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FX力を鍛える有名人コラム

私が経験した歴史的FX相場[不動修太郎]

私が経験した歴史的FX相場[不動修太郎]

過去に例のない大きな社会問題が起きると、将来が見えない不安からFX市場に大きな動揺が広がり、相場が大きく動きやすいです。では、そのような荒れ相場で将来の値動きを予想し、FXで利益を上げるにはどうすれば良いのでしょうか? 個人投資家として相場経験が長い不動修太郎さんは、不透明な相場を予想するには歴史的相場を参考にすべきといいます。

過去の相場を参考に

 この原稿を執筆している3月23日時点では、世界各国で新型コロナウイルスの感染が拡大し続けており、海外渡航や国内移動が制限されるなどの影響で株価が乱高下しています。私は、バブル期の前に株式投資を始めたので、アジア通貨危機、中東紛争、リーマン・ショック、東日本大震災など株式と為替相場が大きく荒れる相場を経験しました。

 もちろん、巨大投資銀行リーマン・ブラザーズの破綻に象徴される金融危機や世界同時不況と、昨今の感染症流行による株価暴落は全くの別物です。とはいえ、過去に経験がない出来事が引き金になり、世界経済に大きな影響を与えたという点においては共通しています。ですから、当時の為替の値動きは今後の相場の予想に役立つと考えるべきです。今回はリーマン・ショック前後の相場を振り返ってみましょう。

リーマン・ショックの2008年を振り返る

 米国では、長い好景気の時期に株価、住宅などの不動産価格が上昇し続けました。そのため、安定した収入がない人にも高額な住宅資金を貸し付ける「サブプライム住宅ローン」と呼ばれるリスクの高い貸付が増えていました。そして、不動産価格の急落をきっかけにサブプライム住宅ローンの焦げ付きが急増し、金融不安、株価の暴落を引き起こしました。

 これにより、米国の大手投資銀行であったリーマン・ブラザーズは巨額の負債を抱え、2008年9月15日に日本の民事再生法にあたる連邦倒産法第11章の適用を連邦裁判所に申請しました。しかし、その負債額が大き過ぎたため、リーマン・ブラザーズを救済できませんでした。結果として、米国史上最大の負債総額約6000億ドル(原稿作成時点のレートでおよそ66兆円に相当)を抱えての倒産となり、リーマン・ショックと称されました。

当時の為替はどうだったのか

2006年末から2010年10月までのドル円チャート

 さて、チャート①は2006年末から2010年10月までのドル円の値動きです。2007年の初頭には1ドル120円以上でしたが、その後に大きくドル安円高に動きました。2006年までは円安基調の相場が長く続いたので、日本の多くの個人投資家は外貨買い・円売り中心の売買をしていました。私はリーマン・ショック以降に大きくドル安円高に動いた局面でも、これ以上は円高にならず近い将来に円安ドル高に戻るだろうという安易な思い込みでドルの買いポジションを持ち続けていました。

 そのころの市場には、リーマン・ブラザーズ破綻の後に米国のメガバンクも連鎖的に倒産するのではないかという不安が広がりました。そのためにドル安円高が止まらず、2009年末までに90円を割り込む円高となりました。

 当時の私は、チャートで相場の方向性を予想するという基本をおろそかにして、自分の勘だけを頼りに売買していました。おまけに、間もなく市場は落ち着きを取り戻すだろうという一部の評論家の楽観的なコメントを信じてしまったのです。そのため、円高が進行してもドルショート(売り)の取引に切り替えませんでした。2007年半ばから円高基調が長く続きましたから、もし仮にずっとドルショート中心の売買をしていれば、大きな利益が得られた相場でした。チャート①から分かるように、2008年にドル円はいったん底をつけて上昇に転じましたが、その後に二番底、三番底をつけ、長く円高が続きました。

2006年末から2010年10月までのポンド円チャート

 チャート②は、チャート①と同じ期間のポンド円チャートです。リーマン・ショックによって、ポンド円は1ポンド250円ほどから半値近い130円前後まで大きく下落しました。これはドル円以上の下げ幅です。

荒れ相場で取引するには?

 チャートをよく見ず、このくらいのレートで反転するだろうという値ごろ感だけで相場を予想するのは良くありません。常に自分で長期のチャート上にサポートラインを引くか、移動平均線を表示してそれをよく見て為替相場の方向性を判断しましょう。長期チャートでトレンドが出たら、短期売買でもその方向性に沿って取引することをお勧めします。

 荒れ相場では、各国の財政、金融のトップが市場を落ち着かせるためにあえて楽観的な意見を述べることがあります。一部の専門家の意見を信じ切ってしまうのではなく、なるべく多くの情報を集めてください。大きな事件があると弱気相場となり、ちょっとした悪いニュースやうわさだけで大きく相場が動きがちです。ですから、荒れ相場ではポジションサイズを小さくし、慎重な取引を心がけましょう。

※この記事は、FX攻略.com2020年6月号の記事を再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。

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