EAの組み合わせで大切なポイントは？
FXでEAを使った資産運用をする上で、避けて通れないのがポートフォリオ（EA同士の組み合わせ）の作成です。EAは単体で運用するよりも、複数のものを同時に稼働させた方が収支は安定し、ドローダウンも減少する傾向があります。そこで今回は、ポートフォリオを組む上で重要なポイントをまとめました。
ポイント① まずはEAの予算・本数を決めよう
EA初心者にとって、EAの購入費用は大きな負担です。有名どころのEAは2～3万円以上のものが多いため、少額運用のユーザーにとっては敷居が高くなりがち。ポートフォリオを作成するにあたって、運用資金から逆算して、どのくらいまでの予算や本数を用意できるか、あらかじめ決めておくと良いでしょう。おおざっぱな目安として、運用資金の5％以内にEA代金を抑えるのがお勧めです（ただし、少額でのハイレバ運用では5％を超えても良い）。使うEAの数は、まずは5～10本程度を目安にしましょう。
ポイント② 異なるタイプのEAを組み合わせる
似たようなEAでポートフォリオを組んでも、同時にドローダウンしてしまい、リスク分散になりません。ポートフォリオを組む上で最も重要なポイントは、性質の異なるさまざまなタイプのEAでチームを作ることです。具体的には、通貨ペア、時間軸、開発者、勝率、リスクリワードレシオ（平均勝ち金額と平均負け金額の比率）、プロフィットファクター、順張りか逆張りか、などに注目します。これらのバロメーターや性質が違っていればいるほど、さまざまなタイプの相場に対応できるポートフォリオとなります。
ポイント③ 通貨ペアはドル円・ユーロドルを主軸に
例えば、ドル円のEAだけでポートフォリオを組んでしまうと、今年の年明けのような暴落で全てのEAが同時に損失を出してしまう危険性があります。通貨ペアを分散して運用しておけば、このようなリスクを減らすことが可能です。ただし、マイナー通貨ペアはスプレッドが広く、流動性も低いため、ドル円やユーロドルのEAをメインとして、その他の通貨ペアのものはあくまでも補完として考えておきましょう。
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ポイント④ ロジックを分散して堅牢なポートフォリオを構築
その他にポートフォリオを組む上で、僕が特に重要と考えるのは、ロジックの分散です。FXの手法はおおまかに順張りと逆張りの二種類がありますが、それぞれに長所と短所があります。また、トレンドが強い相場では損小利大のロジックが有利ですが、レンジ相場では逆に損大利小のロジックが有利です。このような、異なる性質のロジックを組み合わせることで、ポートフォリオの堅牢性が増すと考えられます。
EAのロジックはユーザーには分からないことが多いので、判断が難しいところではありますが、EA同士のエントリーポイントがあまりにも被るようであれば、ロジックの分散がうまくいっていない可能性があります。
ポイント⑤ 最大ドローダウンを参考にロットを割り振る
ポートフォリオを組む上で悩ましいのがロットの配分です。どのEAにどのくらいの証拠金を割くかについては、いろいろな考え方があり、絶対的な正解はありません。ここでは最もベーシックな考え方として、バックテストの最大ドローダウンを参考にする方法をご紹介します。
例えば、Aというシステムの最大ドローダウンが50万円、Bが25万円、Cが10万円だとします。ロットに対する最大ドローダウン金額が均一になるようにロットを割り振ると、その配分は1：2：5となります。このようにロットを割り振ることで、最大ドローダウンを超えたときの損失額が一定となり、最大ドローダウンを超えたEAの稼働を停止することによって、全てのEAのリスクが均一化されます。
なお、バックテストのロットはEAごとに異なるので、最大ドローダウンを比較する際は注意してください。加えて、全てのEAが同時にエントリーしても問題ないように、証拠金には余裕を持たせましょう。
ポイント⑥ ポートフォリオの中身は定期的に入れ替える
基本的には、一度組んだポートフォリオは稼働停止ライン（最大ドローダウン）を超えるまでは動かしたままで問題ありませんが、余裕があれば、成績の悪いものを抜いて新しいものに入れ替えても良いでしょう。ポートフォリオを1軍、2軍と二つ用意して、1軍で最も成績の悪いものと2軍で最も成績の良いものを定期的に入れ替える、という運用をしてみても面白いかもしれません。
ただし、性質の近いEAほど収支も近くなるので、短期間の成績だけを見てEAを入れ替えると、結果的にポートフォリオに偏りが生まれやすくなる点には注意が必要です。ポートフォリオに絶対的な正解はないので、これまでの内容を参考にしつつ、ぜひ自分なりのポートフォリオ構築法を模索してみてください。
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※この記事は、FX攻略.com2019年4月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。
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