※この記事は、FX攻略.com2021年5月号(2021年3月19日発売)の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
原油は昨年1月以来の高値
このところ、マーケットでは米長期金利の上昇が話題となっています。期待インフレ率は、2014年以来の高水準となっており、市場はアフターコロナを意識した展開に。金利上昇からリスクオフになり、株価や商品価格が急落する場面もみられるようになりました。ただ、株価にせよ商品価格にせよ、価格は金融市場全体の要因+需給要因など独自の要因で決定されます。今回は、現在、高値圏で推移する銘柄が多い商品市場で、その中心銘柄を見ていきましょう(チャート①)。
昨年は納会に絡んで一時マイナス価格に下落したNY原油ですが、今年は上値追いの展開となり、2月には昨年1月以来の高値となる63ドル台に上昇しました。この背景として、石油輸出国機構(OPEC)プラスの協調減産が成功している上、サウジアラビアが原油相場の価格安定を目的に、自主的に2月と3月に日量100万バレル減産していることが挙げられます。そのため、今年1-3月期の原油需給は日量250万バレルの供給不足になっていると推測されます。
また、アフターコロナを見据えた買いが入っていることも支援材料となっています。米国で新型コロナウイルスのワクチン接種が進んでいることから、この夏はガソリンのドライブ需要、航空燃料の需要が高まることが予想されます。米エネルギー情報局(EIA)の在庫統計を見ると、原油在庫を取り崩してガソリン在庫を積み増しているのがうかがえます。
その一方、原油価格の上昇に合わせ、シェールオイルの掘削リグの稼働数も増えており、2月27日現在では309基と、昨年末から42基増えています。このため、いずれ原油価格も落ち着いてくるでしょう。価格予想としては、夏のドライブシーズンを控えて、4-6月にいったん目先の高値をつける可能性がありそうです。
銅は2011年以来の高値
景気のバロメータ、経済の先行指標といわれる銅ですが、上値追いの展開が続いています。銅の指標価格とされるLME銅3か月物は、2月に9617ドルまで上昇し、2011年8月以来の高値をつけ、月次で見ると昨年4月から11か月連続の上昇となっています。
銅価格上昇の背景として、銅最大の消費国である中国がコロナ禍からいち早く立ち直り、政府主導のインフラ投資の増加を受けて需要が高まった一方、供給面では新型コロナウイルスのロックダウンの影響で鉱山や精錬所が一時閉鎖に追い込まれ、供給減となったことが挙げられます。
また、中国、米国の2大大国をはじめ、世界中で脱炭素社会の流れが強まっていますが、これは電化を意味しており、電線などに使われる銅需要が今後拡大するとの見方が強まっています。2021年は銅スクラップからの供給が増え、需給バランスはやや供給が需要を上回るとの予想もありますが、投資という面からみれば将来的な需要増から買いも入りやすいでしょう。2011年2月につけた史上最高値の1万190ドルを試す可能性も十分ありそうです。
2014年以来の高値を狙うプラチナ
貴金属市場で力強い動きを見せているのが、プラチナです。プラチナは新型コロナウイルスの影響から、昨年3月には569ドルまで下落しましたが、その後、今年の2月には1336ドルまで上昇しました。プラチナは燃料電池の触媒として使われており、脱炭素社会の中、燃料電池自動車(FCV)の普及と共に需要の高まりが予想されます。
また、プラチナの生産は南アフリカが全体の7割以上を占めています。しかし、南アフリカは電力事情が悪く、停電が頻繁に起こる上、政情も不安定です。このため、プラチナの安定供給には問題があり、今後需要が増加した際、供給が追いつかない事態も予想されます。2014年以来となる1500ドル台乗せの可能性もありそうです。
一方、金ですが、金利を生まない金は、金利上昇と共に、軟調な展開となっています。ただ、インフレ懸念が高まっている上に、金利上昇による金融市場の乱高下により、安全資産として見直され、再度、上昇に転じるとみています。
2013年以来の高値をつけたコーン
最後に穀物の代表としてコーンです。コーンは穀物として人間の食料や家畜の飼料となる他、デンプンや油、バイオエタノールまでさまざまな用途で使われます。コーンはラニーニャ現象による南米での生産不調や中国での飼料需要の急拡大により、2月に2013年7月以来の高値となる574.25セントまで上昇しました、米国の在庫も減少しており、今年は供給不足が懸念されています。600セント台乗せも現実味がありそうです。
この他にも、ニッケルの高騰や材木価格が史上最高値を更新するなど、商品市場では多くの銘柄が歴史的高値圏に位置しています。これらは各商品独自の材料で上昇しており、金融緩和以外のインフレの芽となりそうです。
※この記事は、FX攻略.com2021年5月号(2021年3月19日発売)の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
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