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【特別寄稿】AIの基礎と応用可能性|第3回 ディープラーニング、集団学習、強化学習[月光為替]

人工知能・AIに対して過度の想像をしていませんか?

FX攻略.com公式サイトでコラムを連載していた月光為替さん(現役ファンドマネージャー兼AI研究者)による特別寄稿を読んで、AIの基本やFXへの応用方法について学んでみましょう!

※この記事は、FX攻略.com2018年1月号の記事を転載・再編集したものです

【【特別寄稿】AIの基礎と応用可能性[月光為替] 全3回】
第1回 イントロダクションと決定木
第2回 クラスタリングとニューラルネットワーク
第3回 ディープラーニング、集団学習、強化学習

ディープラーニング

前回説明したニューラルネットワークを拡張した概念に、ディープラーニングと呼ばれる手法があります。従来のニューラルネットワークに対して変わった点としては、説明変数を人間が指定するか、機械が学習し、自動で決定するかの違いがあります。

ディープラーニングにおいては、機械が変数を抽出し、それに重みづけを行い、最適な結果となるようその作業を何度も繰り返し、最終的に絞り込まれた変数を特定していきます。

例えば株価に対して、企業の利益水準やバリュエーション、テクニカル指標、マクロ経済指標など、影響を及ぼしそうな変数というのは膨大にあります。ディープラーニングではこれらを取捨選択し、最終的に最も影響を与えている変数を導き出します。その最終的な変数は、いくつかの変数を複合した新しい変数になることもあります。

ここで重要なことは、選ばれた変数というのは、あくまでも過去学習期間において動きを説明できる変数に過ぎず、それが必ずしも将来を説明できるかどうかは分からないという点です。そして、それを人間が判断するためには、モデリングの過程において元のパラメータを復元できる必要がありますが、ディープラーニングではその復元ができないので、後に演繹的な推察ができません。ですので、とても便利な手法ではありますが、運用に応用するときには工夫をする必要があります。

ディープラーニングの応用例

現在ディープラーニングは、パターン認識であったり、レコメンドや異常値検出などの分野で用いられています。例えば、アルパカが行っているように、過去に自分が行った売買タイミングにおけるチャートの画像データを利用することで、自分の好みに合ったチャートパターンの出現を知らせてくれる機能のような応用可能性があります。


画像:アルパカ

また、異常値検出を応用することで、為替や株価の暴落の兆候などを予測できるようになるかもしれません。もし暴落するときがデータとして正常時のデータから大きく乖離したものであるならば、取得できるデータが少ない場合でも、正常値から大きく乖離した状態を異常と判断できる可能性があります。

集団学習

今まで説明してきたものが機械学習の手法であったのに対し、集団学習はこの次の強化学習と合わせて、少し毛色が異なります。どちらかというと枠組みといった方が良いでしょう。ただ、機械学習の文脈で、集団学習と強化学習はかなり頻繁に登場するので、ここで紹介したいと思います。

集団学習というのは、説明変数を異なるものにしたモデルや、機械学習の手法を異なるものにしたモデルの出力結果の多数決をとったり、平均値をとったりするなどして、より精緻なモデル作成を目標にした学習方法です。

集団学習には、大きく分けて「バギング」「確率的属性選択」「スタッキング」の3種類が存在します。

バギングとは、説明変数は変化させず、学習させるサンプルデータの組み合わせをいろいろと変化させ、集団学習を行う手法です。

確率的属性選択とは、説明変数の組み合わせを変化させることで、集団学習を行う手法で、最後のスタッキングは、学習に用いる機械学習の手法をいろいろと変化させ、集団学習を行う手法です。最後のスタッキングでは、それぞれのモデルでの出力値に対して、再度ニューラルネットワークなどの機械学習をかけるモデルも存在します。

この集団学習の概念は、私も普段よく使うということを、付け加えておきます。

強化学習

最後に強化学習ですが、これは機械学習で与える目的変数の正解=教師データではなく、代わりに行動の選択肢と報酬という概念を与える学習方法です。ある行動をした結果、より高い報酬を得ることができれば、それが正しい行動であったというように学習をしていきます。

例えば一世を風靡した「アルファ碁」などのゲームの世界で活躍している人工知能は、必ずといって良いほどこの強化学習を使っています。選択肢のルールは決まっていますので、後は報酬の与え方を工夫することで、人間では到達できないプレーが可能となります。

リターンを間接的にせよ、直接的にせよ予測していくより良いモデルを開発するために従来の統計的手法や、機械学習があるのであれば、この強化学習は、投資という文脈においては、トレード法=ポジションサイズやエントリー、エグジットなどのHowの部分で応用可能性が高いと考えられます。 

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最後に

このコラムでは、代表的な機械学習の手法について説明してきました。機械学習がコンピュータの性能を生かした統計的手法である以上、ある条件下では、AIの方が処理できる情報量やスピードが人間より優れている面があることは確かです。ですので、まずトレーダーは、AIで何ができるのかということを正しく理解し、自分のトレーディングプロセスの中で何が代替可能で、何が代替不可能かを見極めていく必要があります。

また、これはどんな手法でも同じですが、当然AIも全知全能ではなく、過去データからしか学習することはできません。つまり、どれほど大量のデータを分析したとしても、これまで起こったことのない未知の事象については学習できないので、予測不可能であるということも肝に銘じておかなければなりません。

これまでにないことが頻繁に起こり得るトレーディングの世界では、現在の統計分析手法の延長である機械学習の技術がどれほど進化したとしても、人間にとって代わることができない部分は残ります。ですので、ツールとしてのAIをより正しく理解し、適用した方が良い場面に正しい手法を適用できる人間こそが、本当の意味でAIを使いこなすトレーダーへとなります。

皆さまも、ぜひAI(機械学習)というツールに対し正しい理解を深め、よりご自身のトレードを豊かなものにしていただければ幸いです。

※この記事は、FX攻略.com2018年1月号の記事を転載・再編集したものです

【【特別寄稿】AIの基礎と応用可能性[月光為替] 全3回】
第1回 イントロダクションと決定木
第2回 クラスタリングとニューラルネットワーク
第3回 ディープラーニング、集団学習、強化学習

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