インフレの先行指標として注目されている平均時給は?
先週金曜日に発表された米国2月の雇用統計では、失業率が4.9%と予想通り、非農業部門雇用者数(NFP)が+24.2万人と予想の+19.5万人を上回ったものの、注目の平均時給が前月比-0.1%と予想外のマイナスとなったことから、新たなドル買いの決め手にはならず、ドル円は113円台後半で週の取引を終えた。
インフレの先行指標としてこのところNFP以上に注目されている平均時給。前月比-0.1%(予想+0.2%)、前年比+2.2%(予想+2.5%)という結果が失望であることは確かだ。FRBがインフレ率のベンチマークとしているPCEコアデフレータは+1.7%(1月)と前月の+1.5%から上昇したものの、目標の2%には依然として届いていない。2%のインフレには3%の賃金上昇が必要と言われており、平均時給が2%台で推移している限り、FRBは利上げを急ぐ必要がない。とりあえず3月15~16日のFOMCでは追加利上げはないと見るのが妥当だろう。
一方、雇用が順調に伸び、失業率が5%を切る完全雇用状態となっていることも確かで、量的な観点でいえば、労働市場のスラック(たるみ)は解消されている。イエレンFRB議長が注目している雇用関連諸指標、いわゆる「イエレン・ダッシュボード」を見ると、金融危機前の2004-2007年の平均に対して4勝4敗1引き分けとなり、ついに五分まで漕ぎ着けた。来週(3月17日)発表される1月の求人労働異動調査(JOLTS)の結果次第では、初の「勝ち越し」が実現する可能性もある。
イエレン・ダッシュボード(太字アンダーラインが「勝ち」を表す) ①~⑤は2月雇用統計、⑥~⑨は12月求人労働異動調査(JOLTS)
リスクオフの嵐は沈静化し底打ちの兆候
FRBはもともと、利上げが遅れて後手に回るリスクを危惧している。イエレン・ダッシュボードから判断すれば、早ければ6月、遅くとも年内に追加利上げがある可能性は依然として高い。日銀のマイナス金利導入にもかかわらず2月に円高が進んだのは、ひとえにリスクオフの大嵐が吹いていたためだが、市場心理が極端なリスク回避状態から脱することさえできれば、利上げ余地があるドルが買われ、利下げ余地がある円が売られるというのが合理的なシナリオだ。
そして、マーケット全体を覆っていたリスクオフの嵐がようやく沈静化し、いくつかの市場には底打ちの兆候が見え始めた。まず現在リスクオン・オフのバロメーターともいえる原油相場は、金曜日には36ドル台まで上昇し1月6日以来の水準へ回復。これに伴って株式市場も上昇し、リスクに敏感な資源国通貨や新興国通貨も急回復している。中国の景気減速がリーマンショック級のハードランディングにつながるといった極端な悲観論は影をひそめ、Brexit(英国のEU離脱)懸念も現段階ではひとまず一段落。さらにG20が「あらゆる政策を総動員」との声明を打ち出したことで、金融市場は今回の試練を乗り切れるという希望が出てきた。今週はドルの買い場を探すイメージで臨みたい。
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