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FXと人|Vol.3 鹿子木健さん 勝てるようになった転機、投資教育に力を入れる理由

FXと人|Vol.3 鹿子木健さん

ファンダメンタルズやテクニカルといった各種分析や、自動売買、システムトレードといった運用方法に目を奪われがちですが、FXの本質は人間と人間の関わり合いで生まれる価格推移です。分析や運用方法が相場を動かすことは決してありません。どんな相場も、動かすのは無数の人です。

この企画では、徹底してFXにおける「人」にクローズアップします。第3回ゲストは、多くのFX関連書籍を出版している鹿子木健さんです。書籍の主題となり、鹿子木さんの代名詞ともなっている「勝ちパターン」や「資金管理」について語ってもらいました。

鹿子木健さんプロフィール

鹿子木健株式会社メデュ代表取締役。2002年から不動産、FX、株式など投資全般に取り組む個人投資家。ボリンジャーバンドのみを使ったシンプルで、普遍性、再現性のある「鹿子木式10の勝ちパターン」を考案した。これまで数千人以上が10の勝ちパターンを学び、結果を出している。

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●聞き手:鹿内武蔵(FXライター)

自分の勝ちパターンを見いだすことが大切

——鹿子木さんが、FXとどのように出会ったかについて、教えてください。

 私がFXに出会ったきっかけは、知人からの紹介でした。2012年までの10年ほど中国の奥地に住んでいたのですが、そのときに知り合いの不動産オーナーが何回も訪ねてきてくれて、FXがお勧めであることを教えてくれました。その方自身はFXをやっていなかったものの、とても信頼していたので、それなら勉強してみようと、初めは軽い気持ちで取り組み始めました。2007年くらいの、ちょうど相場が動き出す時期でした。

——FXを始めたばかりのころは、どんなことに取り組んでいたのでしょうか?

 初心者のころは、いろいろやりました。どのようにトレードを学べば良いのか見当もつかず、多くのことに手を出しましたが、本気で何か一つのことを極めようとしたことはなかったです。もともと、FXはデイトレードをするものだという先入観があって、動いているチャートを見て上がるのか、下がるのか、どちらかを当てるゲームのような感覚があったのだと思います。長い時間ポジションを持つという発想はありませんでした。

 当時は中国に住んでいたので、日本で出版されている書籍は手に入りません。そのため、インターネットで調べて、自己流にやるしかありませんでした。今、振り返ると、典型的な初心者の失敗パターンをたどっていました。

——どんなきっかけで、結果が出るようになりましたか?

 結果が出るようになったきっかけは、今までやったことが全て否定されたことでした。テクニカルやファンダメンタルズを勉強しても、自分の感覚でやっても、いろいろな人のメルマガやコラムを参考にしても、全部裏目に出てしまう。自分がやってきたことが、無駄だと気づいたときに、意識を根底から変えることができたのです。

 最初のころは、何時間もチャートを見続けて、それなりに努力したつもりでした。ただ、チャートを長く見たからといって、トレードがうまくなるわけではありませんでした。上がりそうだと思って買えば下がるし、下がりそうだと思って売れば上がる。じゃあ、その逆をやってみようと試しても、うまくいかない。

 そんなことを繰り返すうちに、相場を当てようとしている自分がいることに気づいたのです。そして、いくら当てようとしても、当たらないことが分かりました。

じゃあ、どうすれば良いのか、というところに行き着きました。

 そのときに、今まで勉強したこと、取り組んできたことを全部捨てたのです。それらを捨てたことによって、言葉で表現が難しいのですが、何か「形」ができた感覚がありました。テクニカルでもないし、ファンダメンタルズでもなく、強いていうなら「フレームワーク」ですね。自分の勝ちパターンを作ることができました。それまでは、相場を当てよう、トレードで勝とうとしていましたが、そうしなくなったことで、うまくいくようになりました。

投資教育に対して情熱を持つ理由

——現在、書籍の出版や、いろいろな投資教育に力を入れておられます。その理由は何でしょうか? 

 世の中の仕事や役割には、大きく三つあると思っています。それは「教育、生産、福祉」です。教育とは、学校の先生だけではなく、いろいろな場所で教えること、導くこと、コーチングやコンサルタントなどがあります。会社でも家庭でも、教育はとても大事な役割だと考えています。

 生産は、ものづくりをして、それを届けるということ。これもとても大切です。

 そして福祉は、いわゆる福祉の仕事だけではなく、政治や行政も大きな枠組みでは含まれるでしょう。この中で、自分自身が一番興味を持っているのが、教育なのです。

 中国にいたときは、大学で教えていた時期もありましたし、小学生に教える学習塾で経営に携わったこともありました。インターナショナルスクールを立ち上げて、そこで教える一端を担わせていただいた経験もあります。そういった経験から、自分の中で教育が、とても大きな役割としてあると感じているのです。投資教育も、その中の一つと考えていて、情熱を持って取り組んでいます。

——こんな人が成功するという、共通項はありますか?

