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市場に潜む「灰色のサイ」とは?[雨夜恒一郎]

市場に潜む「灰色のサイ」とは?[雨夜恒一郎]

FX攻略.com ズバリ!今週の為替相場動向 2021年1月4日号

新年あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

先週のドル円相場は

クリスマス休暇を終え、実質新年相場に入った株式市場では、日経平均が30年ぶりの高値を更新し、NYダウが史上最高値を更新するなど上値を追う展開となった。為替市場では、リスクオンのドル売りでユーロドルが1.2310ドルと年初来高値を更新したものの、ドル円は日本勢が年末年始休暇中とあって動意が鈍く、103円台での方向感が乏しい一週間となった。

灰色のサイ

2021年の相場がスタートした。株式市場は楽観ムードにあるが、相場は何が起こるかわからない。昨年の今頃、中国武漢で発生した新型コロナウイルスがここまで世界を震撼させるとは誰も想像しなかった。

市場において高い確率で存在し、大問題に発展する可能性が高いにもかかわらず、軽視されがちなリスクのことを「グレーリノ(灰色のサイ)」と呼ぶ。株価堅調で緩んだ正月気分の現在、最も警戒すべきサイは何だろうか。

コロナ変異種の出現

コロナウイルスに関しては、ワクチンの接種開始で感染終息期待が高まっている一方、感染力が70%強いといわれる変異種の出現が新たな脅威となりつつある。米国の新規感染者数は現在減少傾向にあるものの、イギリスなどでは変異種による新たな拡大局面を迎えており、米国が同様の事態に陥るリスクは小さくない。コロナ禍は依然として予断を許さない状況であり、コロナ変異種は最も警戒すべきサイである。

イギリスの新型コロナウイルス感染者数推移

イギリスのコロナ感染拡大は「Out of control」

米国のインフレ懸念

FRBはコロナ禍による景気後退に対処するため大規模な資産買い入れを行い、向こう2~3年間ゼロ金利を継続する意向をフォワードガイダンスとして示している。またコロナ対策により米国の2020年会計年度の財政赤字は3.1兆ドル、名目GDPの15%と戦時中並みとなったが、2021年度はさらに悪化が不可避の情勢だ。

過度の金融緩和と未曽有の財政赤字、それら自体がドル売り材料であることは言うまでもないが、最近になって静かな注目を集めているリスクは、金融・財政の超緩和を背景としたインフレ懸念だ。

市場の予想インフレ率は、米国10年債と物価連動債の利回りの差である「ブレークイーブンインフレ率」で測ることができるが、これが先月末に1.98%と2019年4月以来の高水準となった。今年はFRBの目標である2%を超えてくるとの見方が多い。

予想インフレ率が上昇するとドルはどんな影響を受けるか。

FF金利が向こう2~3年ゼロのままだとすれば、名目金利からインフレ率を引いた実質金利はマイナス幅が拡大していくことになる。他国と比べて実質金利が低いドルは下落を免れない。

逆に、インフレリスク上昇でFRBの金融緩和終了が近いとの見方が強まれば、超金融緩和を追い風に上昇してきた株式市場は大きな打撃を受けることになる。既知の材料による緩やかなリスク回避はドル買いにつながることが多いが、株価急落による急激なリスク回避は、今年の3月に見られたようなドルの急落をもたらす可能性が高い。インフレ懸念はある意味、コロナ変異種より恐ろしいサイといえる。

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株価急変・ドル安を警戒

草原に生息するサイは普段はおとなしいが、その巨体が一旦暴走し始めると誰も手を付けられなくなる。現在、株式市場はコロナ終息期待や金融・財政緩和を背景に楽観ムードにあるが、歴史的高値圏からの急反落はいつでも起こりうると身構えておくべきだろう。ドルに対しても下値警戒を怠らないようにしたい。

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