FXを長く続けている方ならご存じの通り、為替相場には勝ちやすい場面とそうでない場面があります。兼業トレーダーのもちぽよさんから見た、勝ちやすい相場と勝ちにくい相場はどのような状況なのか。チャートを交えながら具体的に解説していただきます。
※この記事は、FX攻略.com2018年2月号の記事を転載・再編集したものです
FXで勝ちやすい相場は根拠のあるトレンド
私にとって、FXで勝ちやすい相場はトレンドです。「そんなの当たり前じゃん!」って思われそうですが、ただのトレンドではなく「根拠のあるトレンド」になります。根拠のあるトレンドとは、例えば上位時間足の過去・高値安値、または節目から反発後に下位時間足である1分足〜5分足で形成されていくトレンドです。もちろん上位時間足にもそのときのトレンドがあるので、大きなトレンド(方向性)を確認しつつ、その中の小さなトレンドでトレードしていくイメージです。
チャート①・②のように、例えばサポートやレジスタンスとして機能していたラインやゾーンを抜けて1時間足の方向性を予測できたら、1分足で押し目・戻りを狙っていきます。また、抜けずに反発した後(そこを意識して買いや売りを入れてきた人が多い)も同様です。
押し目・戻りの狙い方は何パターンかあるのですが、自分で開発した押し目・戻りでサインを出すインジケーターを目安にエントリーすることが多いです。またはストキャスティクスを目安に押し目・戻りを判断したりします。中期的な方向性に乗って下位時間足で細かく押し目・戻りを狙えるので、負けはかなり少なく、獲得できる利益は大きくなります。
なお、ボラティリティが低いときや、大きな移動平均線からレートが乖離しすぎているとき、急上昇・急下降後の場合はスルーするのが無難ですね。あとエントリーポイントを絞っているので、「待つ」ということが非常に重要になってきます。
まとめますと、主に上位時間足の過去高値安値・節目から反発した後の下位時間足のトレンドの中で、押し目・戻りを狙いやすい相場が、私にとってFXで勝ちやすい相場となります。
勝ちにくい相場はトレンド後のレンジ
レンジにも種類があるので全てではないのですが、トレンドがある程度進んだ後のレンジ相場や、乱高下しているレンジ相場の場合は、基本的に勝ちにくいのでスルーします。またボラティリティが低い場合も、ポジションを持ってしまうとポジション方向からいきなり逆行してボラティリティが復活してくると厄介なので、基本はスルーしています。
ただ、そのような相場になりそうなところも上位時間足を見ていると予測できたりするので、それまでにポジションを持っていたら全て決済したり、まだトレンドが続きそうと判断できれば半分決済したりします。
勝ちにくい相場で取引する必要性なし
トレンド相場よりもレンジ相場の方が多いといわれているので、早く稼ぎたいと思っている人やトレンドを待てない人にとってはレンジでもトレードしたくなるかもしれませんが、焦ることはありません。意外とトレンド相場はたくさんあります。
4時間足や日足がレンジだとしても、1時間足や15分足では短期〜中期でトレンドが発生しているなんてことはいくらでもあるので、それまで「待つ」。そして、そのトレンドの中の押し目・戻りを狙っていけば、高い確率で勝ち続けることができます。しかし、チャンスを待てずにちょっと大きく動いただけで抵抗帯や大きい方向感を確認せずに飛び乗ってしまったり、方向感が定まっていないレンジで無理にトレードしたりすると、トータルで負けてしまうことが多いのではないかと思います。まずは長期的な方向感を把握し、その中の短期〜中期的な方向感を見極められるようになれば、少しは楽にトレードができます。
後はその短期〜中期のトレンドの中のベストなポジションでエントリーし、目標のポイント(例えば上位時間足の高値安値、ネックライン、節目など)までポジションを握れるように自分のトレードルールを検証し、練習することが第一歩です。
メンタルについて
俗にいう「メンタル」は、FXで稼ぐという点では役に立たないと思います。仮にメンタルがどれだけ強くても、トレードルール自体が相場の方向感に逆らうようなものであれば、FXで稼ぐことは難しいでしょう。
自分にとって勝ちやすい相場・勝ちにくい相場が判断できるようになってくれば、後は極端に大きなロット数を張らなければメンタルはそうそう揺らぐことはありません。逆に、適当にエントリーしたり、相場の状況が把握できていないのに資金に対して大きなロット数を張ったりするからメンタルが揺らぎます。その結果、損切りができなかったり、少し利益になると利確してしまったりするので、トータルで負けるということが考えられます。
※この記事は、FX攻略.com2018年2月号の記事を転載・再編集したものです
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