 まず、成功するかどうかに、スキルやテクニックは関係しないと思います。それらが備わっていても失敗する人をたくさん見てきましたし、逆に備わっていなくても成功する人はいます。違いは、そこではないのです。

 では、どんな人かというと、お金に対する欠乏感がない人だと思います。いつもお金が足りないという思いにとらわれていない人のことです。お金にギラギラしている人は、とにかく儲けたいので、どんな場面でもトレードする傾向があります。

 一方、そこまでギラギラしていない人は、無理することはなく、本当に良いところでしかトレードしません。そうなると、両者の結果に格差が生じるのは当然です。

 もう一つの要素としては、依存心がないこと、他者に依存する生き方をしない人だと思います。別の言い方をすると、自己肯定感が高い人です。自分の能力に対する過信があるわけではなく、逆に弱点を認めることができ、うまく他者の力を借りたり、自分の持ってないものを補ってもらったりすることができます。

 自分の現状をしっかりと認識、評価できていれば、自分を卑下することもありません。スポーツでも何でも、学び始めのときに、その道何十年のベテランに勝てないのは当たり前ですよね。その領域へたどりつくために、正しいプロセスで、しっかりと階段を上がっていけば何も問題はないのです。自分はまだ結果が出ていないだけ、結果を出すための階段を上っている、と思えたら良いのではないでしょうか。

——今取り組んでいる投資教育全般は、どんなゴールを目指しておられますか?

 最終的なゴールは、学んだ人が自分で稼げるようになるということです。また、私が教えていることは、自分のオリジナルの部分はほんのわずかで、ほとんどは相場の長い歴史の中で受け継がれている要素です。

 学問などがそうであるように、歴史から受け継いで、後生へ受け継いでもらう循環が生まれるのが理想です。私に教わった人が、それをまた人へ教え、それが広がっていき、世代を超えて受け継がれていくと嬉しいです。

資金管理とは守りではなく積極的に攻撃する考え方

——FXの教えを受けても、なかなかうまくいかずに、止めてしまう人が多いです。なぜ勝てないのでしょうか?

 手法にフォーカスし過ぎだと思います。トレードで勝つために必要なものとして、抽象的な概念が多い中で、手法は最も目に見えるものともいえます。その目に見える手法で勝つのだと考えるのは、自然なことでしょう。

 ただ、感覚的に気づく人もいれば、論理的に突き詰めて気づく人もいるのですが、絶対に勝てる手法というものはありません。まずはそれを認めることが、出発点になると思います。

 例えば、ボリンジャーバンドがとても良いものだとしても、それを使う9割の人は負けています。つまり、ツールや手法の問題ではなく、別の次元の話ということです。勝てる人は何を使っても勝てるし、負ける人は何を使っても負けてしまうのです。私はボリンジャーバンドを使ってトレードをしますが、他のテクニカルだけのトレードを試してみたところ、勝つことができました。一番得意なテクニカルでなくても、勝てることを実体験しました。

 肝心なのは、フレームワークです。トレードで利益になるのは、相場の要素と、自分の行動の要素がかみ合ったときです。そうでないときは、勝ったり負けたりのギャンブルとなります。どんなに相場つきが良くても、自分が勝てる行動をしなければ、勝てません。

 あるいは、そもそも相場がトレーダーの味方ではない場合には、いくら堅実にやっても勝てません。かみ合わないときにいくら頑張っても、良い結果にならないのです。

 トレードは毎週、毎月、毎年と続いていくので、勝ち続けないと意味がありません。勝ち続けるフレームワークを、きちんと自分の中に作らないと、継続して稼ぐことは難しいと思います。

——資金管理が大切だと、とてもよく聞きますが、実態が分かりにくいです。端的にいって、何なのでしょうか?

 資金管理とは、お金をいかに効率的に増やすかを考えることです。最小限のリスクで、最大限儲けることを目指します。

 資金管理というと、多くの人がイメージするのは、ロットを減らしてレバレッジを下げ、コツコツドカンを避けるということだと思います。しかし、そのような消極的なトレードをしようというのではなく、むしろ大儲けを狙いたいわけです。

 その、大儲けを狙いながらも、決して破綻することがない、ギリギリのラインを探すのです。リスクが高くなり過ぎるラインを把握し、それに達しない範囲でトレードすることで、リスクを抑えながら大きな利益を目指します。

 資金管理は、ディフェンスではなく、むしろオフェンスです。一般的に、オフェンスの役割はテクニカルや手法だと考える人が多いと思いますが、それは違います。資金管理によってオフェンスをするのです。

