判断するほうがスマートです。米ドル/円はもう一段上をトライできるチャートと見ます。ここから上になると同フィボナッチ76.4%戻しの119.50円付近、そして大台である120円も視野に入れたトレードとなるでしょう。

一方サポートラインは上値を切り上げるトレンドライン(白)を参考に押し目を拾っていきます。テクニカル指標では一目均衡表転換線がさしかかる116.30付近でしょうか。

1年間ありがとうございました

今回のレポートが年内最終のものとなります。1年間ありがとうございました。次回のレポートは1月11日(水)です。来年もより良い記事を書いていけるよう努めていきますので、どうぞよろしくお願いいたします。

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