ドル円は年初来安値を突破
先週の米ドル/円相場は、米国の利上げ観測の後退を背景としたドル売りに加えて、日本株安や介入警戒感の後退を背景とした円買いが強まった。先月つけた年初来安値の110.67円を突破すると流れが加速し、一時107.67円と2014年10月以来の安値をつけた。筆者は日米のファンダメンタルズ格差から見て110-111円台は買い妙味があると判断していたが、またしても見誤ってしまった。
先週公開されたFOMC議事録は、「4月利上げは不適切な緊急性のメッセージを発信する」「海外のリスクは完全には解消していない」などと記されていた。今月26-27日の会合はもちろん、6月会合でも利上げは困難との見方が優勢となってきた。FF金利先物は、利上げは年内1回あるかどうかという水準であり、金利面からはいよいよドルを買いづらくなってきた。
海外勢は日本株売りと円買いへ
日経平均は2月の安値14865円が視野に入ってきた。かつて日本株を1年で15兆円も買い越した外国人投資家は、今年に入ってわずか3か月で5兆円も売り越している。同時に為替市場では投機筋のポジションが大きく円買いに傾いており、IMM通貨先物の取り組みを見ると、円の買い越しが6万枚あまりと安倍政権発足後の最大規模に膨らんでいる。
海外勢はもはやアベノミクスに見切りをつけ、日本株売りと円買いという「逆アベトレード」に傾倒しているようだ。
未確認情報「上海合意」の影響は?
さらに、ここにきてさらにドル売りを煽っているのが、「上海合意」なる未確認情報だ。市場では2月の上海G20において非公式にドル高を是正する合意がなされたのではないかという見方が浮上しているのだ。
安倍首相は先週わざわざ米紙ウォールストリート・ジャーナルで、通貨安競争や恣意的な為替市場への介入を戒める発言をしている。上海合意があったかどうかは不明だが、少なくとも日本政府にとって介入しづらいムードがあることは確かだ。一週間で5円もの円高は行き過ぎの領域だが、介入期待のポジションを取るのはやめた方がよさそうだ。
強気トレンドラインが完全に崩壊
テクニカル的には、年初から3回サポートされていた111~110円を割り込んだことで、新たな下落局面に突入した可能性が高い。
下のチャートは米ドル/円の週足だが、アベノミクススタート以来の強気トレンドラインが完全に崩壊し、しかも125円を天井としたヘッドアンドショルダー(三尊)が完成している。チャート上はすでに数年に一度の大天井をつけた可能性が高く、当面は105~102円をターゲットとした弱気スタンスで臨むのがセオリーであろう。
米ドル/円週足はヘッドアンドショルダーを形成 出所:NetDania
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