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ドルを売って何を買うかが問題[雨夜恒一郎]

ドルを売って何を買うかが問題[雨夜恒一郎]

FX攻略.com ズバリ!今週の為替相場動向  2020年7月13日号

先週のドル円相場は

景気回復期待とコロナ感染第二波への警戒感の間で市場心理が揺れ動く中、ドル円も107円台で神経質なもみ合いが続いていたが、週後半は米5年債利回りが過去最低水準を記録したことや、フロリダ州、テキサス州、カリフォルニア州でのウイルス感染による死亡者数が過去最多になったことを受けて、一時106.65円まで下押しした。

コロナ再拡大で景気回復失速も

米国株式市場では、ワクチンや治療薬の開発に対する期待などを背景にハイテク中心のナスダック総合指数が連日最高値を更新する一方で、いわゆるオールドエコノミーが多いNYダウは上昇しきれず、連日数百ドル幅での乱高下が続いている。

早期の経済活動再開に踏み切った複数州がウイルス感染の爆発的拡大に見舞われており、全米の新たな感染者数は依然右肩上がりの増加を示している。

米国の新たな感染者数 出所:Wikipedia(以下同)

米国の新たな感染者数 出所:Wikipedia(以下同)

市場のセンチメントは期待と警戒の間を日替わりで入れ替わっている段階であり、先行きを楽観するのは時期尚早だ。米国は今まさに感染第二波のさなかにあり、今後全米各地にパンデミックが拡大していく危険性を考えると、決して楽観できない状況である。

景気回復の失速を懸念する声も出ており、今後本格化する米企業決算発表次第では、株式市場が一転して弱気に振れる可能性も想定しておかねばならない。

日欧との対比

一方欧州に目を向けると、感染第一波のピークが早かったフランス・スペインなどは都市封鎖が奏功し、パンデミックの抑え込みに成功している。

フランスの新たな感染者数

フランスの新たな感染者数

スペインの新たな感染者数

スペインの新たな感染者数

日本はこのところ感染が再び拡大しているように見えるが、これはいわゆる夜の街での集団検診を強化しているためであり、明らかな第二波に見舞われている米国とは状況が異なる。新規感染者数の単位も米国とは二桁の開きがある。

日本の新たな感染者数

日本の新たな感染者数

パンデミックの抑え込みがうまくいった日欧と、対応がまずかった米国の間では、景気回復の道筋にも自ずと差が出てくるだろう。

ドルを売って欧州通貨や資源国通貨を買う

筆者のスタンスは引き続きドル弱気だ。とはいえ、安全通貨のドルと円が並行して動くため、ドル円は引き続き方向感が出づらく、106-108円前後のレンジ内で推移する公算が大きい。

そこで考えられるのは、ドルを売って欧州通貨や資源国通貨を買う戦略となる。特に豪ドルは、ドルの代替資産として買われている金(ゴールド)との相関性も高く、ドル安局面では上昇期待が持てる。

チャート上も、先月の戻り高値0.7065ドル近辺を上抜けすれば、長期的な上昇局面入りの可能性が高くなるだろう。

豪ドル/ドル(右目盛り)とゴールド(赤・左目盛)日足

豪ドル/ドル(右目盛り)とゴールド(赤・左目盛)日足 出所:NetDania

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