メタトレーダー4(以下、MT4)は、メタクオーツ・ソフトウェア社が開発した取引ツールです。多機能でありながら無料で使えることから、多くのFXトレーダーに愛用されています。今回は不動修太郎さんから、これまでMT4を使い続けている理由と、FXでMT4を使いこなすために知っておいた方が良いポイントを教えてもらいましょう。
MT4の時間表示
日本のFX会社が提供している取引用ツールのほとんどは、表記が全て日本語で、チャートは日本時間で表示されます。一方でMT4は、インジケーターの名前など一部の表記が英語です。また、チャートの時間表示が日本時間ではありません。国内外の多くのFX会社がMT4を導入しており、世界各国にMT4のサーバーがあるため、複数の時間表示があるようです。平日の為替相場は24時間連続で動いていますので、チャートを見ながら相場を予想し、取引をするだけなら時間表記が日本時間でなくても不便は感じないでしょう。
さて、為替を大きく動かす重要指標の発表、要人発言は基本的に日本時間で公表されています。ですから、重要指標の発表前後の値動きをMT4のチャートで振り返る場合には、MT4の表記時間と日本時間の時差を調べる必要があります。
例えば、平日のMT4が動いている時間にチャートの時間足(時間表記)を5分足や1分足などに切り替えてから、チャートの一番右側にある最新のローソク足などの上にマウスカーソルを置きます。すると、チャート①のように小さいウインドウ内にその足の4本値とMT4でその足が確定した時間が表示されます。そこに表示されたMT4の時間と、その時点での日本時間との時差に注目してください。チャート①は日本時間の9時の画像ですが、MT4の時間は2時と表示されていますね。以上の手順から、このMT4の時間は日本時間より7時間遅れていることが分かります。
また、MT4のインジケーターの扱いに慣れた方には、日本時間を表示する「JPN_Time_SubZero」というカスタムインジケーターをお勧めします。これをMT4に導入すると、チャート②の黄色枠内のようにチャートの下に日本時間が表示されます。
多彩なチャート機能
MT4には多数のインジケーターが標準装備されている上、チャート上に矢印や直線を表示させることも可能で、自由自在にチャートを加工できます。私はチャート機能がとても豊富な点に大きな魅力を感じています。というのも、MT4ならセミナーなどで使うチャートを素早く楽に作成できるからです。
ここでもう一度、チャート②をご覧ください。チャートの左側、青枠で囲った「ナビゲーターウインドウ」内にテクニカルがずらりと並んでいます。例えば、移動平均線を描くにはトレンド(系)の一覧から「Moving Average」をダブルクリックするかチャートにドラッグ&ドロップします。すると、設定画面が表示されるので線の色や太さ、期間などを指定すればOK。これで1本の移動平均線が表示されます。以上の操作を3回繰り返すと、チャート②のように3本の移動平均線を表示させることができます。
3本の移動平均線を用いた予想では、上から短期(赤)、中期(黄)、長期(青)の順に並んでいれば相場は上昇中、逆に上から長期(青)、中期(黄)、短期(赤)の順に並んでいれば、相場が下落する可能性が高いと見なします。それ以外の順番で並んでいる期間は、為替相場がもみ合っており、移動平均線のようなトレンド系のテクニカルでは予想が難しいです。そのようなときには、ポジションを持たずに売買を休んだ方が良いでしょう。
エキスパートアドバイザーを使った自動売買
MT4のもう一つの魅力は、エキスパートアドバイザー(以下、EA)と呼ばれるプログラムを使って自動売買ができるところです。EAには無料・有料を含め、たくさんの種類があり、それらのEAを入手して自分のMT4に導入すれば、相場やプログラミングの知識がなくても自動売買を始めることができます。EA購入を検討しているのであれば、品揃えが豊富なGogoJungleなどの販売サイトでいろいろなEAを見比べてみることをお勧めします。
なお、実際にEAでの自動売買を行う際は、裁量トレードと同じような順序を踏みましょう。まずはデモトレードや少額トレード、あるいはMT4のストラテジーテスターという機能で売買の成績を確認します。そして、最近の相場でEAが良い成績を残せていることを確認してから本格的な運用を始めてください。
※この記事は、FX攻略.com2020年4月号の記事を再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
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\FX会社によって違うところをチェック/
スプレッド | FX取引における取引コスト。狭いほうが望ましい。 |
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約定力 | 狙った価格で注文が通りやすいかどうか。 |
スワップポイント | 高水準かどうか。高金利通貨の取り扱いの数。 |
取引単位 | 少額取引ができるかどうか。運用資金が少ないなら要チェック。 |
取引ツール | 提供されるPC・スマホ取引ツールの使いやすさ。MT4ができるかどうか。オリジナルの分析ツールの有無。 |
シストレ・自動売買 | 裁量取引とは別に自動売買のサービスがあるかどうか。 |
サポート体制 | サポート内容や対応可能時間の違いをチェック。 |
教育コンテンツ | 配信されるマーケット情報や投資家向けコンテンツの有無。 |
キャンペーン | 新規口座開設時や口座利用者向け各種キャンペーンの内容。 |