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【Dealer’sEYE】週末に向けて下値を試す展開[井口喜雄]

こんにちは トレイダーズ証券の井口喜雄です。

今週前半は英国のEU離脱や、原油安を背景に世界経済の不透明感が払拭できず、リスク回避の動きからドル円は軟調な展開が続いています。

今週のドル円

さて、今週のドル円ですが、メインイベントは26、27日に中国で開催されるG20となります。世界的なリスクオフを是正するため、G20で国際的な協調をしていく動きが確認できれば円安となるものの、各国の通貨安競争から、過度な通貨切り下げが強調されれば、円高が加速します。

全体的な流れでは、おそらく世界的なリスクオフの地合いに国際協調していきましょう、といった展開となり、過度なリスク回避の地合いは後退しマーケットは少し落ち着きを取り戻すと考えています。しかし、今週米財務相は「競争的な通貨切り下げをしないよう強く主張」と介入に対してけん制をしてきました。

円安が生命線の安倍政権では、なりふり構わず介入を実行してくる可能性が高い訳ですが、G20までの間に介入する確率はかなり低くなりました。となれば、週末にかけて売り方が110円台を試しに行くと考えるのが自然で、下値警戒姿勢を幾分強めておきます。

また、テクニカル面でも5日、25日、75日の移動平均はいずれもマイナスに傾いており、明確な下落トレンドと確認することができます。下値は110円台まで明確なサポートがないため、同水準は一度試しに行くと思っています。一方上値は重く、マイナス金利発表の1月29日から2月11日におけるフィボナッチの23.6%戻しの113.40円付近では今週きれいに跳ね返されており、113円台では戻り売りのポイントとなります。

仮に上抜ければ38.2%戻しの115.00円がレジスタンスになりますが、こちらも強固なレジスタンスとして機能しており、いずれにしても上値のハードルは高くなっています。

ドル円日足(フィボナッチ)

ドル円日足(フィボナッチ)

前途したようにドル円が値崩れを起こす可能性は高く、目線はかなり下を見ていますが、G20が週末を跨ぐため、来週月曜日には大きく窓が開いてオープンする危険性があります。週末要因はポジションのコントロールができないため、リスク管理上、深追いは禁物です。

■売買比率

売買比率

日銀介入が意識される111円台ということもあり、先週から10%買いが増えてドル円の売買比率は約80%の参加者がロングポジションを持っております。日銀の介入についてですが、個人的に110円レベルではあるのではないかと思っています。スムージング的な介入のほか、目標水準を設定して大規模な介入をしてくることもあると見ています。

しかし、流れは介入への催促相場へ向かっており、下値を試すモメンタムです。仮に介入が中途半端だった場合も、絶好の売り場になるため、警戒は必要です。

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