FX力を鍛える有名人コラム

「仁義なき米大統領選」を円が意識する展開[武部力也]

来週の米ドル/円予想レンジ → 99.10-102.80

「(9/21日銀の長短金利操作付き量的・質的金融緩和に関して)うーん、(円安誘因も)限界だろうな。銀行配慮がメインだね」-。

これは日米金融政策会合の翌日、1ドル100円台推移の9/22夕刻に金融政策通の某国会議員が筆者に語った弁である。同日午後は日銀・財務省・金融庁が急遽、会合を開催。開催理由は日銀新施策について意見を交えたとされており、浅川財務官の「日銀の決定を市場が消化するまで時間がかかる」は市場の円高反応を代弁した格好だ。

イエレン議長は「仁義なき米大統領選」に怯えたか

日銀の新策公表から約14時間後に米連邦公開市場委員会(FOMC)が金利据え置きを決定。声明では“to wait for further evidence of continued progress toward its objectives.”つまり雇用最大化と2%の物価目標という使命の達成、利上げを目標に“さらなる証拠“を待つことを選択した、としている。

しかし筆者は、11/8の米大統領選挙投票に向けてFRBは大幅な政策変更を控え、証拠があろうがなかろうが政治への配慮を優先する、とした推察を持ち続けている。声明後のイエレン議長会見では“6/24のEU離脱是非を問う英国民投票を、「経済と金融情勢に影響がある」として6/15のFOMCでは利上げ見送りの理由としたが、今回は米大統領選挙を見送り理由にしないのか”とした詰問が出ている。無論、イエレン議長はFRBの行動は政治によって損なわれていない、と突っぱねたが歯切れの悪い印象だ。“6/24ブリグジット”で政治のテールリスクを経験したイエレン議長が、“FRB”に批判的な共和党候補のトランプ氏を悪戯に刺激するとは考えられず、まずは大統領候補討論会(9/26)を意識したはずだ。

金融・経済政策論争は勿論、民主党クリントン候補の健康問題から各副大統領候補の資質にまで拡がりを見せる不透明感は、金融市場全般、米ドル/円にも飛び火してこようか。過去号(7/25号・8/15号・9/19号)では主張対立の止まない2人の候補を取り上げたが、FRBのレームダック期間入りを想起する中で、両候補の保護主義的姿勢から「トランプ・ドル安」「クリントン・円安牽制」を警戒したい。

9/26週米ドル/円は、第二4半期末決算での円転圧力や日足一目均衡表雲の帯(101.93-102.85)を上値抵抗と推考。目標値は9/15、21高値圏102.75-80。下値焦点は9/22、8/24-26安値圏100.04-09、8/19-23安値圏99.89-93、8/18-16安値圏99.53-63維持有無。99.50割れは2013/11/12-14安値圏99.12-08、99円維持が問われ下抜けると2013/11/7安値97.60迄の下押し拡大を推考している。

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