この国で唯一の月刊FX情報誌を刊行している立場から、多くのトレーダーが犯しやすいミス、陥りがちな勘違いを抽出し、皆さんと共有していくのが当企画の目的です。今回は「なぜ人は損切りができないのか」について考えていきたいと思います。
頭では分かっちゃいる。損切りが必要だと
損切りが苦手なのに、FXで安定して利益を出している人はほぼいません。それだけ安定したトレードをするためには損切りが必要です。今回は、なぜ人は損切りができないのかについて考えていきます。
とはいっても、多くの個人投資家は、損切りをしないと勝てないことは、頭では理解しています。弊誌だけでなく、どのメディアを見ても、どのプロトレーダーに学んでも、損切りの重要性は必ず力説されます。
リピート系自動売買など、例外的な運用スタイルを除き、損失を自らの意志で確定させることは、どうしても避けて通れないというわけです。
にもかかわらず、損切りが苦手な人が多いのは、損切りすることを阻む要因があるとしか考えられません。
損切りを阻む厄介者はこいつら
まず最初に考えられるのが、もともと人間が持っている、損失を避ける本能です。
最初に含み損になったときは心理的ストレスを感じますが、さらに含み損が膨らむと、次第にストレスを感じなくなっていくことがあります。この状態になると、含み損を抱えていること自体を意識から遠ざけるようになり、ポジションは放置され、塩漬け状態となります。
損切りというものは、早い段階ほどしやすく、時間がたつほどしにくくなるのです。
また、「決勝戦メンタル」も、損切りを阻む要因となります。どれだけ優れたトレード手法でも、全勝できないのが投資の世界です。勝利と敗北を繰り返しながら、トータルで資産を増やすことが、本当の意味での資産運用といえるでしょう。
なのですが、こういった統計的な意識がないと、目の前のトレード全部に勝ちたいという、あたかも決勝戦のような気持ちになってしまいます。その結果として、敗北を確定させないため、損切りを躊躇することにつながっていきます。
それと、食費、家賃といった、既に使い道が決まっており、なおかつ失っては困るお金でトレードをすることも、損切りできなくなる要因になります。
そもそもFXのトレードは余剰資金でやるものであり、負けたら生活が破綻するお金を投じるべきではありません。
予約注文で機械的に損切り
まだ他にもあるかもしれませんが、ここまで挙げてきた損切りを妨害する要因をはねのけ、的確に損失を限定できるようになるためには、どうすれば良いのでしょうか。
一番強力なのが、予約注文の活用です。超短期手法以外は、あらかじめ決まっている価格に損切り注文を入れるようにしてください。
このとき、利益確定の価格も決まっているなら、OCO注文で利食いと損切りを両方設定すれば、その時点でもうすることはありません。
チャートやポジション損益を見ていて心が揺れ動くのなら、パソコンやスマホを閉じてしまい、見ないようにしましょう。自動的に、あらかじめ決めた価格で、損切りが実行されるはずです。
私たちの損切りを妨害する邪魔者を集めてみました
邪魔者① 損失を避ける人間の本能
最初のうちは含み損がストレスになっていても、次第に麻痺、無痛化していく。
邪魔者② 統計でお金を増やす意識の欠如
目の前の勝負にどうしても勝ちたい「決勝戦メンタル」は、損切り遅れの原因に。
邪魔者③ 負けられない戦いになっている
FXトレードは絶対に余剰資金で行うべき。生活資金と混ぜてはいけません。
※この記事は、FX攻略.com2018年4月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
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\FX会社によって違うところをチェック/
スプレッド | FX取引における取引コスト。狭いほうが望ましい。 |
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約定力 | 狙った価格で注文が通りやすいかどうか。 |
スワップポイント | 高水準かどうか。高金利通貨の取り扱いの数。 |
取引単位 | 少額取引ができるかどうか。運用資金が少ないなら要チェック。 |
取引ツール | 提供されるPC・スマホ取引ツールの使いやすさ。MT4ができるかどうか。オリジナルの分析ツールの有無。 |
シストレ・自動売買 | 裁量取引とは別に自動売買のサービスがあるかどうか。 |
サポート体制 | サポート内容や対応可能時間の違いをチェック。 |
教育コンテンツ | 配信されるマーケット情報や投資家向けコンテンツの有無。 |
キャンペーン | 新規口座開設時や口座利用者向け各種キャンペーンの内容。 |