米ドル/円予想レンジ → 103.20-105.80
「Japan has not intervened in the foreign exchange market in almost five years, but authorities have made persistent public statements to restrain appreciation in 2016,(日本は約5年間、為替介入はしていない。しかし2016年は通貨当局者が動意抑制のための牽制を繰り返している)」-。
これは10/14に公表された半期に一度の米財務省・外国為替報告書(5ページ目・上段)の一文だ。
円売り介入役を担う“オールジャパン”
同報告書は日本の2016年6月までの4四半期間(1年間)、経常黒字がGDPの3.7%とも指摘。確かに10/11に本邦財務省は8月国際収支速報で経常黒字26カ月連続と公表している。これでは円売り介入が容認される筈はない。
しかし、足元の円高圧力減衰は顕著だ。通貨当局者の牽制が功を奏しているのか? 筆者は財務省が生保による9月の対外債券投資を8581億円の取得超と示している(8月は1兆669億円)点に着目している。日銀マイナス政策金利導入に困惑する国内機関投資家は、第3四半期入りの10月も外債投資に伴う円投を継続している可能性が高く、それが円売り需給に繋がっていると読んでいる。
日銀の“後出しジャンケン”待ち
計らずとも2年前の10/31に日銀は緩和を行い円売りが強まった。この緩和は、FRBが2012年9月に開始した量的緩和第3弾(QE3)の終了を宣言したFOMC翌日、“ハロウィン緩和”と呼称された。
ハロウィンは仮装した子供達が「Trick or treat!(お菓子をくれなきゃ、悪戯しちゃうよ)」と言って家々を巡るお祭りだが、当時の政府・日銀にしてみれば「Trick or easing!(緩和しないと仕掛けるぞ)」とした一部市場ハンターに先手を打った格好となる。
しかし、今般は「日銀はFOMC決定前の追加緩和は控えるべき」と9月時に浜田内閣官房参与が示すなど、日銀は“後出しジャンケン”を望んでいる可能性が高い。理由は11/1-2の日米金融政策後、11/8に米大統領選を控えているからだ。動くなら、12/15に米利上げ、そして12/20に日銀が緩和、としたシナリオが望ましい。それまでは米ドル/円に悪戯(円買い仕掛け)する向きを国内機関投資家が対処すると推考している。
10/24週の米ドル/円上値焦点は10/13高値104.65超、7/29日銀会合時の高値105.80。下値焦点は10/11-13、10/19安値圏の103.15-16-27-32維持。下抜けた際は10/5-7-10安値102.65-80-85。テクニカル観点では年初以来の週足ボリンジャーバンド中心線、日足一目均衡表雲上限を注視している。
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ドル/円は104円の攻防続く。内外要人発言にブレの大きい展開も。
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