先週の米ドル/円相場は、112~114円台のレンジ内での動きながら底堅く推移した。週前半は原油・株式市場が軟調に推移したことや、中国の貿易統計で輸出が20%超の減少となったことを嫌気して112.23円まで下落したものの、週後半は原油・株式市場の反発を好感して上昇に転じ、ECBの緩和策を受けてユーロドルが下落すると、米ドル/円も一時114.45円まで押し上げられた。
リスクオフの元凶は取り除かれた
前回の当コラムでも述べた通り、年初来のリスクオフの元凶であった原油相場の下落局面が一段落しており、先週は38~39ドル近辺と底値26ドルから50%近い回復を示現した。
先週金曜日、IEA(国際エネルギー機関)は、原油安の長期化によって米シェールオイルの生産量が減っていることや、サウジアラビアやロシアなどが生産量を据え置くことで暫定的に合意したことを受け、供給過剰への懸念が和らいでいるとして、「原油価格が底打ちした可能性がある」と指摘した。
ウォール・ストリート・ジャーナルが先月調査したところでは、主要投資銀行による2016年の原油相場の見通しで、今後30ドル以下に下がると見ている専門家はほぼ皆無になったという。
リスクオフのもう一つの元凶であった中国をめぐる過度の悲観も沈静化し、人民元は先週、対ドルで6.67元台と年初来高値を更新している。
G20が「あらゆる手段を総動員して世界経済の危機や金融不安を回避する」ことで合意して以来、中国からの急激な資本流出に歯止めがかかりつつあるようだ。先週から開かれている中国全人代では、このG20の声明を受けて金融政策と財政政策を総動員する方針を打ち出す見通しだ。
原油相場急落と中国懸念という二つの圧迫要因が取り除かれることで、年初からの株式市場の弱気局面は終了した可能性が高い。NYダウは昨年末の高値18000ドル近辺を目指す展開となり、日経平均も来週は17000円台にしっかり乗せてくるだろう。リスクオフからリスクオンへの転換は着実に進んでいる。
ドル円は上昇に期待
となると、リスクオン・オフに敏感な米ドル/円は現状レベルでは出遅れ感が感じられ、もう少しレンジを切り上げてもおかしくない。112円台は値固め済みの公算が大きく、押し目買いスタンスで臨みたい。また抵抗線の114.50-60円をすんなり上抜けできるようなら、追撃買いも検討に値する。
日経平均(右目盛り)と比べて米ドル/円(赤。左目盛り)は出遅れ感がある 出所:NetDania
また原油相場と人民元の反転や、株高・リスクオンの流れは資源国通貨にとって強い追い風となる。豪ドルは対ドルですでに抵抗線の0.74ドルを突破し、順調に下値を切り上げる上昇局面に入っている。米ドル/円の上昇期待とも勘案すると、資源国通貨対円のクロスは買い妙味が大きいといえる。豪ドル/円は、80円以下を底固めしたあと一目均衡表の雲を上抜けしており、今後の動きに注目したい。
豪ドル/円一目均衡表は雲を上抜け 出所:NetDania
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