——まだ結果が出ていない方や、これからFXを始める方に、それぞれメッセージをお願いします。

 今、結果が出ていないのは、手法が悪いのではないと思います。その手法のままでも、勝てるようになるでしょう。そのために何をしたら良いかというと、テクニカルや検証を深く突き詰めるのではなく、自分の勝ちパターンに気づくことだと思います。「このパターンだったらうまくいく」というパターンに気づけば、ブレイクスルーも近いと思います。まずはそれに、エネルギーを注いでみるのが良いと思います。

 私は、毎日チャートを欠かさず見ています。時間自体は長くありませんが、28通貨ペアの日足、週足、月足を毎日見ているので、相場がどう動いているのかが、頭に入ります。過去のチャートの動きと、チャートパターンが自然と頭に入ってくるので、自分がどう行動するかというシナリオが立てやすくなるのです。

 また、これからFXを始める方には、私の書籍を読んでほしいと思います。何冊か出版している中で、まずは最近出版した『初心者からプロまで一生使える FXチャート分析の教科書』(総合法令出版)がお勧めです。チャート分析に特化している内容で、初心者の方が道を間違えないための羅針盤になると思います。

 また、もし最短で成功したい、最短で稼ぎたいという場合は、勝ちパターンのシグナル配信も参考にしてみてください(「SOPHIA FX®︎ 鹿子木健の勝ちパターンシグナル」)。ただ、こちらのメインは考え方の部分にあって、チャートの読み方や自己管理、資金管理を総合的に学べるようになっています。

 ぜひ、ご自身の勝ちパターンを構築していただきたいと思います。それを持っていれば、本当に自信がつきますし、取引しても良いところと、しない方が有利なところが見分けられるようになります。無用なトレードから自分自身を守れると、ストレスが減ります。

 人生は有限ですから、チャートに縛られるトレードでは、何十年と過ごせないと思います。自分の体力や判断力など、衰えていくものに依存するトレードスタイルではなく、たとえ年を取っても変わらずに取引できる勝ちパターンがあると心強いです。そこにフォーカスしてみては、いかがでしょうか。

効率的にお金を増やすには投資である必要はない

——ここからは、読者の皆さんから寄せられた質問に回答していただきたいと思います。

Q1.低資金でトレードする場合の考え方を教えてください。

 少ない証拠金でトレードするときには、金額にもよりますが、最も増える方法を選ぶのが良いと思います。

 例えば、低資金というのは人によって10万円だったり、500万円だったりと異なりますが、仮に10万円だとしましょう。これを効率良く増やすのであれば、投資ではなく働いて増やすことをお勧めします。

 10万円を投資で10%増やしたとしても、1万円しか増えません。しかし1万円は、1日働けば稼ぐことができる金額です。そう考えると、投資で10%増やす努力をするよりも、副業や節約などでお金を作る方が容易です。そのお金を証拠金に入れて、まずは元本を増やしていくと良いと思います。例えば、1か月に5万円ずつを証拠金に入れていけば、1年後に元本は60万円増えることになります。とにかく、資金が少ないときは、元本を増やすのです。

 そして、それを使わないことも重要です。初心者は、証拠金をなくしてしまう傾向があります。勝てる手応えがないときに、実資金でトレードする必要はないと思います。

 元本を増やすというのは、タイムカプセルのように、トレードが上達した将来の自分のために準備する感覚でいると良いかもしれません。それまでは、お金を貯めながら、デモトレードで実力をつけていくのが良いと思います。慌てて、今すぐ成功したいというのは、失敗の元です。お金を増やしてから本格稼働する方が、はるかに成功しやすくなるでしょう。

Q2.取引の通貨ペアは、手広くやった方が良いでしょうか? 絞った方が良いでしょうか?

 取引する通貨ペアとしては、手広くやるのも、絞るのも、お好みでどちらでも良いと思います。ただし、チェックする通貨ペアは、多ければ多いほど良いでしょう。

 例えば、ポンドを好む人が多いですが、ポンド円だけを見るというのは、非常に平面的だと思うのです。相場の一つの面しか見ていません。しかし、他の通貨ペアも合わせて見ることで、立体的になります。

 いくつもの通貨ペアを幅広く見ることで、相場全体を相対的に判断できるようになります。そうすることで、ポンドが強いのか弱いのか、それとも円が強いのか弱いのか、あるいは別の通貨の影響が強いのか、といった判断ができるようになります。

 私の場合、毎日28種類の通貨ペアを見ているので、どの通貨を取引すれば有利なのかがすぐに分かります。チャートを見る時間はわずかでも、毎日継続して、幅広く見ることで、相場全体の動きを把握することができます。

※この記事は、FX攻略.com2020年11月号の記事を転載・再編集したものです。本文で書かれている相場情報は現在の相場とは異なりますのでご注意ください。

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