FX攻略.com ズバリ!今週の為替相場動向 2020年3月30日号
先週のドル円相場は
新型コロナウイルスの感染が特に欧米で爆発的に拡大し、流動性危機に備えて基軸通貨であるドルを確保する動き、いわゆる有事のドル買いが進行。週前半は111円台後半へ上値を拡大する動きとなり、一時111.71円とコロナショック直前の水準へ回復した。米国の2兆ドル規模の景気対策への期待もドル買いにつながった。NYダウは週初の1万8千ドル台前半から2万2千ドル台まで劇的な回復を見せた。
しかし木曜日に発表された米新規失業保険申請件数が過去最悪の水準となったことや、米国の感染者数が中国を抜いて世界最多となったことを受けて、週後半はドル売りが加速し、107.76円まで売り込まれて週の取引を終えた。
有事のドル買いは一服 需給緩和へ
NYダウの週間の上昇率は12.84%に達し、1938年以来82年ぶりの大きさを記録した。しかし皮肉にもそれが投資家心理を好転させ、現金化によるドル需要を後退させている。
先週のドル円(右目盛り)とNYダウ(左目盛・赤線) 出所:NetDania
株式市場がこのまますんなり底入れに向かうと見るのは尚早だが、パニック的な投げ売りの連鎖にとりあえず歯止めがかかったとすれば、為替市場におけるドル独歩高も一段落と見るのが妥当だろう。四半期末、3月期末をまたぐ今週は、ドルの需給逼迫が一気に緩和する可能性がある。
米国が世界最悪の感染国に
一方米国の感染者数拡大は歯止めがかからず、27日時点で10万人を突破し、中国を抜いて世界最悪となった。ニューヨーク州などでのロックアウトも解除のめどが立たず、経済への壊滅的影響が懸念される。
先週発表された新規失業保険申請件数は328.3万件と記録的な悪化となり、過去最大だった1982年の69.5万件の5倍近くに達した。今週金曜日には3月の雇用統計が発表されるが、非農業部門雇用者数は-10万人との予想が出ている。米国の景気後退は未曽有の規模でまさにこれから襲ってくる。
一周回ってリスクオフの円買い
新型コロナウイルスの感染拡大は米国にとって今や国家的な危機であり、米国もドルももはや安全な逃避先ではない。もちろん欧州(英国・スイスを含む)も同じ状況だし、資源国や新興国も論外だ。となると、市場参加者の目には、感染者数が増えているとはいえ1500人に過ぎない日本が比較的安全と映るのではないか。つまり円が「一周回って」安全通貨として消去法的に買われる可能性が浮上してきた。
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金利差のない世界
もともと円相場は、内外の金利差に規定される面が大きい。内外の金利差が拡大し、キャリートレードが人気化すれば円安になるが、金利差が縮小し、キャリートレードの妙味がなくなれば円高になる。現在は先進国の金利がほぼゼロとなり、市場参加者は世界中で金利差が消失するというかつてない状況に直面している。本邦投資家にとっても、キャリートレード勢にとっても、円を売って外貨を買うメリットはほとんどない。
結論:ドル円は再び弱気局面へ
上記の通り、
①現金化によるドル需要は一巡
②米国はもはや安全ではない
③円が再び安全通貨となる可能性
④内外金利差が一気に消失
という状況からは、ドル円の下落という予想以外導けない。
チャート上も、コロナショック直前高値の112.23円を抜け切れず反落したのは弱気のサインだ。今週は先週激しくもみ合った110~111円が強力な抵抗帯になると考えられ、戻り売りスタンスで臨みたい。
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