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利上げ判断を先送りしたFRBと迷走し始めた日銀 ドル安・円高が継続[雨夜恒一郎]

先週の米ドル/円相場 大台割れ寸前まで売り込まれる

先週の米ドル/円相場は、日銀金融政策決定会合が「イールドカーブコントロール付き量的・質的金融緩和、オーバーシュート型コミットメント」を発表すると、銀行株が上昇し、リスクオンの円売りが先行、一時102.79円まで上昇した。

しかし黒田日銀総裁の会見の歯切れが悪かったとして100円台へ急反落。さらにFOMCが政策金利を0.25-0.50%に据え置き、声明やイエレン議長の会見が利上げ時期に言及しなかったことから、一時100.10円と大台割れ寸前まで売り込まれた。

利上げをテーマとしたドル買いはさらに後退か

まずFRBの利上げ見送りは市場の予想通りであり妥当な判断だろう。FOMC声明は「FF金利を引き上げる根拠は強まった」としながらも、「当面はさらなる証拠を待つ」と判断を先送りしており、「次回会合で利上げの是非を検討」といった利上げ予告は盛り込まなかった。

タカ派のジョージ委員以外に、ローゼングレン委員、メスター委員が利上げ支持に回ったのはやや意外だったが、次回11月会合でも利上げ支持が過半数となる可能性は小さく、12月会合が焦点となるだろう。FF金利先物は11月利上げを12%、12月利上げを54%しか織り込んでいない。利上げをテーマとしたドル買いは一段と後退せざるを得ない。

不可解な日銀の政策

一方、日銀が新たに打ち出した政策は不可解だ。日銀はいったい何がやりたいのだろう。マイナス金利の深掘りを見送り、イールドカーブをスティープニングさせる政策は、「金融ムラ」の収益に配慮したとしか思えないし、そもそも10年国債利回りをターゲットのゼロ%近傍にコントロールするなど可能なのだろうか。

もしも10年債利回りがマイナス幅を広げた場合、売りオペを行うとテーパリング(緩和縮小)と受け止められかねないが、短中期債買い・長期債売りというツイストオペを行うのだろうか。またイールドカーブがスティープになれば日米の債券利回り格差が縮小し、ドル安・円高圧力がかかるが、それも承知の上だろうか。筆者の目には、この政策はむしろ若干の金融引き締め策に映る。

「オーバーシュート型コミットメント」というのは時間軸政策のつもりだろうが、奇手を持ち出してきたものだ。ゴルフにおいては「パットは届かなければ100万回打っても入らない」と言われ、カップを少しオーバーするくらい強めに打つのがセオリーだが、インフレ目標の2%に届く気配がないのに「安定的に超えるまでマネタリーベースの拡大方針を継続する(一時的にオーバーシュートしても拡大を止めない)」と約束することに果たして意味があるのか。それよりもまずは2%に近づけるための具体的政策を出すべきではないのか。さまざまな疑問が尽きないし、「緩和策が手詰まりになり、いよいよ迷走し始めた」と受け取られても仕方がない。

今週の見通し

今回の日銀の回答を評価する声は少なく、日銀と市場とのコミュニケーションは依然噛み合わないままだ。今週は四半期末・中間期末で市場が薄くなる中、ドル安・円高の加速を警戒すべきだろう。

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