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米国経済の本当の試練はこれからだ[雨夜恒一郎]

FX攻略.com ズバリ!今週の為替相場動向  2020年5月11日号

先週のドル円相場

米国雇用統計の悪化を警戒したドル売りがジワリと強まり、一時105.99円と3月16日以来の安値をつけた。しかし金曜日に発表された雇用統計が予想ほど悪くなかったことから、106.75円まで買い戻され週の取引を終えた。

雇用統計は記録的な悪化

4月の非農業部門雇用者数はマイナス2050万人と過去最大の減少となり、失業率は14.7%と戦後最悪、大恐慌時以来の水準に達した。すでに市場はこの程度の雇用悪化を覚悟していたため当日のインパクトは限定的だったが、1か月で全労働者の8分の1が失職したという前代未聞の事態がもたらす影響は計り知れず、「予想ほど悪くなかった」では済まされない。

またシェールオイルや小売りなどコロナで打撃を受けた業界で大型の破綻が相次いでおり、今後は失業率がさらに上昇する可能性が高い。そもそも今回の失業率も、感染が怖くて職探しをしなかった人を含めると実質的には20%を超えている可能性がある。

経済再開には程遠い

唯一の救いは、失職者のうち元の職場への復帰を前提とした「一時解雇・帰休」が78%を占めているということだ。コロナが終息し経済が再開すれば、今回の失職者の多くは職場に戻れることになる。

しかし、コロナが終息し経済が正常化するのはいつになるのか皆目見当がつかない。すでに米国では120万人以上が感染し、7万5千人以上が命を落としているが、死者の数は現在も増え続けており、最終的には13~20万人に上るとの予想も出ている。

カリフォルニアなど30を超える州ではすでに経済が一部再開されているが、感染が再び広がる「第2波」への警戒は強く、全面的な再開とはほど遠い。

楽観的過ぎる株式市場

米国株式市場は「経済再開」をはやして上昇しているが、経済のV字型回復期待は甘すぎると言わざるを得ない。雇用や暮らしはすぐに元には戻らないし、むしろ働き方やライフスタイルは不可逆的に変化した可能性が高いからだ。雇用の減少はいずれ止まるだろうが、労働市場が元の水準まで戻るには相当な期間を必要とするだろう。回復は良くてU字型、悪ければL字型になる公算が大きい。

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ドルの信認低下

米国4~6月のGDPは二ケタ減どころか、30%以上のマイナス(前期比年率)になるとの予想も出ている。これを埋めるため、数兆ドル規模の財政出動が行われ、FRBの国債買い入れによるマネタイゼーション(ドル紙幣の大増刷)が進行し、ドルの価値は希薄化していく。ドル建て金価格がおよそ8年ぶりの高値へ上昇し、ビットコインなど暗号資産が急騰しているのは、ドルへの信認が低下しているからと考えるほかない。

ドル円は弱気継続

今回の雇用統計の記録的な悪化はとりあえず織り込み済みだったが、こうした現実に向き合えば、米国経済にとっての本当の試練はこれからであることは明白だ。少なくとも年内、おそらく1年以上はゼロ金利が続くドルが持続的に上昇するシナリオは描けない。ドル円に対しては弱気スタンスを継続する。

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