激しく値動きするNY(ニューヨーク)時間帯のFX相場で利益を出すにはどうすればいいのでしょうか。
金融のメッカである欧米市場が本格的に動き出し、かつ私たち日本人の多くの兼業トレーダーが取引に精を出す日本時間夜は、まさにFX相場のピークです。
この時間帯の特徴について、おなじみの不動修太郎さんに解説していただきました。
ニューヨーク時間とは?
アメリカは、東西に大きな国なので、国内に時差があります。FXでは、アメリカのなかでとくに多くの金融機関が集まっているニューヨークを含む地域の昼間のオフィス時間を「ニューヨーク時間」と呼びます。
現地の夏時間では、「ニューヨーク時間」は日本時間の22時から翌日の6時迄で、冬時間には1時間遅くなります。一方、「ロンドン時間」は、夏時間では日本時間の16時から深夜2時までです。
さて、日本のある大手FX業者の調査によれば、その業者で口座をもっている個人投資家は、6割以上がサラリーマン(給与所得者)とのことでした。
サラリーマンはいろいろな業種にわたりますが、日中働いている方が多いですね。ですから、日本の個人投資家の過半数を占めるサラリーマンが為替相場に集中できるのは、ロンドン時間の後半から、ニューヨーク時間ということになります。
実際の値動きは?
それでは、実際に日本標準時間と為替レートの変動幅(ボラティリティ)の関連性を見てみましょう。
図1は、「ユーロ/米ドル」の日本時間での1時間ごとの値動きの大きさの平均値です。
2009年の1月2日から翌年の9月30日までの為替相場が開いていた430日間の1日24本の時間足、合計1万以上のデータから、時間ごとに高値と安値の差(ボラティリティ)を平均してグラフ化しました。
グラフの横軸は、日本時間で、縦軸は値動きの大きさです。このグラフを見ると、皆さまがご存じの通り、日本時間の昼間は、平均的には値動きが小さく、日本時間の夕方、ロンドン市場が動き出す日本時間の16時頃から為替の動きが活発になってくることがわかります。
その後、いったん、ボラティリティは少し下がり、ニューヨーク時間になると再び、ボラティリティが高くなり、日本時間の午前2時を回ると、ボラティリティが下がってきているのがわかりますね。
図2は、「米ドル/日本円」の1日のボラティリティを図1とまったく同じ手順で平均化し、グラフにしたものです。グラフのかたちは少し違いますが、ボラティリティの増減傾向はほぼ同じですね。仮に、ロンドン時間にユーロが高くなったとしても、ニューヨーク時間になると逆にユーロが売られて安くなることが多いです。
このように、ロンドン時間とニューヨーク時間の動きが逆になることが多いので注意して下さい。
ニューヨーク時間の特色
図1と図2を見ると、双方ともロンドン時間が始まると急に為替の動きが活発になっています。その後、ニューヨーク時間が始まると、為替のボラティリティが大きくなり、3時間ほど経つと平均としては、相場の動きが小さくなる傾向があります。
さて、祝日などに当たらなければ、毎月第一金曜日に「米雇用統計」としてアメリカの失業者数、雇用者数の増減などが発表になります。アメリカは、経済規模が大きく、その金融政策が世界経済に大きな影響を及ぼします。
そのために雇用統計が発表される週は、為替投資家が様子見をして売買を控えるため、発表の前々日の水曜日から、為替売買が少なくなり、だんだん為替変動が小さくなることが多いです。
ところで、ユーロ圏には債務が多く、失業率が比較的高い国が多いことから、今後もときどき、ギリシャ・ショックのような金融不安が起こる恐れがあります。そのため、私は、今年あるいは来年もユーロの為替が急変することがあると予想しています。
ユーロやスイスフランに比べると、アメリカは為替の急変の恐れが少なく、その動きを予想しやすいので、ニューヨーク時間中心の取引をするのが得策でしょう。
この原稿の執筆時点では、アメリカ政策金利の利上げの時期が、早ければ6月とされ、為替市場の大きな関心事になっています。アメリカの経済が本格的に改善するとなれば、途上国に投資されていた投資マネーのかなりの割合が、アメリカに向かうだろうと予想されています。
ニューヨーク時間での具体的戦略
為替相場を見ている時間が短い人なら、スキャルピングと呼ばれる数分程度で小さい利益を積み重ねる手法が適します。あるいは、逆に、1日の取引を2、3回程度に抑えて、数日から1週間先に利益を確定することを狙う投資スタイルをすすめます。
その場合には、相場を見ていない時間が長くなるので、注文したすべてのポジションにロスカットを入れ、1週間先までの要人発言、重要指標の発表のスケジュールを調べておきましょう。どちらの手法をとるにせよ、ポジションをもつ前に、その前の2、3週間程度の為替の大きな流れをあらかじめつかんでおいて下さい。
たとえば、長期的に上昇している相場ならば、短期的売買でも、その流れに乗って買いポジションをもつことです。長期的な大きな相場の流れを調べておき、その流れに乗って小刻みに利益を取りましょう。
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