今週木曜日(ロンドン時間午前10時30分から、日本時間19時30分)には、今年はじめての英中銀・四半期インフレーション・レポート(Quarterly Inflation Rreport 以下、QIR)が発表されます。物価の安定を責務として金融政策の運営をしている英国中央銀行は、四半期ごとに発表するQIRを通して、国民に英国経済の現状や、ここからの金融政策の方向性、変更のタイミングなどを説明する非常に大事なイベントであることは、ここで説明するまでもありません。
事前予想
通常、QIRが発表される前に、報道各社や銀行などが事前予想を発表するのですが、今回に限っては、全くといってよいほど、どこも予想を出していません。それもそのはず、現在の英国経済は、良いと思う人、あまり芳しくないと感じている人、それぞれの立場により、全く違ってみえるそんな踊り場状態にあると私は感じています。ここでは、私なりの意見を書いてみましょう。
良いと思う点→利上げ時期の前倒し要因
・原油安による減税効果
2014年11月に発表されたQIRの中で、英中銀は「最近の原油安は、英国の消費者にとっては減税効果となる」と解説し、ヨーロッパではデフレの根源と煙たがられている原油安に対し、前向きな発言をしていました。
果たして、今回のQIRでも、同様の前向き発言に終始するのでしょうか?
・平均賃金上昇率
2008年秋のリーマン・ショック前は、「賃金上昇率 > インフレ率」という関係がしっかり根付いておりましたが、それをきっかけに立場は逆転。ずっと「インフレ率 > 賃金上昇率」の関係が継続し、英国経済の7割以上を占めるサービス(個人消費)の低迷が景気回復の足を引っ張っていました。
データ:英統計局
今回のQIRでは、将来のGDP予想を上方修正しているのか、注意したいと思います。
あまり芳しくないと思われる点→利上げ開始時期の据え置き/先送り要因
・住宅関連指標の低迷
歴史的低金利が定着し、賃金上昇率は軽々インフレ率を抜き、減税効果と言われる原油価格安も継続している今、英国経済のアキレス腱とも言うべき住宅市場の盛り上がりが、今ひとつ欠けています。
データ:英中銀ホームページ
これは英中銀が毎月発表している住宅ローン承認件数ですが、昨年は夏に一時的に盛り上がりを見せた以外は、一貫して下落基調であることが確認出来ます。この最大の理由として挙げられているのが、今年5月に実施される総選挙。果たしてどの政党が政権を握るのか全く予断を許さない状況であるため、新政権発足後の住宅関連税制などが、どのように変化するのか不透明感が漂っているため、それが終わるまではあまり大きな上昇は期待できそうにありません。
ここからのポンド
ギリシャ新政権発足後、Grexit(ギリシャのユーロ圏離脱)という単語を耳にしない日がないくらい、ヨーロッパの状況は混沌としてきました。そこに来て、先週金曜日に発表されたアメリカの雇用統計の数字では、予想以上に強い数字が発表され、一気にドル買いに安心感が広がったのです。
「ヨーロッパの不透明感 + アメリカの強い数字」ーーこの両方の影響を受け、ユーロは対ドルで下落してきています。そして、その影響を大きく受けているのが、ポンド/ドル。しかし、ポンドという通貨の強弱をはかる実効レートを見ると、意外や意外、昨年夏の高値を、先週上抜けした結果、ユーロ/ポンドやポンド円はポンド高の方向へ。
データ:英中銀ホームページ
実効レートの90というレベルは、いろいろな思い入れがあります。
① 過去25年の実効レートの高値安値のほぼ50%のレベル
② リーマン・ショック直後に何度か行って来いをしたレベル
やはり①の理由を考慮した場合、すぐ簡単に上抜けるとは思えませんので、一旦85〜90のレンジに入るようなイメージです。
その後、時間がかかるかもしれませんが、一度上に抜けた場合は、一気にポンド高に動く可能性が高まります。その場合、次のターゲットは、95。逆に、何をどうしても90が押さえられ、再度下落するようですと、その場合の速度は意外と早いのではないでしょうか?
最後に繰り返しますが、ドル高トレンドが継続する限り、ポンド/ドルはユーロ/ドルの影響を受けて、行ったりきたりするかもしれません。しかし、対ユーロや円では、ポンド高/安に弾みがつくことも考えられますので、ポジション管理には十分注意して下さい。
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